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苦手なこと

読みやすい文章を考えることが苦手だ。

文字を読むのは速い方だし好きなんだけど、いざ自分が書くとなると苦手で、ビジネスメールとかもなんかお世話になってない人に「お世話になっております。」っていう嘘から始めないとマナー違反になるからかなり苦手だ。
知ってるんだよ。疲れてないのにおつかれー、っていうし、挨拶そのものに意味を感じすぎない方がいいことぐらい。でもなんか嫌なの。

改行とか、句読点の付け方も過剰になりすぎたりしちゃって苦手だ。その割、伝わんなくてもいい、って心から割り切ることも出来なくてつくづくめんどくさい人間だ。
Twitterも読むのは好きだけど、いざフォロワーの人に、あるいはそれ以上の人に伝えたいことってあんまりないんだよな、、、ってなって投稿は全然してない。日々いろいろ思うけどね。あそこで言うか、って言われると違うじゃない。


29年も自分として生きてると、人には得手不得手があることを嫌でも突きつけられる瞬間が多々ある。


お金を稼ぐことが苦手で、洗濯物を畳むのも苦手で、部屋を綺麗に保つことも苦手だ。洗い物を早めに済ませることも苦手だ。

仕事だから、って色んなことを割り切るのも苦手で、ホントはその人に本音で話してほしいのに敬語を使わないといけなくて、伝えたいことを伝えられなかったり、相手が伝えたいことを受け取れなかったりするのも苦手だ。許されるなら全員とタメ口で話したい。

話を聞くのは好きだ。けど、後から思い返すとあそこで口挟んじゃったの余計だったな…って自分にがっかりすることもあるし、話をするのは好きだけど、大人数に向けて話すのは苦手で、誰に何を伝えたいのかよくわかんなくなるし、この人に話したいことを他の誰かに聞かせたいわけでもないから、これまたよくわかんないことになる。
この文章も極力訳わかんなくならないように、iPhoneのメモに、日記の気持ちで、なんなら誰にも伝わんなくていいような気持ちで殴り書きをしている。

人を何かに誘うのもあんまり得意じゃなくて、引っ張ってくれる人がいるとホイホイ行く。断るのも苦手だし、断るときにいろいろ考えさせるのもに嫌だから何か頼んだりするのも得意じゃない。

寝るのが好きだ。できればずーっと寝ていたい。嫌いなのは朝起きることだ。あの瞬間って全員辛いんじゃないの?

料理はさすがに得意な気がしている。でもプロ顔負けの料理が作れる訳じゃなくて、お母さんの味の延長みたいな家庭料理を作るのが好きだ。細かく何かを計るのも好きじゃないし、色んなことを大体で考えて作ってる。ただ、冷蔵庫のやりくりはめちゃくちゃ得意だから食材を傷ませることが少ないのは、農家の方々とかに誇れる。

ラジオを聞くのが好きだ。大学時代、派遣バイトで朝6時に日産スタジアムに集合をかけられた日があった。解散は終電前だと言われていて、業務内容は2人組を組まされ、裏の駐車場に30分交代で立ち続けること。立ってるのも辛いけど30分ごとに30分休んで時間を潰すのもなかなかしんどくて、事前にiPod classicにあんまり聞く習慣のなかったPodcastをなんとなく色々入れて仕事に向かってた。その中でも伊集院光のラジオが面白くて、そこからラジオを聞くようになった。月並みな話だけど自分だけの世界で聞くエンタメになんとも言えない優越感があって、音楽を聴くのとも違うイヤホンの使い方をしって、なんだか嬉しくなった。女の子に部屋を1〜2時間だけ追い出されて(今思ってもあれはなんだったんだろう、知らないまま死ぬんだろうな。1〜2時間っていうのがなんとも生々しい時間だよね)、寂しい気持ちで夜道をあてもなく散歩してたときに初めて聞いたアルコ&ピースのDCガレージにもめちゃくちゃ救われた記憶があって、寂しい時に人が話してくれてることってなんでありがたいんだろう、という気持ちになったわけです。

勉強は中学までは得意だと思ってた。高校でサボったら全然わかんなくなっちゃって、わかんないは連鎖するから高1の冬の数学のテストで3点を取った。圧倒的ビリ。ビリから2番目の友達堀ちゃんは38点とかだったから、ほんとに圧倒的ビリ。
幸い、進級はできて(たぶんかなりレッドゾーン)高校のカリキュラム的に高2から数学が全くなくなったのでよかったものの、他の教科の成績もよかった記憶がほぼない。高2からクラスにいた南雲くんはなんだかんだで卒のない成績を取っていた気がする。
圧の強い英語の先生に「権利、rightの対義語は?はい、南雲」と、当てられてて「duty」って即答してたのをよく覚えてて、「あ、なぐって勉強できるんだな…」っていう気持ちになってた。
本来現役受験生が一番頑張る夏休み、俺はこれまた進学校で有名な栄光学園の音楽室に忍び込んでびちょびちょになりながら3ピースインストの曲を作ってた。メガネで、ミュージックマンのギターをピロンピロンタッピングする男と、そのあまりの脚力で所属している吹奏楽部のバスドラを何度となく踏み抜くスティック折り魔との3人で変拍子インストを作っていた。その曲を横浜アリーナで演奏したりしていたので、まあ受験に出遅れ、あえなく惨敗。2度目の受験をすることとなる。
大学生になった友達や、その他の日本中のキャンパスライフを満喫する者たち全員に中指を立てながら単語テストを受けたり、サブウェイを食べたり、太宰治を読んだりして1年を過ごしていたら名のある大学には受かったけど、受かった学部は宝くじみたいな全問マークシートのテストのところだけで、学力できちんと勝負するところはほか全部落ちましたので、最後の最後に受験の神様がご褒美をくれたのだと思った。今ある人間関係のかなり大部分がこの大学に入ったことがきっかけで出会った人なので、あそこで受かっていなかったら、と思うとゾッとするというか本当にまるで想像のつかないものになっているわけです。
とにかく勉強が得意という意識はもうどこにもなくなった。

昔、福島の温泉旅館に1人で泊まったことがあって、けっこう寒い中、深夜の温泉に入ってたらなんだかものすごいスピリチュアルな気持ちになって、結局自分は何をしたいのかというと目の前にいる人に楽しい思いをしてほしいんだな、ってことに気がついた。料理とかがその最たる例で、バンドも目の前の人が喜んでくれるライブとかをしたいなって思った。

クイズはけっこう好きだし得意だ。だけど上には上がいすぎて趣味程度のものだな、と割り切るようにしてる。

受験勉強を差し置いて取り組んでた楽器を弾くことも、中学とか高校までは得意だと思ってたけど、これこそ上には上がいすぎて得意と思わなくなってしまった。昨日もYouTubeで中村佳穂の映像みてて、こういう人が音楽に愛されてる人なんだなって思った。
ただ、音楽っていいなと思う理由の一つに、選ばれなかった人たちが演奏したり歌ったりしてる様こそが、心を動かすことがある、というのがある。公立高校の甲子園出場とか、M-1のラストイヤーとか、続けることを選んだ人たちが放つ輝きみたいなものが、泥臭いけどそれがたまらなく良いケースもあったりして「俺たちのヒーロー」みたいに感情移入できたり、うまく言葉にはできないけど大好き、みたいになったりもするもので、みんな違ってみんないいみたいなことにもなり得る。

この文章を書き始めた頃にはどんな感じでこの話を終わるのか、イメージできてたはずなのに色んなことを思い出してたら何を言いたいのかやっぱり、さっぱりわからなくなってしまった。

どんな選択肢も選べた中で29歳の自分はバンドを続けていて、あと何日かで渋谷クラブクワトロっていう大きい会場でワンマンライブをする。
去年から今年にかけて、嬉しかったこと、悲しかったこと、不義理をしてしまったこと、がっかりしちゃったこと、させたこと、たくさんあったけど、全部背負ってステージに立てたらいいなと思う。
楽しみだし、漠然とした不安もあるけど来てくれる人が楽しんでくれたら、心に届く演奏ができたらいいなと思っています。

案の定読みにくい文章になったけど、もしここまで読んでくださった方がいたら、ありがとうございます。結局何を吐露したかったんだろう私は。


MINAMIS Ba.小杉優斗

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