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【MLB】フライを打ち上げた時、最もHRになる確率が高かった選手ベスト5!

近年MLBだけに留まらず、日本でもフライボール革命(フライボール・レボリューション)という言葉を耳にするケースが増えてきていますね。

日本でフライボール革命の代表格と言えば、福岡ソフトバンクホークスの柳田悠岐はMLBから帰ってきた川崎宗則の助言もあり、より意図的にフライを打つ打撃スタイルに変えて、2020年シーズンでも高打率とHRの両立をさせています。

しかしフライボール革命と言えど、バレルゾーン(HRの出やすい角度。約25~35°)に打球を飛ばすようにスイングするのがベストと言われており、単に打ち上げたら良いという訳でもありません。

元あったスタイルから無理にフライを打ち上げる打撃スタイルに変えてしまっても逆効果のケースもあり、ラインドライブの打球を心掛けるというのも勿論大事なことではあります。

つまり、自信にあったスタイルを見つける、そして状況に応じて臨機応変にベストなスイングをするというのも大切ということなのかなと個人的には思っております。

前置きが長くなりましたが、今回はフライを打ち上げた時、最もHRになる確率が高かった選手ベスト5を紹介していきたいと思います。つまりはフライボール革命の成功者ベスト5と言っても良いかもしれませんね。

早速行ってみましょう。




5位タイ エウヘニオ・スアレス(CIN)

29.5%

2019年の成績
.271 49HR 103打点 OPS.930

5位タイはシンシナティ・レッズのエウヘニオ・スアレスでした。

スアレスは昨シーズン49HRを放ち、ベネズエラ出身選手としてはMLBシーズン最多HR記録でした。

彼は2015年13HR→2016年21HR→2017年26HR→2018年34HR→2019年49HRと毎年キャリアハイのHR数をたたき出しています。

一方昨シーズンは189三振でリーグ最多となりましたが、打率も.271と悪くないので思い切りスイングしてもここまでの成績なら文句無しでしょう。

本人曰く、2018年に飛躍した要因について、「打席でリラックスできるようになった」ことが大きいと語っています。

キャリア序盤の数年は右肩とバットを持つ両手を高く上げるフォームで強い打球を放とうとしていましたが、肩にバットを乗せるスタイルにし、強打することを意識しなくなってから強い打球が増え、45%以上で優秀とされるハードヒット率が50%まで上昇しました。

また、リーグ平均を約5キロ近く上回る147キロの平均打球速度は、過去3年間の自身の平均記録からおよそ5-6キロも上がったのが長打力も増した要因と推測されます。

彼は2018年のオフに日米野球にも参加してくれていましたね。



5位タイ ジョージ・スプリンガー(HOU)

29.5%

2019年の成績
.292 39HR 96打点 OPS.974

スアレスと同率で5位に立ったのはヒューストン・アストロズのジョージ・スプリンガーでした。

色々問題のあったアストロズの選手ではありますが、問題前の2014年にも78試合で20HRを放っているので彼の長打力というものは本物であると思います。

昨シーズンは122試合の出場ながらキャリアハイとなる39HRをマーク、主に1番打者を務めるも96打点を稼ぎました。

2017年のワールドシリーズではMLB最多タイとなる5HRを放ち、ワールドシリーズMVPにも輝きました。

昨シーズン、12本の先頭打者HRをマークし球団記録を更新するなど長打力抜群の切込隊長として打線を支える存在ですね。



4位 ピート・アロンソ(NYM)

30.6%

2019年の成績
.260 53HR 120打点 OPS.941

4位はニューヨーク・メッツのピート・アロンソでした。

アロンソは昨シーズン、ニューヨーク・ヤンキースのアーロン・ジャッジの持つルーキーのMLBシーズンHR記録である52HRを超える53HRを放ち、大きな注目を集めました。

そのジャッジと同様にMLBオールスター前夜祭であるホームランダービーに優勝し、シーズンHR王を獲得した選手になりました。

Polar Bear(ホッキョクグマ)という愛称の通りの巨漢から放たれる打球は抜群の速度を誇り、弾丸ライナーでもスタンドまで叩き込むパワーの持ち主です。

ニューヨーク・メッツの本拠地であるシティ・フィールドは例年パーク・ファクターのHRの数値が低く、HRの出にくい球場であるのにも関わらず、53HRというのは立派ですね。今季も活躍を期待しています。



3位 フランミール・レイエス(CLE)

31.1%

2019年の成績
.249 37HR 81打点 OPS.822

3位に入ったのはクリーブランド・インディアンスのフランミール・レイエスでした。

公称195.6cm/124.7kgの巨漢から放たれる打球はとてつもない飛距離を生み出すので、見ていて凄くワクワクする選手の1人ですね。

2018年にサンディエゴ・パドレスでメジャーデビューを果たし87試合ながら打率.280 16HRと好成績を残すと、昨シーズンから正右翼手としてレギュラーに定着し、前半戦だけで25HRをマークしました。

後半戦が始まると、ポストシーズン進出を狙っていたインディアンスにトレードされ、最終的に37HRとパワーヒッターとして素晴らしい成績を残しました。

見た目は完全に悪の組織の幹部みたいで野球選手には見えません。笑

余談ですが、昨年前田健太からHRを放っています。



2位 ネルソン・クルーズ(MIN)

31.3%

2019年の成績
.311 41HR 108打点 OPS1.031

2位はミネソタ・ツインズのネルソン・クルーズでした。

過去HR王と打点王に輝いたことのあるクルーズは昨シーズンで39歳となり、ツインズからは年齢もあってか単年契約+2020年チームオプションという契約でしたが、120試合という少ない出場ながら上記の成績を残しました。

衰え、という言葉はクルーズにはないのかも知れませんね。笑

昨シーズン41HRをマークしたことで6年連続35HR以上となり、MLBでもラファエル・パルメイロに次いで史上2人目の快挙を達成しました。

ミネソタ・ツインズとしてもシーズン40HR以上を記録したのは殿堂入り選手のハーモン・キルブルーと昨シーズンの世界一メンバーであるブライアン・ドージャーの3人のみです。

※キルブルーはツインズとしてシーズン40HRを8度記録。ワシントン・セネターズ(ツインズの前身)時代の選手は除外。

今年7月で40歳となったクルーズですが、いきなり5打数4安打7打点2HRと大暴れしていました。ホントに40歳なんでしょうか…笑



1位 クリスチャン・イェリッチ(MIL)

32.8%

2019年の成績
.329 44HR 97打点 OPS1.100

栄えある第1位はミルウォーキー・ブルワーズのクリスチャン・イェリッチでした。

昨シーズンは2年連続となる首位打者を獲得しただけでなく、打率、HR、出塁率、長打率の4つ全てキャリアハイを叩き出しました。

シーズン終了間際に自打球を受けて骨折し、離脱してしまったので130試合の出場に留まりましたが、素晴らしいシーズンだったと思います。

打率やHR、OPSなど、どの分野を見ても超一流ですし、MLB屈指の打者の1人ですね。

彼は元々マイアミ・マーリンズに所属しており、その頃は打率は3割前後残しながら20HR前後HRを打てる好打者というイメージでしたが、2018年にトレードでブルワーズに加入すると後半戦から打ちまくり、最終的に打率.326 36HR 110打点でシーズンMVPを獲得しました。

2018年は2度のサイクルヒットを放つなど、目覚ましい活躍が光りましたね。

そしてこの年から例年より始動後に沈み込むフォームに変更したところ、打球角度が上がりHRも増加した選手でありました。

彼はラインドライブの打球より、フライが上がった時の打率が良い年もあったことから、フライボール革命に適していたのかもしれませんね。




最後に

皆さん納得の結果でしたか?個人的には割とイメージ通りの選手がランクインしていたなという印象でした。

少し前で言うと、現在ボストン・レッドソックスの主砲であるJ.D.マルティネスもMLBで結果が出せずに燻っていたところを、バン・スコヨク氏の指導でフライボール革命を取り入れてMLBを代表する打者になりましたし、ロサンゼルス・ドジャースのクリス・テイラーやマックス・マンシーなんかもJ.D.マルティネス同様にフライボール革命を取り入れてMLBでも活躍していますね。

今後も彼ら3人、そして今回ベスト5に入った選手達のようにMLBで活躍する選手を見たいです。

ここまで見て頂いた方、ありがとうございました。



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