カレーの偉大さ(彼女いない人の料理)

まず最初に述べておくが、法律の話は一切しない。カレーの話である。

最近の当職は、毎週土曜日か日曜日にカレーを作っている。ただのカレーではない。
肉や魚を使わない(使うとしても牛乳など乳製品)ベジタリアンなカレーである。

元々このようなカレーを作ろうと思ったきっかけは次のとおりである。
1 ベジタリアンに興味を持った
当職は、命をいただいて肉や魚を食べることに何の抵抗感もないが、野菜や乳製品だけで満足できる食事をするという考え方に興味を持った。決して非殺生という考え方に興味を持ったわけでないのだが、肉も魚も使わずに満足感ある食事をすることが可能なのか、面白そうと思ったのである。
2 食事に金を使う必要がない
当職は、悲しいことに、最後に彼女と別れてから1年以上経つ。
当職は、食事が好きな部類であり、レストランに行った際には美味しそうな物や食べたことのない物を食べたいと思うものだが、自宅で食事をする場合は異なる。独身、彼女なしの人間が家で食べるものに高級感など不要である。肉や魚を食べる必要などない。芋や豆、野菜で足りるのである。

そんなわけで最近、肉や魚を使わない料理を試してみようと思った結果、見事、カレーを大量生産するようになった。
基本の材料としては、大豆(これは欠かせない。重要なタンパク質である。)、にんじん及びタマネギ(カレーの定番の具材である。)並びにキノコ(旨味もさることながら、食感が他の食べ物と並ぶものなし。)である。じゃがいもは入れない。カレーライスのライスが糖質である以上、同じ糖質の芋は入れ難い。
この基本の具材のほか、その時の気分で、ピーマン、オクラ、トマトペーストなどを入れる。
少し変わったものとしては、「おから」である。いうまでもなく、大豆の搾りかすである。非常に栄養価の高い食材であるが、「おから」は、どうしても搾りかすである。「おから」は産業廃棄物にあたるとした最高裁判例すらある(平成11年3月10日第二小法廷)。
「おから」の搾りかすぶりには驚いた。搾られたせいだろうか、やや水気の多い(具材を大量に入れるため、当職のカレーはいつも水分多めである。)カレーに「おから」を投入した瞬間、瞬く間に「おから」が水分を吸収して、どろっどろのカレーが出来上がったが、見た目の割に普通に美味しいから、驚きである。

さて、こうやってベジタリアン思考で料理をして気づくのは、カレーの偉大さである。0という数字(概念?)がインドで発見されたことは世界史において重要であるが、同じくらいカレーがインドあたりで発見されたことも重要であろう。
肉や魚を使わないカレー。これがまた美味しいのである。というのもカレーが美味しいのである。
思うに非殺生という考え方がインドで発展した理由は、カレーにあるのではないだろうか。すなわち、カレーが美味しいから肉や魚がなくても満足できるのである。もちろん肉や魚を入れれば味に深みが出るかもしれない。しかし、カレー自体が美味しいのであるから、肉や魚を使わなくても「足りる」のである。

日本でベジタリアンカレーの味に気づいた今、是非ともインドを訪れてみたいと思うが、なにぶん刑事弁護をしていると海外に行くハードルはそこそこ高い。しかし、本場インドでカレーを味わうことなく死ぬわけにもいかない。
いつかインドを訪れることを夢見て、今日もカレーを作る日曜日。

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