ちょっと思ったこと

「人生をより豊かに生きよう」
という自己啓発本が世にはびこる時代。

大半の人は「そんなの読まなくてもいいわ」と思うのかもしれないが、中には「読もう」と思う人もいる。

私は、「手っ取り早く豊かに生きる方法が学べるのなら」という気持ちで自己啓発本をいくつか読んだ。

最初は「なんだこれは!目から鱗だ!」という気持ちで読むのだが、3冊読んだあたりから気づく。

「あれ、これ、当たり前のことじゃね?」
「てか、どれ読んでも同じこと言ってね?」

どの本を読んでも書いてあることはただ1つ

「ポジティブに生きろ」

ポジティブに生きることが大切だなんてことは、とっくの昔に赤毛のアンが教えてくれた。「大丈夫です」なんて本の言葉は、政治家のマニフェストみたいなものだ。

ポジティブなんて、そんなことは、本当はもうわかってる。

でも、未だに自己啓発本が消えない理由は何か。

それは継続する人が少ないからではないだろうか。

読んだ後「うん!ポジティブ大事だよね!」と思いポジティブ思考を意識するが、生きているうちにだんだんとまたネガティヴ思考になる。そこでまた「どうしたら幸せになれるの〜」と立ち寄った本屋で自己啓発本に出会い「なるほど!ポジティブが大事だったのね!」と同じような本を買う。気づけば部屋は自己啓発本で一杯になるのだ。

また、確認がしたいという気持ちも自己啓発本を買う理由の1つではないかと思う。

自己啓発本を読んだ後「ポジティブにしてるけど、本当にこれでいいのかな?他にも何かあったりして…」と他の自己啓発本に手を出し「やっぱりポジティブが大事なんだわ!」と確認して安心する。

このように自己啓発本を買った人は「自己啓発スパイラル」に陥る人が多いのではないかと思う。

このスパイラルの悪の全ての根源は

信じるものがない

という現代日本の特性のせいではないだろうか

現代日本において宗教を熱心に信仰している人は少ないし、「宗教」という言葉だけで「え〜、なんかうさんくさい!」と思う人も増えていると思う。
しかし、宗教があれば、全ての善も悪も「宗教」という核からなりたつため、人生の善悪の指標がとてもわかりやすい。このため宗教の存在は大切だと思う。

しかし、現代日本で宗教はうさんくさい、危ないものと考えている人が多いのは事実だし、何も既存の宗教を熱心に信仰しろとは言わない。

ただ、宗教のように「信じられるもの」を自分の中で1つでも決めておくと、自己矛盾がなくなって、より豊かに生きられるのではないかと思う。

自己啓発スパイラルに陥ってる人がもし、これを読んでいたら、まずは自分の信じたいものを1つでも紙に書き出して、それにしたがって生きてみて欲しいと思う。
君の人生の判断基準は、自己啓発本の作者によってでも周りの目によってでもなく、結局は自分で決めなくてはならないのだから。

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