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井納 翔一 50勝到達!

9/18の試合で井納が先発登板し、通算50勝目を挙げた。

井納は2012年にDeNAにドラフト3位指名された投手だが、指名時点で大卒社会人の4年目、26歳というドラフト候補からすると年齢が高めのオールドルーキーになっており、そういう投手を3位指名したことで即戦力投手の補強を第一に考えてるのが分かる反面、結果を残せなければすぐに首を切られてしまいそうな不安もあった。

ただ、井納はそんな期待や心配などをよそに1年目から先発に定着し、2年目からはシーズン通してローテを守れる立派な先発投手になっていく。井納は先発登板すると毎試合6イニング以上をほぼ確実に投げれるスタミナがあり、打たれて失点することが多いもののイニングイーターとして重要なポジションになっていった。DeNAはこうしたイニングを消化できる投手が三浦以降なかなかおらず、リリーフ陣に負担をかけやすい状態になっていたため、井納のように試合を作りリリーフの投入人数を減らすことができる投手は非常に重要なものだと個人的に思っていた。勝敗数で見れば通算50勝57敗で負け越してるものの、井納の真価は自分の勝敗よりも安定してローテを守って試合を作れることと、勝ってても負けてても長いイニングを投げてリリーフ陣の負担を減らせることの2点だと思っている。地味だが非常に重要で、自身の勝ち星は減らしても、他の投手の勝ち星を増やすことができる投手だ。おそらく首脳陣もそうした点は評価していただろう。

そうして2017年まで先発投手として貢献した後、2018年からはリリーフへの転向もあった。これに関しては先発陣が揃ってきたことにより井納のイニングイーターとしての役割がそこまで重要で無くなってきたということも理由になりそうだが、個人的にはまだまだ井納には先発でやって欲しかった。当時も井納が1番長いイニングを投げており、勝ち星を稼ぐ先発1・2番手としての仕事は難しくとも3番手で安定した投球を続け、他の投手陣の負担を減らしていける役割ができるのは井納以外いなかったからだ。結果的にリリーフの井納はそこまで良い結果を残せず、他の先発陣が怪我や不調が増えたことによりシーズン中盤以降に再度先発転向となったが、この辺りの調整は難しかっただろう。2019年は先発に戻ったものの前年リリーフを経験した影響か、また33歳という年齢の影響か、あまり長いイニングを投げることができなくなり、かつてのようなイニングイーターとしての仕事ができなくなっていた。オールドルーキーとして獲得したことで、年齢的な衰えがどうしても出やすくなってしまい、このまま徐々に結果を残せなくなってしまうのかと心配していた。

2020年、首脳陣は井納をベテラン投手として中6日以上の間隔を必ず開けるようにしたが、この起用が成功した。かつてのようなイニングイーターとまではいかないものの、5イニング以上投げて安定した成績を残せる状態になり、先発陣の今永・平良の離脱もあったことで先発経験が豊富な井納は非常に重要な役割となった。本人を見るといつも変わらず飄々としているが、再度先発でしっかり結果を残せるようになったことは嬉しかったことだろう。

そうした中でついに50勝に到達した。プロ通算8年目の50勝だが、オールドルーキーでの入団や、途中リリーフを経験したことなどを踏まえると非常に価値のある50勝と言える。勝ち星は打線やリリーフ陣にも左右される指標であり、また井納は自身に勝ち星がつきにくい投手で評価の指標として適切かは考えるところだが、ここまで先発で安定して投げてきたことは非常に価値のあるもので評価したい。横浜の暗黒期からの立て直しに非常に貢献した投手と言える。

井納は現在34歳で投手としてベテランの域に入ってきているが、30代後半でも先発で活躍した投手は歴史を見ても少なくなく、横浜には三浦という40歳になっても先発で結果を残した投手もいる。井納には三浦のように息の長い投手になってもらって、先発投手陣を引っ張っていってもらいたいし、またその個性的なキャラでチームを和ませていって欲しい。

是非、100勝を目指してもらいたい。



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