ルールを知ろう、守ろう

プロ野球が有観客試合を始めて1ヶ月余りが経つが、当初観客の間にあった緊張感、張り詰めたような空気は既に感じられず「気の緩み」がそこここに見られるようになった。例えばマスクをしていない、大声を張り上げる、喜びあまって立ち上がる、応援グッズを振り回す。どれも最初のうちから見られた問題ではあるのだが、一度注意して数が減ったものがまたどんどんと増えているように感じるのだ。

きっと「このくらいなら大丈夫でしょ」の積み重ねなんだろう。ルールにはああ書いてあるけどこれくらいは自然にやっちゃうよね。ガイドラインが曖昧な表現だからよくわからないけど多分これはいいよね。そういうものがあちこちで起こり、それを見た他の人が、あれはオッケーなのかなと真似してしまう悪循環が起きているのではないだろうか。ただそれ自体は起こるべくして起きていることだと思う。一番最初くらいの緊張感はなかなか保てない。観客だって毎試合ずっと気を張っているのも疲れるし、多少雰囲気が緩んでくるのは予想の範囲内だろう。問題はここからである。

そういった「個人がそれぞれ勝手に定めた応援スタイル」は別段問題ないものもあれば、ガイドラインや球団の定めた観戦ルールに抵触しているものもある。問題がある場合場内アナウンスで改善を求めたり客席を巡回しているスタッフが注意したりと球場によって様々な対処が行われている中、先日目と耳を疑う光景を見た。あろうことか注意されたにも関わらず自分の非を頑なに認めずスタッフに対して長々と言い訳や正当化をしている観客がいたのである。

ところで、観戦ルールを一番よく知っているのは誰だろうか?各球場の運営スタッフに違いない。いわば運営スタッフは審判なのだ。審判がストライクといえばストライク。ボールといえばボール。客席にリクエスト制度は存在しない。スタッフがアウトだと言うならそれは紛れもなくアウトである。以前は監督の抗議にだって制限時間があって、度が過ぎると退場処分になったよね。注意してゴネたら退場、注意後も同様のことを繰り返すようなら退場、ってルール作っちゃってもいいのではないのかな。

何のための観戦ルールか今一度考えよう。何が問題で禁止されているのか知ろうとしよう。マナーどうこうの問題ではないのだ。感染予防のためのルールなのだ。自分を、周りを、球団を守るためのルールなのだ。他にも守ってない人がいるのに自分だけ言われるのはおかしい、ではないよ。他に守ってる人が沢山いるのに守れない自分たちのことを見つめ直して欲しい。

「みんなやってるのに」と言われた後のスタッフさんの「だから1つずつ潰していくしかないのでこうやってお話しさせて貰ってるんです」という言葉がとても響いた。大変な仕事をしてくれている。こういう裏方さんのお陰で今野球を楽しめている。だから彼らの負担が少しでも減るように観戦ルールをしっかり守って、万が一注意されるようなことがあったとしても反省して謝って二度と繰り返さないようにしないといけない。それが出来ないのであれば、今は球場に足を運ぶべきではない。手に負えない観客ばかりになれば、また無観客試合になるかもしれないよ。


最後に…。各球団・球場の裏方、運営スタッフのみなさん、いつもありがとうございます。これからもよろしくお願いします。


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