見出し画像

【ドラフト2022】浅野翔吾はドラ1級も…1位指名高卒外野手の伸び悩み【DeNA】

今年の高校生No.1打者 浅野翔吾

今ドラフト候補として最も注目を集めている高校生というと、浅野翔吾(高松商)でしょう。
この夏の甲子園では高松商は惜しくも準々決勝で敗退しましたが、浅野の甲子園成績は以下の通りです。

10打数 7安打(18塁打) 3本塁打 6打点 5四死球 0三振 2盗塁
打率.700 出塁率.800 長打率1.800 OPS2.600

まさに怪物と言える成績で、甲子園出場打者の中で最も好成績なのは間違いありません。
ここまでの打者だと、今ドラフトで1位指名されるのはほぼ確実ですが、過去にドラフト1位指名された高校生外野手というのはかなり少ないです。

過去の1位指名高卒外野手

2021年 吉野 創士(楽天)
2018年 藤原 恭大(ロッテ)
2015年 オコエ 瑠偉(楽天)
2012年 高橋 大樹(広島)
2011年 川上 竜平(ヤクルト)
2010年 後藤 駿太(オリックス)

過去12年間のドラフトを見ても、高卒外野手で1位指名されたのは6人だけでした。これが高校生内野手だと同じ期間で12人1位指名されているので、どれだけ少ないかが分かります。
そして人数的な少なさに加えて、指名後のプロでの活躍にも差があります。
高校生外野手の上記6人の中で、規定打席に1度でも載ったことがある選手は1人もいません。
吉野は去年プロ入りしたばかりなので仕方ないですが、他の選手が1度も規定打席に載らずレギュラーを掴めていないのは、高校生外野手に対しての不安があります。
これも内野手と比較すると、例えば山田哲人・筒香嘉智・今宮健太・高橋周平・岡本和真・小園海斗など、多数の選手が規定打席に到達していて、それだけでなくタイトルホルダーも出ています。
単に人数の差だけでなくプロでの活躍も高卒外野手は厳しく、1位指名はややリスクの高い指名と言えるでしょう。

外野手転向した選手

高卒でも、外野手に転向してレギュラーを掴んだ選手は結構多いです。

岡林 勇希・鈴木 誠也・筒香 嘉智・桑原 将志・松本 剛・西川 遥輝などは元々投手や内野手でそこからの外野転向でレギュラーを掴みました。
元から外野手だと、他のポジションに転向しづらいですが、逆に他のポジションから外野手へは転向しやすいので、そういったこともあって最初から高校生外野手を指名することは避ける傾向があるのかもしれません。

高卒外野手を1位指名すると外野手として育てるしかないので、チーム事情的にもよほど外野手が欲しいという状態でないと指名する理由は無さそうですね。

浅野1位指名でも大丈夫か?

ここまでの内容だと、浅野翔吾をドラフトで1位指名するのは割とリスクが高いと考えられます。
特に浅野の場合、外野手でも守備力を考えるとプロでもセンターを守れるかは現時点では判断しづらく、両翼を守ることになる可能性もあります。
となると打撃で結果を残すハードルは高めになりますし、外国人選手とのポジション争いになることも考えられます。
それらを考慮した上で、浅野を1位指名するべきか考える必要があるでしょう。

高卒外野手でもレギュラーを掴んだ選手はいる

ここまで浅野を1位指名することを不安視させる内容を書いてしまいましたが、高卒外野手でもレギュラーを掴んだ選手はちゃんといます。
丸佳浩・栗山巧・多村仁・新庄剛志など、球界を代表する外野手として活躍しています。彼らは1位指名では無く、むしろ3~5位など中~下位指名になりますが、その後の活躍は素晴らしいです。
1位指名ということに拘りを持たず、純粋に浅野を外野手で将来の主軸として育成したいという球団の方が、大成するかもしれません。

浅野指名に向いている球団は?

浅野の指名に向いている球団を考えてみました。

①ソフトバンク
ポスト柳田が欲しいチーム事情
本拠地の狭さを考えると本塁打を量産できる打者が少ない
育成含めた人数が多く、焦らず育成できる強み

②巨人
現外野は30代の丸と、両翼が外国人2人がレギュラーで将来に不安
本塁打数も上記3人と岡本が大半を占めていて、若手主軸候補の台頭が必要
育成含めた人数が多く、焦らず育成できる強み

③広島
鈴木誠也のMLB挑戦で外野の打撃力が低下
秋山を獲得するなど外野手補強に積極的だが、裏を返せば外野手の伸び悩みが見える
両翼の方が弱点化しているため、指名に問題なし

④ロッテ
現外野陣がマーティンや荻野など30代中盤に頼る状態
藤原や山口など期待できる若手もいるが、伸び悩みが見える
去年松川を指名し、今年は浅野も指名すれば将来的な備えが非常に厚くなる

上記球団に共通しているのは、現時点では外野にレギュラーがいても、年齢的に長期に渡って安定した打撃力を維持するのが難しいところです。
特に主軸を担っているような選手がいる場合、数年後には逆にそこが大きな穴になる可能性があり、打撃力を維持・向上させるためにも新たな主軸候補を獲得する必要があります。
浅野は期待度の高い高校生外野手ですが、1年目から1軍ですぐ活躍することは考えにくく、早くとも3年後に1軍に台頭してくると考えて、そのタイミングの1軍外野を予測して指名した方が良いでしょう。

DeNAは向いていないのか?

ここから先は

796字
この記事のみ ¥ 160
期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

良かったらサポートお願いします!更なる野球分析と優良記事作成に活用させていただきます。