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ちょこぽじ03

【軽やかな不退転】

 私は一生北海道で暮らすものだと信じて生きていました。
 そう、ちょうど20年くらい前までは。
 札幌近郊で暮らしていたので、便利だったし、楽しいし。
 たとえ道内のはじっこの方になっても、北海道だったら平気。
 そんなふうに思っていました。
 相方から、必ずしも北海道では仕事に就けないと思う、と告げられた時は……本気で別れようかと悩んだほどです(苦笑)
 そんな私が、天職だと思っていた大好きな仕事を辞めて、相方を追って広島に飛んだ時に。
 ひとつ、決めたことがあります。
 それは実家には戻らない、ということ。

 別に喧嘩したとか勘当されたとかじゃないんです。
 それほどのキモチで、離れたということ。
 なので赤ちゃんの頃の写真からなにから一切合切持って行きました。
 アパートを明け渡すように、実家の私の部屋には大きな家具だけ残して、キレイさっぱり出て行きました。

 そのキモチは今でも変わりません。
 もし離婚しても、実家には戻らない。
 どうにかして、この町か、違うどこかで暮らして行こうという想いでいます。
 覚悟というには甘いけれど、それくらいのキモチでいるほうが、ヨソモノ暮らしは楽しめます。
 仮の住まい、というキモチじゃなくて。
 もしかしたらこの町で一生暮らすかもと思うと、色々なことを楽しみたくなるので。

 もちろん、合う合わないということはあるけれど、実家の方が良かったなぁとは思わない。
 自分の故郷を捨てるのではなく、第二・第三の故郷を求めるキモチで暮らすこと。
 それが今の私のヨソモノ暮らしを支えています。
 

道産子の津軽在住2児の母。登校拒否長女との日々雑感と、しあわせに生きる”ちょこぽじ”のススメ。