地方創生を消費者として支える

そもそも地方創生ってなんだ??

少子高齢化の進展に的確に対応し、人口の減少に歯止めをかけるとともに、東京圏への人口の過度の集中を是正し、それぞれの地域で住みよい環境を確保して、将来にわたって活力ある日本社会を維持していくために、まち・ひと・しごと創生(※)に関する施策を総合的かつ計画的に実施する。
まち・ひと・しごと創生:以下を一体的に推進すること。 
まち…国民一人一人が夢や希望を持ち、潤いのある豊かな生活を安心して営める地域社会の形成
 ひと…地域社会を担う個性豊かで多様な人材の確保
 しごと…地域における魅力ある多様な就業の機会の創出 

                           出典:北陸財務局


地方在住の自分にとって「東京」ってなに?

まず、地方に住む人間の目線で東京について語ります。

 私は地方に居ながらにして、都内と遜色ないレベルの商業施設や交通機関を日々利用しているので、「チホウソウセイ?」という感じで過ごしてきました。なので、むしろ自分自身にとっての東京(首都圏)ってなんだろう…?と考えてみました。

 私が個人的に都内へ行くとすれば、その主な目的は趣味のためです。普段は東北地方に住んでいますが、大学に入ってからファッションが好きで目黒や表参道などに通い、東京ならではのカルチャーを楽しんでいた時期もありました。改めて考えると、個人レベルだと自分にとっての住んでいるエリア以外の場所や地域の重要性は趣味を満たせるか、くらいに感じます。

 東京はやっぱりすごい

 私のように都内に出てきて消費活動を行う人間もいれば、就業の機会を求め上京する人もいるように、経済活動を理由に東京へ移住する人がたくさんいます。多くの有名企業の本社があり、ITやベンチャーを中心に新しい事業を起こす会社も東京を起点としています。

 来年にはオリンピックも控えていることもありますが、東京は多文化で新しいものを受け入れる土壌がある国際都市として常に注目されています。(大都市の治安や犯罪抑止の面で交番というシステム、地震対策では建築など)様々な問題に取り組んできた事例からモデル都市として海外から参考にされたり、経済的な面から新たなモノやサービスがいち早く発信されたり、多くの留学生が海外から来たり、その重要度を高め続けています。

 東京はいろいろ魅力的⇒地方から人が消える

良いことのようですが、人の行き来や住む人口が多い分、雇用や消費者は一極集中となり、人材に関してはなかなか地方には還元されにくいという構造ができあがっているように感じます。一か所に人口が集中することの弊害が地方に出ているようです。すでに日本は少子高齢化社会で生産年齢人口の減少が進み、地方ではここに輪をかけて過疎化や人手不足という課題に面しています。(ちなみに、塾講師のアルバイトをしていると実感しにくいのですが、募集を見かけたりすると東京のアルバイトの時給は結構高いなあと感じます。)

 私が住む地域では、交通の面では地下鉄の路線が増え、観光資源も充実し、不満はないくらいには発展していますが、車で少し移動すると山があり田んぼがあります。このちょうどいい都会&田舎感が好きなのですが、とはいえ強いて言うなら電車の本数では多少不便さがあります。地方が車社会である所以もここにあるのかなと感じます。

 そうなると生涯で出ていくお金に関しても変わってくるのではないでしょうか。(やっぱりお金は大事だと思う。)人は誰しも豊かな暮らしをしたい。

   となると「地元を出る」という選択肢が人生の色々なタイミングで出てきます。実際に周りでも就職や進学を機に上京した人がいます。以下のデータとグラフが示すのは、2017年と2018年のそれぞれに他府県からの転入者数と、その超過数です。年間おおまかにみても50万人の人口増がみとめられます。東京への転入者数での比較では、2年前と昨年ではおよそ6,700人増えたことがわかります。

<2017年>
転入者数:453,900人
転出者数:380,776人
転入超過数:73,124人

<2018年>
転入者数:460,628人
転出者数:380,784人
転入超過数:79,844人     

          出典:総務省統計局 『住民基本台帳人口移動報告』

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                                                                                        出典:総務省統計局HP

  人口減の社会でも、絶えず雇用の生み出され続ける場所には人も集まってくるということがハッキリわかりました。


アパレル企業による地方創生

 ここで少し話が戻ります!!

 私は冒頭で「服」について趣味の範疇で取り上げましたが、ずっと気になっている事業を展開するアパレル企業があったのでこれを機会に調べてみました。国産にこだわるユニークなアパレル企業が3つあります。それぞれ違った内容の事業を行っているので皆さんに紹介したいと思います。

・TOKYO BASE

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・shitateru(シタテル)

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・ファクトリエ

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  これら3つの企業に共通しているのは、国内の地方にある工場や会社の強みを活かした製品を販売している点です。また単にmade in Japanというクオリティーにこだわるのではなく、地域の技術はあるのに営業力に難がある縫製工場を埋もれさせないよう提携し、さらに生産された地域についても販路を世界規模に広げ、目に見えるモノを通じ名前を売り出しているところです。
  
  今回紹介したのは、私の関心や興味のある分野での地方創生のビジネスですが、元々文化に造詣が深い人々が多く、各分野で技術力が高い日本だからこそ、商品価値もより高まり、有効なビジネス創出だと感じます。私個人にできることは、ビジネス以外では一消費者として服に限らず、東京には多くのモノや情報の発信源であるという特性があるので、日ごろから多様な産業に目を向けることから地方創生に参画するというアプローチをとることも一助となるのではないかと思います。


参考: 「Made in Japanにこだわるアパレル企業3社。品質のためだけじゃない、その理由とは?」

https://fashion-hr.com/hr-talks/hr-talks_real/17891/