「はい、もしもし、いつ刺されたんですか、今ですか」

「はい、もしもし、いつ刺されたんですか、今ですか」
電話をとるたび、先ほどから同じような質問をしているここは休日当番医の待合室。
朝に市内一斉のクリーン活動中、小川の土手で妻がキイロスズメバチに刺されたようなので病院に行きました。アブに刺されたんじゃないの?と取り合わなかったのですが、痒い痒いと訴えはじめ、腕を見ると見たこともないような発疹の多さに、びっくりして来ました。
待合室には、他にハチに刺された方はいたにもかかわらず、受付、問診と、妻を見る看護師さん達の眼力が強く、とんとん拍子に診察。当番医さんの眼力も強く、点滴と相成りました。
春、山菜採りは終わりかなという頃、スズメバチの女王は、よろよろと飛び回っていたというのに、巣を作り、子供を育て、集団ができて、暑くなってくると攻撃的な群になっていくんですね。
攻撃的というのは、敵に襲われないように先手で攻撃をしてくるのです。妻は無敵、いや敵では無いと思うのですがスズメバチは妻の頭のてっぺん、百会というツボをわざわざ狙いました。
昆虫の適応というか進化の過程は長く複雑で、動物の比じゃないでしょう。スズメバチの進化の過程で会得した攻撃には恐れ入ります。
妻の容体は落ち着きました。

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