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読書メモ-Day 08-センスは知識からはじまる

本の情報

タイトル
センスは知識からはじまる

著者

水野 学

読了日

2021年5月20日

この本を読んだ目的

・タイトルに惹かれた
→最近「センス」とは何だろうと感じることが多く、「センス」は知識からはじまるというワードに惹かれたため。

この本を読んで学んだこと

・センスは生まれついたものではない
→「方法を知って、やるべきことをやり、必要な時間をかければ、皆できるようになることです。僕が特別な人間だからできる、というわけではありません。」

・「センスのよさ」とは、数値化できない事象のよし悪しを判断し、最適化する能力である。
→「おしゃれ」も「カッコよさ」も数値化は出来ない。しかし、そのシーン、その時に一緒にいる人、自分の個性に合わせて服装のよし悪しを判断し、最適化することはできる。それを「かっこいい/センスがいい」言う。

・まず「普通を知ること」が必要である
→普通こそ「センスのいい/悪い」を測ることができる唯一の道具。
 普通とは、「いいもの」がわかるということ。
 普通とは、「悪いもの」がわかるということ。
 その両方を知ったうえで、「一番真ん中」がわかるということ。

・「普通」を知っていれば、ありとあらゆるものがつくれる
→普通という「定規」であらゆる事象を測っていくことによって、さまざまな物をつくり出すことができる。
自分が認識している「普通」の基準を、あらゆる人にとっての「普通」を、イコールに近づけられるようになればなるほど、最適化しやすくなる

・技術がピークを迎えるとセンスの時代がやってくる
→人間というのは技術がその時点の限界まで進歩すると、ノスタルジックな思いに身を寄せ、美しいものを求める傾向がある。
ルネッサンス=復興、再生を意味し、古代ローマやギリシャのセンスを取り戻そうという「懐かしさ」を求めた文化運動。
大量生産が当たり前になると、人々の意識が変わる。
工芸品や民芸品という庶民のための「もの」にも美しさを求めるーこれが今日のデザインという概念につながっていった。

・「美しい」という感情は基本的に未来でもなく過去に根差している

・すべての仕事において「知らない」は不利
→センスとは知識の集積。知識があればあるだけ、その可能性を広げることができる。知識というのは紙のようなもので、センスとは絵のようなもの。紙が大きければ大きいほど、そこに描かれる絵は自由でおおらかなものになる可能性が高くなっていく。

・ひらめきを待たずに知識を蓄える
→「誰も見たことのない企画」をつくるためには、「誰でも見たことのあるもの」という知識を蓄えることが大切。
「誰も見たことのない、あっと驚くヒット企画」2%
「あまり驚かない、売れない企画」15%
「あまり驚かないけど売れる企画」20%
「あっと驚く売れない企画」63%
あまり驚かないけど売れる企画に注目する。
iPhone→固定電話、携帯電話の流れに沿ったもの
AKB48→おニャン子クラブ、モーニング娘。の流れを汲むもの
過去に存在していたあらゆるものを知識として蓄えておくことが、新たに売れるものを生み出すには必要不可欠。

・イノベーションは、知識と知識の掛け合わせ
→イノベーションは、ゼロベースで何かを作ることではなく、「1から2を作る」「AにBを掛け合わせてCにする」といった意味合いの言葉。
意外な掛け合わせを生むために、より多くのD,E,F…という知識を蓄えていくことが大切。

・センスとは、知識に基づく予測である
→よきセンスを持つには、知識を蓄え、過去に学ぶことが大切。同時にセンスとは、時代の一歩先を読む能力も指す。
アウトプットそのものは時代の半歩先であるべき。しかし、半歩先のアウトプットを作り出すためには、一歩先、二歩先を読むセンスがなければならない。知識に基づいて予測することがセンス。

・客観情報の集積がその人のセンスを決定する
→センスの最大の敵は思い込みであり、主観性。思い込みと主観による情報をいくら集めてもセンスはよくならない。思い込みを捨てて客観情報を集めることこそ、センスをよくする大切な方法。
センスに自信が無い人は、自分がいかに情報を集めていないか、自分が持っている客観情報がいかに少ないかを、まずは自覚すること。センスとはつまり、研鑽によって誰でも手にできる能力。生まれつきの才能では無い。

・効率よく知識を増やす3つのコツ
①王道から解いていく
王道のものには、その製品らしいシズルが必ず含まれている。=王道のものは既に「最適化」されている。
②今、流行しているものを知る
流行しているものの多くは一過性のもの。しかし、王道と流行のものの両方を知っておくことで、知識の幅を一気に広げることができる。
③「共通項」や「一定のルール」がないか考えてみる
分析したり解釈することで自分なりの知識を精製するプロセス。

・知識のクオリティが精度の高いアウトプットをつくり出す
→「感覚的に、これがいいと思うんです」は禁句
センスが知識の集積である以上、言葉で説明できないアウトプットはあり得ない。自分のセンスでつくり上げたアイデアについて、きちんと言葉で説明し、クライアントなり消費者なりの心の奥底に眠っている知識と共鳴させる。これがものをつくるということ。

・知識をセンスで測ってアウトプットを決定する
→ex.)もしイタリア航空からロゴを作ってくれという依頼がきたら?
ヘルベチカは絶対使わない。ヘルベチカはスイス連邦をあらわすラテン語からきている。世界中のロゴとして使われている書体でも、国を象徴する航空会社となれば話は別。「あえてイタリアの会社がヘルベチカを使う」という理由をきちんとプレゼンテーションできなければ使うべきはない。
自分が何を根拠にそのデザインを決定しているかを「感覚」という言葉に逃げずに説明しなくてはならない。

・書店を5分で一周して気になったものが何かを確認してみる
→まず、自分の興味ある本屋雑誌を見る。ある程度見たら、無作為に店内をウロウロする。そこで目に止まった本を手に取る。一瞬でも気になったものには何かしら理由があるはず。余裕があれば購入してみたり、立ち読みさせてもらう。この習慣によって知識が一年で365個増える。

・「幼児性」で新鮮な感性を取り戻す
→知識の集積に懸命になりすぎると、人は時として自由な発想を失ってしまう。センスを磨くには知識が必要だが、知識を吸収し自分のものとしていくためには、感受性と好奇心が必要。「感じる力」が強くないと、知識というのはなかなか蓄積されていかない。
「感受性+知識=知的好奇心」

得たこと・感じたこと

・「センス」という「何となくふわったした感覚的なもの」「生まれつき備わっているもの」として捉えていたが、「知識」によって磨けるものであるという説明が本を読むことで府に落ちた。

・「知らない」から自信がなく、仕事の幅も狭めてしまう。分からないことは知るべき努力をすることが大事。

・「何となく良いと思う」ものには必ず理由がある。人が一瞬で判断しているように見えても、その判断は知識の積み重ねからきている。

読み終えて今すぐすること(TO DO)

・出かけた先で本屋に行く習慣をつける。

・サブスク等で色んな雑誌に目を通す習慣をつける。
→今流行っているもの、自分の全く知らない知識の吸収、レイアウトの参考にする。


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