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Aqours学特講 曲編①SUKI for you, DREAM for you!

 皆さん、こんにちは。はまーです。

 今回、ラブライブ!サンシャイン!! Aqours 6th LoveLive! ~KU-RU-KU-RU Rock 'n' Roll TOUR~の企画としてさらいんさん(@nanoha1007)の企画した、「#SUKI_for_Aqours」のPVにDrumとして参加させて頂きました。

 これを機に、今回演奏させて頂いた曲である「SUKI for you, DREAM for you!」について、私の解釈をつらつらと書かせて頂きたいと思います。

 そして、この記事はスパボさん(@daisonHDD)との共同企画でもあることを、ここに示しておきます。


 いきなりですが、私のサンシャインに対する見方は割と変わっている自覚があります。

 なので、こういう見方がある、ということを知ってほしいのと、曲の歌詞にはとても重要な価値があり、他の歌詞やアニメとも深く関連している、ということを知ってほしいと思って、曲を語ることを何時かしようと、元々思っていました。


 それの第一弾です。


 では、講義開始です。


「SUKI for you, DREAM for you!」基本情報

作詞:畑亜貴、作曲・編曲:渡辺拓也(敬称略)

 ラブライブ!サンシャイン!! アニメーションPV付きシングル 「KU-RU-KU-RU Cruller!」のカップリング曲です。

 作曲・編曲をしてくださっている渡辺拓也さんの他の曲といえば、「HAPPY PARTY TRAIN」、「決めたよ Hand in Hand」、「WHITE FIRST LOVE」の三曲があります。

 私の感覚としては、ドラムが表に出ていて、ギターとバチバチしている、最高に楽しくてカッコいい曲です。

 実際、6thLIVEでも、メンバーの皆がサビで上振りをずっと煽ってくるぐらい、楽しい曲だと思いました。


タイトルの意味

 タイトルは曲の命

 タイトルを真剣に受け取れば歌詞全体を読まなくてもそこに歌詞のすべてが詰まっています。

 本タイトル「SUKI for you, DREAM for you!」

 少し英語の話になりますが、"you"は単数形というより複数形で私は受け取りました。

 そして”for”という前置詞は目的や理由を表すときに用いられる語句です。

 本タイトルを直訳すれば、「貴方たちのための好き、貴方たちのための夢」という風になります。


 では、何故Aqoursは、私たちのための「SUKI」と「DREAM」を、歌という手段を用いて伝えようとしてくれたのでしょうか。


 そこにこの曲の魂があります。


「DREAM」

 そもそもの話をここでしだすのですが、何故歌という手段を用いて「DREAM」、つまり「ユメ」を伝えるのでしょうか。


 露骨すぎる誘導ですが、文字通り「ユメ語るよりユメ歌おう」だからだと、私は思っています。


 無駄な文化は、淘汰されていくと思います。例えば、食事の時に正座する文化。あれは足の血行上良くないので、勝手に淘汰されましたよね。

 では、何故「歌」という文化は、平安の時代付近から淘汰されずにずっと残っているのでしょうか。


 それはきっと「歌」という手段は、言葉を介して、心に直接訴えかけてくるからでしょう。

 私なんかが説明するより、読んでいる貴方が一番、「ラブライブ!」で感じていることなのではないでしょうか。


Singing my song for my dream!

「ユメ語るよりユメ歌おう」より引用。


 そして、上記の「ユメ語るよりユメ歌おう」の歌詞との対比ですが、何故「DREAM for "me"」とか、「DREAM for "us"」じゃなくて、「DREAM for "you"」なのでしょうか。

 元来、ラブライブ!シリーズでよく用いられてきた「僕ら」という、歌っている対象を内包する言葉を用いずに、「you」と問いかけるの、凄く不思議だと思いませんか?

 

 それは、もうAqoursが必死に自分たちの夢を「歌」という手段で叫ぶ必要がなくなったからだと思います。

 「歌で伝える」ということは、上でも引用しましたが、言葉じゃ足りないからしようとする行為の結果であり、当たり前ですが、元々の手段じゃ達成できていないんですよね。

 ちょっと難しいと思うので、具体例を出すと、何故「ダイスキだったらダイジョウブ」のBメロで「温度差なんていつか消しちゃえってね」と歌っていると思いますか?

 何故なら、温度差を実際に(この曲は歌っている瞬間という、かなり特殊なパターンですが)感じているから、「温度差を消しちゃえ」と歌う訳です。

 温度差なんて感じてないのなら、そもそも歌う必要性なんてどこにもないのですから。


 このことは、裏を返すと、歌っている時点で、必ず何かしらの意味、伝えたいことがある、ということになります。


 これらを踏まえて、考えられることは、もうAqoursは自分たちの夢を「歌」で叫ぶ必要がない、ということです。

 何故なら、Aqoursは歌よりも行動で証明するから。

 必死に叫ばなくても、「ユメ」に対してどこまでも真摯に向き合っているから。

 

 だから別に「歌っても」いいですし、いつものように行動で証明したらいい。ただ、それだけなのだと思っています。


 そして、何故私たち(=you)の為に「歌う」のかというと、Aqoursが、私たちと一緒に、夢を見るものだと考えていてくれるからです。

 烏滸がましいですよね、正直。私もそう思います。こんな私が、Aqoursと一緒に夢を見ていいのかって。


 でも、Aqoursは一人じゃ夢は見れないって、私たちに教えてくれています。

だいじな夢追うとき だいじなひとがわかる

「想いよひとつになれ」より引用。

(夢描くことに関して)
そのためには何をしよう?
ひとりじゃちょっと難しい

「届かない星だとしても」より引用。

みんなとなら 無理したくなる
ひとりじゃない 乗り越えられる

「未熟DREAMER」より引用。

未熟だけど、ひとりじゃないから。きっと。

ぜったい消えないステキな物語
みんなとだからできたことだね
すごいね、ありがとう!

「Next SPARKLING!!」より引用。

 到達点の彼女達ですら、そういうんです。


 Aqoursはきっとひとりでも行けるほどのポテンシャルは持っていると思います。

 でも、それでも、一緒がいい、って言ってくれる。

ひとりでも旅立てるけど
君と一緒ならば…ステキです!

「メイズセカイ」より引用。

 遥かな固い意志を持って、私たちに言ってきます。

ひとりにはさせないからね
ずっと一緒にいるんだよ
ずっと楽しいことしたいから

「not ALONE not HITORI」より引用。

 そして、我々も彼女達も気づくのでしょう。

いまさらわかった
ひとりじゃない

「想いよひとつになれ」より引用。


 Aqoursのこんな優しさが、強さが、私の好きな「Aqours」です。


「SUKI」

順番逆じゃないか!?、と思ったそこのあなた、分かります。(スタァライトみ)

 ふざけてないで、ちゃんと逆にしたには理由があります。何故なら、こっちが一番伝えたい話だからです。

 結構脱線すると思いますが、お付き合いして頂けると幸いです。


 何故「SUKI」を伝えるのか。

 その答えは明確で、しかも歌詞で触れています。

好きだって 好きだって 好きだって思うから
伝えたくなっちゃう
分かち合えたら 嬉しいよ
広がって 広がって 広がって欲しいのは
好きだからだね
伝えたいよ 好きのパワー


 これを読んでどう思うでしょうか。

 なんか単純だなぁ笑、って思いません?


 でも、Aqoursって凄いんですよ。今のAqoursにとって、「SUKI」は単純なことなんですよね。

出会えたことが Lucky 君が笑えば Happy
Ah 単純だね 君が大好きだよ!

「KU-RU-KU-RU Cruller!」より引用。

Love is all, love is all
単純なことさ

「Nameless Love Song」より引用。


 きっと、好きな気持ちって、色々な感情が混ざり合って、その結果、「あぁ、もう好きだ!」としか伝えられなくなったようなものだと思うのです。

 そんなシンプルだけど真っ直ぐな想いが、ここにはあります。



 ここからかなり脱線しますし、暗い話題も入りますけど、一番伝えたい話なので書かせて頂きます。


 昔のAqoursにとって「SUKI」、「好き」というのは、「今より」もっと難しいものでした。そもそも、「好き」とかいう感情に一般解がないから、未だに恋愛の小説や映画が作られているわけであって、簡単なものだとは私も、Aqoursも到底思っていません。


 「待ってて愛のうた」の歌詞を読んで頂けると分かるのですが、

待っててくれるかい?もっとステキになりたいよ

 こう歌うということは、歌っている当初は、Aqoursは、自身の事が「ステキ」ではない、と定義していたことが分かります

 これを歌っている時期。そう、2016や2017。


 まだAqoursが認められずに、ずっと逆境に立たされていた日々です。


 前のブログにも書きましたが、Aqoursを認めたくない人の気持ちは十分理解しています。それだけμ’sが偉大だったのも事実です。

 それ故に、Aqoursは何もわからなかった。

遠くから聞こえたよ ここにおいでって
誰の声かはわからない でも聞こえたよ

 2017年度、Aqours CLUB曲「Landing action Yeah!!」より引用。

 自分たち自身の「好き」があんまり分かっていないのは他人からの「好き」もよくわかっていなかったから、だと私は思っています。それが上の歌詞から読み取れますよね。

 どこかからは聞こえたけど、誰かは分からない。


 でもそれを、信じてくれたのが、Aqoursです。


 この次の年である、2018年度のAqours CLUB曲、ご存じでしょうか。

 私が一番(CLUB曲の中で)好きな曲です。

がんばれと聞こえてきたよ 君の声が
負けない負けられないと 応えたんだ

「ホップ・ステップ・ワーイ!」より引用。


 きっとこの時にやっとAqoursは分かったんだと思います。

 「君」だったんだ、って。


キラリ!ときめきが生まれたんだと
気がついたときに(いたんだよ)
目の前にキミがいた

「ダイスキだったらダイジョウブ」より引用。


 相当暗いので本当は書きたくないのですが、Twitterで垂れ流した事をここにも書きます。

 新たなシリーズとして、ヴァーチャルスクールアイドルというのが発足するらしいですね。Aqoursの時に心無い言葉をぶつけた人たち、何も言わずに無関心という形で切り捨てた人たち。

 そういう人たちが、虹ヶ咲という作品で、優木せつ菜ちゃんの哲学で、多様性を学び、「大好き」の意味を学び、ヴァーチャルスクールアイドルに対して、無関心という形ではなく、今はまだ興味ないけど、ハマったら見るよ、ぐらいのスタンスで、いたって普通に受け入れている今の環境。


 凄くステキでまぶしい景色だなって、思いました。


 きっとこの状況に何も疑問が浮かばずに、これが当たり前だろ、はまー何言ってんだ?お前、となる将来が、一番私の望んでいる世界です。

 私の祖父は広島出身なので、戦争と深く関連している人なのですが、原子爆弾の恐ろしさは何となく知っていても、そんなもん今の世界にはないだろ笑、と万人が軽く言える世界が、一番幸せなんだな、とよく話していて感じます。

 じゃあ、昔の原理とサンカス(言い方を合わせる)の争いなんてきっと私がこうやって文字で書かずに、胸の内に秘めておいたほうがいいのかもしれない、とずっと思っていました。


 でも、これに対して誰しもが「当たり前」を「当たり前」に、何も疑問が浮かばずに、享受していると、崩壊する。


 だから、そのことを伝える事をやめない、と宣言した人を、私は知っています。

 安田屋旅館の日帰り入浴につかりながら、高校同期に話した時も、お前が言うべきなんじゃないか、って言われました。


 そして、私の一番大切な人も言いました。

「当たり前だと思っていたことの大切さに気付かされて。」

 逢田梨香子 1st LIVE TOUR 2020-2021 「Curtain raise」東京公演昼公演のMCより。

 だから、言う覚悟を持って、今この言葉を紡いでいます。


 Liella!のLIVEに伝説の新田さんや飯田さんが訪れている写真見ましたか?

 私は嬉しくて嬉しくて、ああ、μ’sの先輩たちが見守ってくれてるんだな、って強く感じました。

 でもそれと同時に、上で示したようなファンの方々が、それを当たり前だと、受けとって、「暖かいなぁ」って言ってることに、凄く傷つきました。


 これは、決して当たり前じゃない。


 これは、Aqoursが血反吐を吐いて作ってきた道の上に成り立っていることです。

 ラブライブ!フェスが開催できたのも、こうやって虹ヶ咲、Liella!といろいろなシリーズが展開されて、いろいろなファン層が共存できているのも、Aqoursだけの功績だとは全く思っていませんが、Aqoursが今まで成してきた全ての道のりがなければ不可能なことです。

 これだけは断言します。


 それを、蔑ろにしないで欲しい。

 私の、譲れない、願いです。


 Aqoursというグループは「好き」の難しさを誰よりも理解しています。

 なのに、今はもう「単純」だって、笑顔で歌うんですよ。

 私は、これがこの曲の本質だと思っています。


 「SUKI for you」。貴方のための「好き」。

 それを全体に、咲かせるように、ぶつけてくれた6thLIVE <OCEAN STAGE>は、今のAqoursの到達点だと、胸を張って言えます。


最後に

 5000字といつもより遥かに短いですが(は?)ここらで、終わりたいと思います。

 まーた暗い話題だし、Twitterでも病むし、なんだよこいつ、ってなると思いますが、私にとってLIVEって凄く大切なもので、いつも真剣に向き合うとすると、こうなっちゃうので、誠ご容赦をば…。

 最後に、読んでくれている貴方へ、Aqoursからの言葉を贈って、この講義を締めたいと思います。


「笑顔でジャンプ なんでも乗り越えられそうだよ
Let's go!! 一緒に楽しもう!」


「SUKI for you, DREAM for you!」


6th ブログラスト


 写真は全て電撃G's magazine編集部(http://gs.dengeki.com/news/155420/)のLIVEレポートより拝借しております。


追伸

 絶対に逢おうと約束していた人が、明日ある6th LIVEに来れなくなりました。

 彼はいつも私の事を助けてくれた、私の親友です。

 彼は「必ずまたメットライフに帰る」、と。そして「はまーさんに託します」と言いました。

 人に大切なLIVEを託す意味を、私は知っています。

 行きたくても行けないやるせなさ。私が一番これまでの人生で経験してきたので。

 そんな彼や、同じ立場の人に、私から一番大切にしている言葉をAqoursから贈ります。

 きっとAqoursもこういいますよ。


「どこにいても 同じ明日を 信じてる」


Aqoursの「SUKI」を、俺は、信じている。


Special thanks

さらいん、スパボ、ノットをたべたさかな、よしまるおじさん(高校同期)(敬称略)


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