【横浜DeNA】2位吉野は隠れた先発陣の綻びを紡ぐ好指名
2位 吉野 光樹(投手・トヨタ自動車)
横浜DeNAは2022年ドラフト2位指名でトヨタ自動車の吉野 光樹 投手を指名しました。
吉野投手は大卒社会人2年目で最速150kmの球威ある直球を武器に、多彩な変化球を織り交ぜて投げ分ける本格派右腕です。
大学時代から先発投手として経験を積んできて、トヨタ自動車へ入社後もずっと先発で登板してきました。
指名後のDeNAの中川大志担当スカウトのコメントでは 「一年目からの活躍が期待できる即戦力投手」と評価していますし、来年から1軍で投げてくれることが期待できるでしょう。
先発かリリーフかの役割は明言していませんが、これまでずっと先発で結果を残してきた投手であることを考えると、先発で起用する可能性が高いです。
5位指名で慶応大の橋本投手を指名していますが、こちらは大学ではリリーフとして起用されているので、橋本投手をリリーフにして、吉野投手を先発にするという動きになるのではないかと考えられます。
即戦力の先発投手を指名した意図
DeNAの先発を見ると、今年は今永・大貫・濵口の3本柱が安定していて結果を残しました。更に石田・上茶谷・東・坂本・京山などの先発がいて、彼らは全員20代で頭数はとても充実しています。
なので先発投手を上位指名する必要性は、そこまで高くないようにも見えます。ですが吉野投手を2位指名したので、指名した意図を考察してみました。
3年後に先発の層が一気に薄くなる
改めて現在の先発陣の年齢を見ると、今永(29)・大貫(28)・濵口(27)・石田(29)・上茶谷(26)・東(26)・坂本(25)・京山(24)となっています。
このうち、ここ3年主力でローテとして投げれているのは今永・大貫・濵口の3人で、この3人が現先発の核ともいえる存在です。
しかしこの3人は他の先発陣よりも若干年齢が高めで、22~26歳あたりの先発が彼らに続いていません。
東はTJ手術から復帰しましたが、今季は期待通りの結果を残せずほぼ2軍生活でしたし、上茶谷・坂本・京山らは調子がいい時もありますがまだまだ不安定で、ローテを任せられる存在になっていません。
つまり20代の中でも若い投手の台頭が実は弱く、このまま台頭する先発が出てこないと今永・大貫・濵口が全員30代になる3年後には20代の投手層が一気に薄くなってしまいます。
これが現先発陣の隠れた綻びです。
先発投手が不足しているチームが優勝するのは困難ですし、常に新しい先発が出てくるような状態にしなければなりません。
今回指名した吉野は、今永・大貫・濵口に続く第4の先発として期待されての指名だと思いますし、キツイ言い方をすれば他の先発が不甲斐ないので彼らよりも実力が上と判断されたから2位指名されたのでしょう。
そのため、吉野投手にかかる期待は非常に大きいですし、3年後には20代の先発エースとして2桁勝利を挙げるような活躍が期待されているはずです。
言わば、今の先発の綻びを紡ぐ存在として相応しい投手です。
吉野投手の活躍に負けぬ若手投手の台頭を
吉野投手がしっかり結果を残せば先発4番手の座に入りますし、そうなれば現先発陣は厳しい立場に追い込まれます。
ドラフト前に進藤編成部長が、今回のドラフトはどう競争が生まれるかを重視しているとコメントしていましたが、まさに現若手先発陣と競争させるために吉野を指名しています。
これに1番奮起して欲しいのが、他ならぬ現若手先発陣で、来季はローテの座を激しく競い合ってほしいです。
そういう状況を作り出せれば、来年以降の先発も安定してきて、3年後や5年後の未来の展望も明るくなります。
吉野投手の加入で、先発陣全体の成績が上がることを期待したいですね。
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