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PFC パーフェクト・フライド・チキン🍗

「高級フライドチキンってあるのかなと調べたら、8,000円くらいのコースがあって」
「寿司の最高峰が味わいたいですとか言ったらマジ数万円ってかかるじゃない」
「ちょっと誰か行ってくんない。で、どんなだったか教えて」
こういうのを間に受けて、ホイホイ行っちゃうタイプの人間がいるんです。
2022年12月に行った際の報告です。


参考サイト



入店

場所は東京駅八重洲(やえず)口から徒歩2分、
フォーシーズンズホテル内にあるMAISON MARUNOUCHI (メゾン マルノウチ)。
ドレスコードは一応「スマートカジュアル」が設定されているけれども、
実際にはラフな格好も多数。ランチはうるさくないみたい。

入り口で予約した時間と名前を告げると、
東京駅の国際フォーラム前あたりを見下ろせる2人席に、1人で案内されました。
対面誰もいなくて見晴らしがいいなあ!
誘っても誰も乗ってこなかったけど、ちょうどよかった!
ちょうどよかったなあ!!


勤務先オフィスは見えそうで見えなかった。

東京駅の喧騒を見下ろす視界



すいている時間だったためか、イギリス人シェフが直接応対。
「美味しいフライドチキンがあると聞き、やってきた」と伝えると
「Oh, ではメニューを持ってきますね」と土日祝日専用メニューを持ってきてくれた。
あとから気づいたが、ホテルのWEBサイトでは座席の予約しかできないが、
食べログなどのサイトからならコースも同時に予約できた模様。

先付

なんだこれは?
『鰹節たっぷりの白いたこ焼き』?
料理の説明をされ「チーズ」しか聞き取れなかったものの、
ここで慌てると下々の人間だとバレてしまうので
「hum...わかりました」と余裕をもって応対。
鰹節に見えたのは薄くスライスしたチーズで、
丸く見えたのはオーブンで焼いたチーズ。
たこ焼きに形容するなんて許されない、高級感溢れる料理。
表面をカリッとかじると、中からトロトロのチーズが出てくる。
外カリ中ふわで銀だこのたこ焼きみたい。

サラダ

ボウルいっぱいの葉っぱと、乾いたベーコンのサラダ。
『コブサラダ ケールドレッシング』と言う料理名で、
葉っぱはケールと言い、青汁の原料。
かかっているドレッシングはアボカドとビネガーのドレッシング。
ケールの苦みとアボカドの青臭さが打ち消しあっており、モリモリ食べてしまった。

メイン

お口が草食動物になっているところへ、
いよいよメインのフライドチキン。
赤い粉がかかっており、激辛唐辛子がまぶされているドッキリ企画か?と警戒しながらも、
手でつかんで口に運ぶ。

表面の真っ赤なスパイスは、エキゾチックな刺激がピリッと来る程度。
歯を立てると、薄い衣の下に鶏の肉を感じる。
ケンタッキーのようにギトギトに油まみれの衣ではなく、
モスチキンのように厚く固まった衣ではなく、
肉の上に一枚まとわれた衣に、強い鳥の味を感じる。
後から調べると、鴨(カモ)の油で二度揚げしているそうだ。

さらに噛み締めると、鳥の旨味の強い衣を食い破り、歯が肉に届く。
油が噴き出してくるのではないか?と身構えたものの、
意外。油は大人しめ、肉汁と一緒に染み出る程度。
肉自体は鶏肉。
抜群の旨みがあるわけでもなく、霜降りの柔らかさがあるわけでもなく、
ただ筋っぽさや小骨もない、爽やかでストンと食べられるお肉。

デザート

レモンメレンゲパイ、絶品。
上面に焦げ目をつけたメレンゲは
舌の上に乗せると甘さを残して淡雪のように溶けて消え、
ケーキ部分はレモンピールが含まれており噛むたび酸味の刺激があり、
パイ生地部分はそれらをしっかり乗せながらもサクッと歯応えがいい。
最後にコーヒーをゆっくり一杯いただくと、制限時間の1時間半になりました。

総評

マルノウチフライドチキンセット 6,500円に消費税と15%のサービス料が乗って8,223円。
グラスワイン ロゼが1杯で2,277円。
合わせて10,500円。
クラフトビールの10,000円コースの方がお得かも。
このレストランではアフタヌーンティーも9,000円で実施されていることから、
安くはないけれども、決して手の出ないものではない、
カジュアルな料理として提供されているのだと感じる。

料理自体は従来のフライドチキンと大きく異なるものではなく、
レベルを上げて物理で殴ってきたような感覚。
コンビニやファストフードのチキンと比較するとケンタッキーが一番近いのだけれども
油ぎっていなく、
香辛料も強すぎず、
「鶏って丁寧にあげればしっかり美味しいんだぞ」と訴えるような料理。
これを自分の中で「ガンダム」に置いてしまったら、
ケンタッキーは「ジム」になってしまう。
ケンタッキーを「ガンダム」として楽しんでいられるように、
このフライドチキンは「パーフェクトガンダム」の位置に置いておこう。

約1万円のコースってのは、手軽じゃないけど無理じゃないってところなので、好奇心を満たすにはちょうど良いのかも。
客層が面白くて、
隣の席のアラサーのダンサーの女性と
近くで働いてる「経営者」のおじさんのペアが
毎月やってるエッチなパーティーのこと話してたり、
資産家の母方義母に頭の上がらない父親だったり、
人間観察のしがいもある。
年に一度くらい行くのも悪くはないなー。

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