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【横浜DeNA】奮起せよ!山本・益子・東妻!!【捕手陣】

今季1番手捕手の嶺井がFA宣言

横浜DeNAは、今季の1軍捕手は主に嶺井・戸柱・伊藤光の3人体制でした。
その中でチーム最多の74試合でスタメンマスクを被った嶺井がFA宣言することが、11/3にスポーツ紙各紙で報道されました。
球団を通して嶺井自身も宣言する旨のコメントを出しており、FA宣言は確定です。

これで、今季の半分以上の試合でスタメンマスクで起用していた嶺井が流出する可能性は高く、流出すればDeNAにとって痛手になります。

ドラフトで松尾・上甲を指名

こうした動きになることを見越して、というわけではないと思いますが、今ドラフトでは1位で高校生捕手の松尾を指名し、育成指名でも社会人経験がある独立リーグの捕手の上甲を指名しています。
松尾は1位ということもあって将来の正捕手候補だと思いますし、上甲も打撃の良い捕手で将来は支配下登録されて、1軍定着することが期待されているでしょう。
嶺井が抜けた場合、その穴をすぐ松尾や上甲が埋めれるというわけではないですが、2人が将来的に1軍で活躍して世代交代できるようになれば、長期的に安定した捕手陣になります。

奮起せよ!山本・益子・東妻!!

ただ、こうした動きに本来最も奮起しなければならないのが、今の若手捕手陣です。
山本・益子・東妻は将来性を期待されて入団してきて、この3人がいずれ伊藤光・戸柱・嶺井の後釜の1軍捕手になるであろうと期待していたファンは多いと思います。
しかし、1軍捕手陣が全員30代になっている今季も若手捕手の1軍台頭がありませんでした。

山本は当初1軍で起用されていましたが、打撃不振に陥って徐々に出場機会を減らして、夏前の6月に2軍落ちしてそのまま2軍でシーズンを終えています。
益子にしても去年初めて1軍昇格し、今季は去年以上に1軍で起用されるようになることを期待されていましたが、結果は去年の3試合出場を下回る1試合出場に留まりました。
今季も特例措置で1軍と2軍の異動が頻繁に発生したにも関わらず、1軍での出場機会を増やせなかったのは、そこまでの実力に達していないと評価されてしまったのでしょう。
東妻は今季高卒3年目なので、山本や益子に比べるとまだ焦る段階ではないですが、それでも同期の森が1軍で活躍しつつあり、東妻もそろそろ1軍に上がってこれるよう結果を残さなければなりません。

彼らにとっては嶺井のFA宣言も、ドラフトで松尾・上甲を指名してきたことも、1軍昇格への発奮材料になりますし、逆に来季も変わらずこのままの状態だと球団からの期待も下がって、松尾や上甲にあっという間に抜かれてしまう可能性すらあります。

それぞれの課題

1軍定着するにはどうしたら良いか、各選手のそれぞれの課題を考察してみました。

山本:最低限の打撃を身につける

山本に足りないものは「打撃」と分かりきってます。
守備に関しては前々から評価が高く、1軍でもキャッチング・盗塁阻止率・安定感などは他の1軍捕手と見劣りしない結果を残せていました。

しかし打撃が極端に悪い結果で、打率は.100前後に落ち込んだ状態で投手並みでした。ここまで打撃で結果を残せないと打順の8・9番が完全に死んでしまうので、得点しにくい打線になってしまいます。

なのでせっかくスタメンマスクを被っても、先発が交代する5・6イニング目には一緒に交代することが多く、それも他の捕手を代打で出されて交代することもあったので、余分に捕手を使わざるを得ないという状態でした。
これでは流石に1軍で起用し続けるのは難しく、2軍へ下がったのは仕方ないです。

来季はこうした状態から脱却するために、1にも2にも打撃の改善が必須です。今季のDeNAの捕手陣の打撃成績を見ると、打率.250前後でOPS.600以上ならスタメンで起用される成績でしたので、ここまで上げて欲しいです。

フェニックスリーグでは打率.250 OPS.700以上は打てていたようなので、この成績と同じくらいを来季の1軍でも残せれば、問題なく1軍に定着できるでしょう。

益子:攻守ともに自分の武器をアピール

益子は去年2軍では240打席 打率.235 6本塁打 OPS.682と、粗さがありながらも長打を打てるところを見せてくれました。
この打撃や2軍の若手捕手の中で最も多く起用されていた期待度などから、初の1軍昇格を勝ち取り、1軍では初安打や初のスタメンマスクを被る機会もありました。
2021年にこのような経験ができたことで、2022年は益子が1軍で起用される機会が増えると考えていましたが、むしろ減ってしまいました。

1軍で起用されなかった理由として考えられるのは、2軍打撃成績の悪化です。
2021年は上記の通り好成績を残していた益子でしたが、2022年は186打席 打率.211 1本塁打 OPS.570となってしまい、これでは1軍に呼べる成績とは言えませんでした。
守備面で見ても、捕逸や失策が多めで壁役としてもやや不安なところがあり、盗塁阻止でもそこまで突出した成果は出せませんでした。
このように攻守でアピールできる材料がないと、1軍へ上げようという声がかかりづらいですし、益子にとってはアピール不足のシーズンになってしまいました。

来季1軍で起用されるには、攻守ともに自分の武器をアピールする必要があります。打撃面では2021年に見せた長打のある打撃をモノにして結果を残し、守備面でも本来は肩の強さが持ち味で盗塁阻止率を上げることができるはずです。
こうした攻守の自分の武器を磨いてアピールすることで、2軍首脳陣から評価されて1軍へ上げる声が出てくるはずです。
今年のドラフトで同年代の上甲を示しましたし、競争意識が一番高まっていると思いますので、それをプレーで発揮できることを期待したいですね。

東妻:打撃の維持と守備の改善

東は3人の中では1番若く、来季は高卒4年目になりますが、今季は3人の中で1番成績を改善しました。
打撃成績が非常に良くなり、157打席 打率.244 2本塁打 OPS.716という去年の益子よりも良い成績を残していて、この打撃成績なら1軍に呼ばれてもおかしくない状態でした。

ただ、今季は結局1軍に呼ばれることなく終わってしまっていて、その理由を考えると守備面の課題がはっきりしていたのが理由でしょう。
失策や捕逸の数が多く目立ちましたし、捕手としての守備力がまだまだ備わっていない状態です。
去年と比べると改善は見せているものの、1軍に昇格するにはもっと守備が安定しないと厳しいので、益子と同様に守備力改善は必須です。

また打撃に関しても、今季せっかく改善したのに来季になって下がってしまっては元も子もないですし、最低限今季の状態を維持することは必須です。
打撃さえしっかりしてれば他に目をつむって1軍に上がる可能性もあるので、来季は打撃成績を落とさず、守備を改善して欲しいですね。
まだ若いので球団の期待値は高いと思いますし、しっかり結果を残せば1軍昇格のチャンスはあるはずです。

来季の捕手起用予想図

2022年は嶺井・戸柱・伊藤光の3人が殆ど1軍で起用されていましたが、分かりやすく図で表すとこうなります。

このように守備イニングでは嶺井が約半分、戸柱と伊藤光で4割を占めていて、山本や益子は1割にも満たない起用でした。
この割合を来季以降は変えていく必要があります。

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