2019 ワシントン・ナショナルズ 通信簿 野手編
投手編に続き今度は野手編。今年は2アウトからの得点がMLB1位と勝負強さを発揮し、それがワイルドカードゲームのソトの値千金のタイムリーであったり要所で飛び出した結果、世界一に繋がったのかもしれませんね。
投手の通信簿は下に貼っておきます。
https://note.mu/hamigakiko/n/nd657ca4de9f1
評価方法
○○・△△ 評価:S~E
打率 本塁打 打点 盗塁 OPS (レギュラーシーズン)
打率 本塁打 打点 盗塁 OPS (ポストシーズン)
野手編ではそれぞれのポジション別にまとめていきます。申し訳ないのですが、打席数が20打席にも満たない選手は評価もクソもないのでカットさせていただきます。ではスタート。
捕手
カート・スズキ 評価:A
.264 17HR 63打点 0盗塁 OPS.809
.100 1HR 1打点 0盗塁 OPS.429
2013年以来にナショナルズの復帰したスズキ。前年度まで正捕手を務めたマット・ウィータースと比べると非常に良い役割を果たしてくれました。
フレーミング技術においては優れているとは言えないものの、シャーザーやストラスバーグといったエース級の投手やリリーフ陣をリード面で引っ張ってくれましたね。
レギュラーシーズンでは左投手に対して打率.343 OPS.957と滅法強かったですね。他にも9/4のニューヨーク・メッツ戦では6点差からの大逆転勝利の際の逆転サヨナラ3ランを放ちました。
一方ポストシーズンでは不調や顔面に死球を受けるなど成績は振るいませんでしたが、ワールドシリーズ第2戦で20勝&300奪三振のジャスティン・バーランダーから勝ち越しHRを放ったのが印象に残っています。1年間通して大活躍だったベテランにはA評価!
ヤン・ゴームズ 評価:B+
.223 12HR 43打点 2盗塁 OPS.704
.241 0HR 3打点 0盗塁 OPS.601
クリーブランド・インディアンスからトレードで加入したゴームズ。主にパトリック・コービンが先発時にマスクを被っていました。
スタメン出場の割合としてはスズキの方が多かったですが、フレーミングが優れていたりイニング終わりに投手とコミュニケーションを積極的に取ったりしている部分が好印象でしたね。
世界最速のポップタイム1.68を誇った全盛期からは年齢もあってか落ちてきてはいますが、それでも膝付きスローは健在でした。来季はオプション破棄しない場合には更なる打撃成績に期待です。
ナショナルズとしては初出場となったリーグ優勝決定シリーズ(NLCS)の初戦では怪我や不調のスズキに代わりマスクを被ると、ナショナルズのNLCS初得点となる先制タイムリーを放ち、さらにはアニバル・サンチェスの8回途中までノーヒッターを継続したのをサポートしました。
これらの活躍もありB+の評価です。
一塁手/二塁手
ライアン・ジマーマン 評価:👏🏻
.274 5HR 17打点 1盗塁 OPS.790
.255 2HR 7打点 0盗塁 OPS.735
「Mr. National」と呼ばれ、ナショナルズ一筋15年頑張ってきたジマーマンが念願のチャンピオンリングを手にしました。それにより評価は👏🏻ということで。
レギュラーシーズンでは怪我により大きく離脱していましたが、6月末に復帰すると7月は打率.333 OPS.900超えと活躍しました。
再び離脱し、9月に復帰した後は代打などでチームに貢献し、ポストシーズンでは地区シリーズGame4での3ランHRやNLCSで4試合中2試合でマルチ、ワールドシリーズGame1ではナショナルズとしてワールドシリーズ初得点のなるHRを投手二冠王に輝いたゲリット・コールから放ちました。
チームオプションを行使すると$18Mと高額なので、恐らく破棄して再び新たな契約を結び直す路線なのかなと思います。ずっとナショナルズにはいて欲しいですね。
マット・アダムス 評価:C
.226 20HR 56打点 0盗塁 OPS.741
.333 0HR 0打点 0盗塁 OPS.833
レギュラーシーズンはジマーマンとのプラトーンで起用されるはずが、ジマーマンが離脱し1Bのレギュラーとして主に5,6番を任されることが多かったアダムス。
4月は打率.292 OPS.897と好調でしたが、それ以降は下降線を辿りました。しかしトータルでは20HRをマークするなど「まずまず」の活躍だったと思ってます。
その後は常にケンドリックが好調をキープしていたことから、出番が減っていきポストシーズンでは控えに回りましたが2018年に一度トレードで古巣のセントルイス・カージナルスに移籍するもオフにまたナショナルズを選んでくれたのは嬉しかったですね。オプションが破棄されFAとなりましたが、感謝しています。ありがとうアダムス。
ハウィ・ケンドリック 評価:S
.344 17HR 62打点 2盗塁 OPS.966
.286 2HR 12打点 0盗塁 OPS.773
今季規定未到達ながら.344というハイアベレージを残し、5番打者として快音を連発しまくったベテランのユーティリティ。レギュラーシーズンではもう文句無しの成績を残しました。
特に8,9月では打率.400を超えるなど、ワイルドカード争いをしていたナショナルズにとって非常に大きな活躍となりましたね。
ポストシーズンでは地区シリーズGame5で延長10回から、ナショナルズ史上初のリーグ優勝決定シリーズ進出を決定付ける満塁HRを放ったり、そのリーグ優勝決定シリーズでMVPを獲得。
さらには世界一が決まるワールドシリーズ最終戦Game7で決勝点となる逆転2ランHRを放ったケンドリック、文句無しのS評価です。再契約希望!
アズドルバル・カブレラ 評価:A
.323 6HR 40打点 0盗塁 OPS.969
.233 0HR 5打点 0盗塁 OPS.517
シーズン途中にテキサス・レンジャーズから移籍してきたカブレラ。2014年以来のナショナルズ復帰となりました。
そして復帰以降セカンドのレギュラーとして定着すると安定して打ち続け、8,9月ともに.320超えと見事に補強選手としての役割を果たしてくれましたね。
ポストシーズンでもワールドシリーズが始まるとアストロズ本拠地のミニッツメイド・パーク開催の時にはセカンドのレギュラーとして出場しました。
ポストシーズン進出のために獲得し、見事その役割を全うしたアズの評価はAです。
ブライアン・ドージャー 評価:C-
.238 20HR 50打点 3盗塁 OPS.771
.000 0HR 0打点 0盗塁 OPS.143
今季セカンドのレギュラーとして獲得したドージャー。開幕してからはなかなか打率が上がらず、成績が残りませんでしたが、6月はOPS.896,7月はOPS.900と復調し、最終的には20HR OPS.771と下位打線の打者としては充分な成績を残しました。
8,9月からはアズにレギュラーを明け渡しましたが、個人的にはよくやってくれたなと思ってます。
新天地での活躍を期待しています。ありがとうドージャー。
ウィルマー・ディフォ 評価:D-
.252 2HR 8打点 0盗塁 OPS.628
ポストシーズン出場無し
昨季は148試合に出場しましたが、今季はドージャーの加入もあり僅か43試合の出場にとどまります。
主に一時期、ショートのレギュラーだったターナーが怪我で離脱していた際にカバー役としてショートで出場。しかしターナー復帰とともに出番は減り、5/17にマイナーに降格となりました。
セプテンバー・コールアップにより再昇格すると、4試合の出場ながら10打数5安打と爪痕を残し、来季に期待を抱かせる活躍を見せましたね。
イケメンですし、試合に出てるところを見たいので力を付けてMLB定着を目指してもらいたいです。
カーター・キーブーム 評価:C
.128 2HR 2打点 0盗塁 OPS.491
ポストシーズン出場なし
兄のスペンサーもナショナルズに所属しており、現在のナショナルズNo.1プロスペクト。今季のスプリングトレーニングでジャスティン・バーランダーから2HRを放った際には「アカン!新人王取ってまう!」と思いましたね、えぇ。
MLBデビュー戦となったサンディエゴ・パドレス戦ではバックスクリーンへ初HRを放ちました。
ナショナルズ・パークでパドレス相手にHRはブライス・ハーパーとフアン・ソトのMLB初HRと同じです。バックスクリーンへのHRはハーパーと全くの同じでしたね。
来季はセカンドのポジションが空くので、是非レンドーンレベルの活躍を期待してます。新人王目指して頑張れ!
三塁手
アンソニー・レンドーン 評価:S
.319 34HR 126打点 5盗塁 OPS1.010
.328 3HR 15打点 0盗塁 OPS1.003
今季FAとなったレンドーン。3割30HR100打点をクリアし、初の打点王を獲得。9月以外の5ヶ月は全てOPS.900超えと驚異的な安定感を見せましたね。
シーズン終盤までミルウォーキー・ブルワーズのクリスチャン・イェリッチ、アリゾナ・ダイヤモンド・バックスのケテル・マーテらとの首位打者争いも繰り広げました。
ポストシーズンでも安定して打ち続け、地区シリーズGame5では反撃の狼煙を上げるソロHRを放ち、ワールドシリーズでは地元ヒューストンに所属するアストロズとの対決では再三の活躍を見せ、難攻不落だったウィル・ハリスからHRを放ち、9回にもダメ押しの2点タイムリーを放ちました。
最終戦ではまたしても反撃の狼煙を上げるソロHRを放つなどナショナルズの勢い付けたMVP候補には最高評価です。
レギュラーシーズン&ポストシーズン共にOPS1.000超えは頭上がりません。レンドーンよ、まずは今までありがとう。そしてマジで残留してくれ…。
遊撃手
トレイ・ターナー 評価:A+
.298 19HR 57打点 35盗塁 OPS.850
.233 1HR 3打点 1盗塁 OPS.620
昨季は初の盗塁王を獲得し、今季打撃成績においてかなり向上したターナー。文句無しの素晴らしいリードオフマンとしてナショナルズ打線を牽引してくれました。
一時期怪我で離脱し、122試合の出場になりましたが来季は怪我なく元気にプレーしてもらいたいですね。
ポストシーズンではあまり打撃で目立つことはありませんでしたが、苦手の守備で好プレーを見せるなど個人的にはリーグ優勝決定シリーズでは1番として素晴らしい活躍をしてくれたと思ってます。
来季は苦手の守備力の向上、.300 20HRを目指して頑張ってもらいたいですね。
エイドリアン・サンチェス 評価:E
.226 0HR 0打点 1打点 0盗塁 OPS.476
ポストシーズン出場無し
マイナーでは結果を出しているものの、MLBに昇格するとなかなか殻を破れない選手。ここ3年ほど毎回同じような感じで結果を出せずになかなか定着出来ない状態が続いています。
両打ちでまだ需要が見えるディフォと比べると下位互換のような存在で、何とか打撃や守備で差を付けてバックアップ要因などの活路を見出してもらいたいです。
外野手
フアン・ソト 評価:S
.282 34HR 110打点 12盗塁 OPS.949
.277 5HR 14打点 1盗塁 OPS.927
このシーズンは20歳として過ごしながらレンドーンと並びチーム最多の34HRを放ちました。
開幕してから4月終了時点までは.250程と2年目のジンクスに阻まれたかと思いましたが、打撃コーチのケビン・ロングと共にフォーム修正を行なうと5月の打率は.380 OPS1.127をマークし復活を遂げます。
最終盤の9月には疲れからか成績を落としますが、トータルでは20歳ながら文句無しの素晴らしい成績でした。
実力は申し分無しのソトはポストシーズンでさらに精神面の強さも見せます。
負ければ終わりのサドンデス、ワイルドカードゲームではミルウォーキー・ブルワーズの絶対的守護神のジョシュ・ヘイダーから値千金のタイムリーを放ち試合を引っくり返し、地区シリーズ進出に導きます。
さらに地区シリーズではナ・リーグ最優秀防御率の柳賢振から先制2ラン&最終戦で1点ビハインドから3度のサイ・ヤング賞投手であるクレイトン・カーショウから同点ソロを放ち、その後ケンドリックが満塁弾を放ちリーグ優勝決定シリーズ進出を決めるのをアシストしました。
ワールドシリーズでは最後の三冠王であるミゲル・カブレラ、史上唯一のシーズン打撃タイトル全制覇を成し遂げたタイ・カッブに次ぐ若さでクリーンアップを努めます。
ただ務めるだけでなくア・リーグの投手二冠王に輝いたゲリット・コールからHR&2点タイムリーを放つと、Game5でもコールからHR、Game6ではコールと同じく20勝300Kのジャスティン・バーランダーから特大のHRを放つなど尽く好投手からHRを放ちました。
そのワールドシリーズ中に21歳の誕生日を迎えたソト、来季は更なる飛躍に期待です。勿論文句無しの最高評価です。
ビクター・ロブレス 評価:B
.255 17HR 65打点 28盗塁 OPS.745
.220 1HR 3打点 1盗塁 OPS.639
元ナショナルズのトッププロスペクト。前からちょこちょこ試合には出てましたが、今季が初めて1シーズン通してMLBに居た年でした。
打撃成績としては正直物足りなかったですが、MLB最高クラスのセンター守備は素晴らしかったです。ポストシーズンでも再三の好プレーでチャンスを封じていましたね。
ロブレスはワイルドカードゲーム、リーグ優勝決定シリーズでウイニングボールを取り帽子を取って振り回す仕草が印象的でしたね。
来季はより打撃が洗練されて上位を担ってくれることを期待しています。
アダム・イートン 評価:A
.279 15HR 49打点 15盗塁 OPS.792
.246 2HR 10打点 1盗塁 OPS.771
今季シカゴ・ホワイトソックスのエースに成長したルーカス・ジオリトや同じくホワイトソックスのローテ投手となったレイナルド・ロペス、マイナーに居るデーン・ダニングを対価にやってきたイートン。
ここまで優れたプロスペクトを放出してまで獲得したものの、その移籍一年目で序盤に離脱。正直フラストレーションが溜まっていましたが、今季は嫌らしい2番打者として先頭ターナーと軸であるレンドーン&ソト&ケンドリックに繋ぐナショナルズ打線のアクセントなりましたね。
8月に入ると.329 5HR OPS1.066と調子を上げ、ポストシーズンではリーグ優勝決定シリーズでチャンスメイクをしたり、欲しい場面でタイムリーを放ったり大活躍でした。
ワールドシリーズではバーランダーからHRを放ち、最終戦ではダメ押しの2点タイムリーを放ち世界一に大きく貢献してくれました。トレードのフラストレーションも今やほぼありません。
イートンは度々自身のInstagramに載せるほど車が大好きでHRを打った後にケンドリックとやるパフォーマンスはそれ繋がりなのかな、と思ってます。
ヘラルド・パーラ 評価:👶🦈**
.250 8HR 42打点 6盗塁 OPS.747
.167 0HR 0打点 0盗塁 OPS.452**
パーラの第一印象はどうしても「Baby Shark」になりますね。あれにより球場が一体となって最高の盛り上がりになったので、世界一に大きな貢献となったのは間違いないでしょう。
彼の加入でよりベンチの雰囲気が明るくなりましたし、ナショナルズが調子を上げた時期とパーラの加入の時期が一致していることから大きな力になってくれたことは間違いないですね。
シャーザーになかなか勝ちがつかない中で彼の満塁弾により久々に勝ちが付き、その直後の6月に6戦6勝だったのでパーラ自体がナショナルズに幸福をもたらしていたのかもしれません。来季以降もナショナルズにいて欲しいです。
マイケル・テイラー 評価:D+
.250 1HR 3打点 6盗塁 OPS.669
.333 2HR 2打点 0盗塁 OPS1.010
ロブレスの台頭より全く出番が無くなりマイナーに幽閉されていたテイラー。レギュラーシーズンではほとんど出番がありませんでしたね。
個人的には守備もMLBトップクラスに良いですし、打撃では長打力の面でロブレスより優れているのでテイラーもスタメンを張る実力はあると思ってます。
それを証明するためか、ポストシーズンではロブレスが怪我で離脱していたリーグ優勝決定シリーズのGame1,2でスタメン出場すると2戦目でアダム・ウェインライトから先制HR、ワールドシリーズでもHRを放つなど自慢の長打力を見せてくれました。
来季以降の巻き返しに期待です。
アンドリュー・スティーブンソン 評価:C
.367 0HR 0打点 0盗塁 OPS.953
.--- 0HR 0打点 0盗塁 OPS.000
今季30打数11安打と結果を出したものの、テイラーと同様に全く出場機会に恵まれなかったスティーブンソン。外野は飽和気味なのでレギュラー獲得はかなり厳しいのかもしれませんね。
守備は良いものの、やはり外野となると厳しい一面があるので良くてバックアップ要因までにしかなれないと思います。個人的にはすごく好きな選手なので腐らず頑張ってもらいたいですね。
最後に…
これで一先ず今季のナショナルズに関するNoteは終了です。世界一に輝いたその打撃陣を見るとやはりレンドーンとソト、ケンドリックのクリーンアップ。1,2番コンビのターナー&イートンの存在が多かったですね。特に8月の猛攻は見事でした。
先発陣の奮闘が目立ちますが、打撃陣もよく頑張ってくれたと思います。
ありがとう、2019年のワシントン・ナショナルズ!