令和6年度、最高裁人事予想
第1 令和6年に定年を迎える主要ポストの整理(日付順)
1月31日 宮崎 大阪地裁所長
8月11日 戸倉 最高裁長官
9月2日 深山 最高裁判事
9月10日 中里 福岡高裁長官
第2 人事予想
1 戸倉最高裁長官の後任となる最高裁長官
(1)候補の分析
事務総長経験者の今崎氏が最高裁長官の最有力候補ですが、
仮に今崎氏が最高裁長官になると、
大谷氏、戸倉氏、今崎氏と3人連続で刑事系の最高裁長官が誕生することになります。従来、刑事系の長官がそこまで連続したことはありません。
なので、最高裁事務総局の局長の中でも人事局長という別格ポストを経験していて、且つ、民事系の安浪氏が最高裁長官になる可能性がそれなりに高いと思われます。
(2)候補の決定
今崎最高裁判事の可能性60%、安浪最高裁判事の可能性40%。
2 戸倉最高裁判事・深山最高裁判事の後任となる最高裁判事
(1)候補の分析
東京高裁長官と大阪高裁長官という高裁長官2トップでほぼ確定でしょう。
名古屋高裁の八木氏も最高裁首席調査官という強キャラですが、
深山裁判官(民事系)の後任は中村東京高裁長官(民事系)、
戸倉裁判官(刑事系)の後任は平木大阪高裁長官(刑事系)と考えるのが順当であり、刑事系の戸倉裁判官の後任に八木名古屋高裁長官がつく可能性は微レ存でしょう。
(2)候補の決定
戸倉氏の後任は平木大阪高裁長官、
深山氏の後任は中村東京高裁長官に間違いないです。
3 中村東京高裁長官の後任となる東京高裁長官
(1)候補の分析
近年、東京高裁長官は事務総長が連続しています。
堀田事務総長は、令和4年に事務総長となり、時期的にもちょうど良いので、
堀田事務総長1択でしょう。
(2)候補の決定
堀田事務総長に間違いないです。
4 平木大阪高裁長官の分析
(1)候補の分析
近年、東京地裁所長が大阪高裁長官に就任する例が続いています。
渡部東京地裁の定年は令和8年3月ですから、
平木長官の後任として就任するのが時期的にもちょうど良いです。
令和7年9月定年予定で法務省民事局長経験者の小野瀬氏も後任候補ですが、
やはり東京地裁所長の方が強キャラでしょう。
(2)候補の決定
渡部東京地裁所長の可能性80%、小野瀬千葉地裁所長の可能性20%です。
5 堀田事務総長の後任
(1)候補の分析
最高裁事務総長は、ほぼ全員次のような経歴を辿ります。
最高裁事務総局の局長→関東の地裁所長→最高裁事務総長→東京か大阪の高裁長官→最高裁判事
また、最高裁事務総局の局長の中でも、人事、総務、経理といった官房局の局長が就く例が多いです(刑事局長しか経験していない今崎氏のような例もありますが、少ないです。)。
そうすると、定年まで余裕があり、かつ、事務総局の局長を経由した関東の地裁所長経験者と絞れます。
この要件に該当する裁判官をピックアップすると、
村田斉志東京家裁所長(総務局長経験者)、氏本厚司甲府地裁所長(経理局長経験者)、安東章東京高裁部総括(刑事局長経験者)、門田友昌前橋地裁所長(民事・行政局長経験者)、手嶋あさみ東京高裁部総括(家庭局長)です。
この中の誰かが最高裁事務総長になると思いますが、
全員決め手に欠けると言わざるを得ません。
ただ、やはり官房局長経験者の村田氏と氏本氏が頭一つ強キャラと思われます。
(2)候補の決定
村田氏45%、氏本氏45%、残り5%です。
6 中里福岡高裁長官の後任
(1)候補の分析
大阪高裁長官の後任の分析と同様に考えてよいですが、
大阪と福岡では、大阪高裁長官の方が強キャラです。
渡部東京地裁所長と小野瀬千葉地裁所長では、
東京地裁所長の方が強キャラですから、
福岡高裁長官の後任は小野瀬氏の可能性の方が高いでしょう。
(2)候補の決定
小野瀬氏80%、渡部氏20%です。
7 大阪地裁所長の後任
(1)候補の分析
大阪高裁部総括の中から選ばれる可能性もありますが、
最有力候補は遠藤邦彦神戸地裁所長だと思います。
総研所長は、ほぼ確実に高裁長官になるポストですから、
総研所長経験者の遠藤氏が大阪地裁所長に就任し、
その後高裁長官に就任するものと思われます。
(2)候補の決定
遠藤氏の可能性70%、その他の大阪系の裁判官が就任する可能性30%。
8 備考
矢尾和子司法研修所長も高裁長官になるはずですが、
令和7年1月に定年を迎える八木名古屋高裁長官か近藤札幌高裁長官の後任になると思うので、令和6年度中の高裁長官就任はないと思います。
人事結果
令和6年1月31日追記
宮崎大阪地裁所長の後任は遠藤神戸地裁所長でした。予想的中です。来年高裁長官に上がるでしょう。
後任の神戸地裁所長は石原部長ですが、高裁長官に上がるような経歴でないため、このまま定年と思われます。
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