【夜舞魍魎イベ】創作妖怪まとめ
【紙切り】
紙の縁で手を切ってしまうのは紙切りのイタズラ。
大型の紙切りほど分厚い紙で切ってくるので注意。
【氷室主 (ひむろぬし)】
冷蔵庫に潜み、中の物を自分好みに並べ替えてしまう。しなびたキュウリ、液状化したレタスなど、時折とんでもないものが冷蔵庫の奥から発掘されるのは全てこいつのせい。決して家主がズボラなわけではない。
【別腹女】
満腹のはずなのにデザートが食べたくなってしまう。
対策方法は「がまん」。
【あましょっぱい小僧】
甘いものと塩っぱいものを交互に食べたくなり、地獄のループから抜け出せなくなってしまう。対策方法は「がまん」。
【阿保毛返し】
何度も何度も、しつこくアホ毛を立たせてくる。乾燥を好むので髪をしっかり保湿すると避けられる。
【ねぐせづくり】
寝ている人間にとんでもない寝癖をつける。とても心地いい手付きに、人間はつい寝過ぎてしまう。寝坊した日に限って寝癖かひどいのはこいつのせい。
【陽動地獄 (ようどうじごく)】
人とすれ違うとき、同じ方向に避けてしまうのはこいつの仕業。大変気まずい気持ちにさせられる。大きめの駅が出現スポット。
【既読蟲、未読蟲 (きどくむし、みどくむし)】
メッセージを読んでいるはずなのに連絡がない、またはメッセージを読んですらいない気がするときは、こいつらが邪魔をしている可能性が。妖怪のせいだから落ち込まないで。
【ヒトクチハカリ】
こいつが現れると、あと一口が食べ切れない、飲み切れなくなってしまう。子供があと一口を残してしまうのは高確率でこいつのせい。
【三歩ぬすみ】
ついさっき思ったこと、やろうとしたことを忘れさせられる。古い文献に「魍魎、三歩あとのおぼえを奪ひ」とあることから、三歩ぬすみと呼ばれるようになった。
【モクソクアヤメ】
漢字で「目測殺」と書く、非常に恐ろしい妖怪。現代でも、多数の人間が被害に遭っている。
「お店ではいいなと思ったんです。でも、帰って身につけてみると、何か違うんです。こんなに派手だったっけ?思ったより似合わないかも?って……それで結局、買ったのに使わず仕舞いになるんです。お店ではいいなと思っ…思わされたんですよ……!」
――― 遭遇者の証言 ( 自称10万歳・女性・カントー地方 )
【赤瞠 ( あかみつめ )、アカミツメ】
赤ちゃんがやたらに見つめてくるときはこいつがいる。「赤瞠」と「アカミツメ」が存在しており、赤瞠は赤子を笑わせみんなをほっこりさせてくれるが、アカミツメは赤ちゃんを泣かせてしまうため、大変気まずい気持ちにさせられてしまうのだという。両方とも見た目はほぼ変わらないが、赤瞠はツノがひとつ、アカミツメはツノがふたつあるらしい。
【寝落ち地蔵】
昼夜問わず、念仏を唱えながらゆっくり徘徊している。特に寝不足気味、リラックスしているときなどに遭遇すると、念仏と錫杖の音であっという間に眠りに誘われてしまう。
【電子蜘蛛 ( でんしぐも )】
つい時間を忘れてしまうのは「蜘蛛」類の仕業。夢中になっている人間を見つけて網を張り、時間を奪い取る。多数の蜘蛛類の中、現代に現れ猛威を奮っているのがこいつ。特にYouTubeやTikTokを見ている人間が好物だとか。
【一切法師 ( いちきりほうし )】
新品のラップ、レトルト食品などのパウチ、「こちら側のどこからでも切れます」など、面倒なものが一度で綺麗に切れたときは、一切法師のおかげ。
【呵呵袋 ( かかぶくろ )】
無差別に人間を笑わせる妖怪。場を和ませる、盛り上げるタイミングで現れれば大当たりだが、絶対に笑ってはいけない場面で現れるとかなり厳しい。
【空耳翁、空耳嫗 (そらみみおきな、おうな)】
古びた扉や窓を開けるとき、ものを動かすときなど、人間の声のような音が聞こえたときは、この妖怪が棲みついていると伝えられている。不気味な音の恐怖を和らげるために語られてきたという説や、付喪神の一種として考えられているという説もあり、どちらかといえば愛されている存在。地域によっては「空耳猫」「空耳赤子」など、様々な呼び方があるそうだ。
【反復文字 (はんぷくもんじ)】
間違えて書いた文字を消して書き直すとき、また同じ文字を書いてしまうのはこいつのイタズラ。最近では文字を書く人間が減ったため、スマホに目をつけ、何度も入力を間違えさせるという悪い遊びを覚えたらしい。
【冷水妖女 ( ひやみずようじょ )】
「風呂のお湯が突然冷水に変わるのは、冷水様のお清め」と、古くから有り難がられている存在。シャワーなどの温水を冷水に変えるので、真冬の遭遇はキツい。
【うにゃらむにゃら】
新品のうちは「綺麗に使うぞ」と心に決めていたのに、しばらく使っていると結局いつもと変わらない扱いになる。そんな心理的変化を起こさせる妖怪。「有耶無耶」が訛るなどして今の名前になった。
【雨傘童子 (あまがさどうじ)】
傘を持って出たのに要らなかった、あまり使わなかったときは「差して歩くのは大変だろう」という雨傘童子の優しさ。持って出る前に止ませてくれたら、もっと嬉しいんだけどな。
みなさんは、どの妖怪がお好きですか?
今後もし「そういう機会」に遭ったときは、この子たちのことを思い出してみてください。世界がちょっとだけ、賑やかになるかもしれませんよ。
余談。
こういう物の怪の類は、人々が「本当にいる」と思えば思うほど、その思いが本当に物の怪を生み出すのだとか。或いはもしかして、創作だと思っているのはわたしたちだけで、既にもう存在しちゃってるのかもしれませんね。