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【プロ野球】小柄な選手は活躍するか?【ドラフト】

プロ野球選手は体格がしっかりしてて大型の選手が沢山いますが、小柄でも活躍する選手はいるのか、調べてみました。

小柄の基準

小柄な選手の基準は、身長170cm以下かつ体重65kg以下としました。
身長体重については年単位で変わるため、1度でも上記に該当した選手を対象にしています。
尚、調査する身長体重はプロ野球データFreakさんの情報を元にしています。(2009~2022年)

この条件に該当するのは以下の選手たちでした。(球団・ポジションは該当した時のもの)

平野 恵一(阪神・内野手)
小坂 誠(ロッテ・内野手)
谷元 圭介(日本ハム・投手)
内村 賢介(楽天~DeNA・内野手)
松本 哲也(巨人・外野手)
村田 和哉(日本ハム・外野手)
古川 祐樹(巨人・投手)
水口 大地(西武・内野手)
滝澤 夏央(西武・内野手)
阿部 和広(日本ハム・外野手)
坂本 一将(オリックス・内野手)

トータル14年間の中で該当したのはこの11人のみで、やはりプロ野球界はある程度身長や体重がある選手の集まりになっていることが分かります。
ただ、小柄な選手が活躍しないかというとそうではなく、例えば上のメンバーでは平野 恵一・小坂誠・谷元圭介が通算10年間以上プロとして活躍しました。

平野 恵一(阪神・内野手)

小柄でレギュラーを掴んだ野手の代表格
平野はメインは二塁手でしたが外野も守れるユーティリティ性があり、三振が少なく足が速く、肩も強いなど小柄ながら攻守で結果を残せていました。
また、パンチ力も割とあって本塁打はプロ通算で18本打てています。
2012年にはFA権を行使してオリックスへ移籍し、その後オリックスでもシーズン打率3割を打つなど活躍しました。

こうした活躍で最高年俸は1.9億にまで上がっていますし、小柄で活躍した選手の代表格とも言えるでしょう。
平野は小柄な選手の長所である足や守備力を活かしつつも、元々の身体能力をフル活用して打撃でもしっかり長打を打って結果を残していて、小柄のマイナス部分を打ち消していたのが良かったですね。

通算成績:1260試合 4887打席 打率.279 18本塁打 263打点 60盗塁 256犠打 出塁率.337 長打率.341 OPS.679

小坂 誠(ロッテ・内野手)

小柄さを極限まで活かした球史に残る名遊撃手
小坂誠は割と昔の選手になりますが、歴代で守備の上手い遊撃手を挙げる際に、間違いなく挙がるほどの名遊撃手です。
小坂はプロ通算14年で平野と同じで、キャリアの殆どは遊撃手として起用されていました。
打撃面では通算打率.251で、3割を超えたシーズンは1度もありませんが、とにかく足が速く、入団から5年連続30盗塁を決めて2度は盗塁王にもなっています。足は長打にも活かせていて、4回三塁打数のリーグトップになっていますし、攻守で活躍しました。

ただ、小坂の最も評価されるところは守備で、遊撃手として非常に守備範囲が広く「小坂ゾーン」と呼ばれるほどで、当時対戦相手だった城島から「小坂さんがいると、毎試合ヒット1本損する」と言われるほどでした。
守備指標でもはっきりと表れていて、遊撃手としての守備機会数を測るRFは7年連続リーグトップで、どのシーズンも遊撃手としては突出しています。

小柄な選手の持ち味である足を攻守で最大限に活かした選手で、小柄な選手にとっては憧れや目標になる存在でしょう。

通算成績:1371試合 5069打席 打率.251 19本塁打 303打点 279盗塁 267犠打 出塁率.327 長打率.327 OPS.655

谷元 圭介(日本ハム・投手)

目立った特徴が無さそうに見えるが、回転数が突出
上2人は内野手ですが、小柄な投手で活躍した事例だと谷元が挙がってきます。谷元は現役の選手で2022年で14年目を迎えました。
大学生~社会人を経て日本ハム入りしましたが、プロ6年目から3年連続50試合以上に登板して、リリーフとしてフル回転で活躍。そして2017年のシーズン中に中日へ金銭トレードで移籍し、中日でも2019~21年は30試合以上登板するなど、まだまだ1軍で活躍しています。

2022年はまだシーズン途中ですが7試合に登板して好成績を残してるので、来季も契約することは確実だと思いますし、そうなると平野や小坂を超えるプロ年数になり、小柄な選手の中でも最もプロ年数が長くなります。

谷元は右腕で、球速も最速は151kmでそこまで速い球を投げているわけでは無く、小柄ということも含めて身体的な部分での特徴は殆ど無い投手です。
なのにここまで長く活躍を続けられるのは、谷元の球速の質によるもので直球の回転数がとても多く、2017年に計測したトラックマンで2600rpmを記録しています。
MLB投手の平均が2000rpmを超えるぐらいで、2600rpmだと日本なら栗林 良吏や早川 隆久など近年のドラ1投手と殆ど変わりません。
この回転数ある直球とカット、フォーク、シュートなど多彩な変化球を投げ分けることで、安定して抑えることができています。

低身長・低体重・右腕・最速150km前後というスペックだけ見ると、なかなかプロで活躍が難しそうな投手のように見えてしまいますが、この谷元のような投手がもしかするとドラフト候補の中に埋もれてるかもしれませんね。

通算成績(2021年まで):483試合 28勝25敗 148H 6S 558回1/3 防御率3.58 WHIP 1.31

小柄を武器に活躍した内村・松本哲

上記3人のようなレギュラークラスにはなれなかったものの、小柄を武器に活躍していたのが内村と松本哲です。
内村は主に二塁を守っていた内野手ですが、小柄さと脚の速さを武器に広い守備範囲をカバーしていました。また打撃でも内野安打を量産し、出塁率も高く、攻守で小柄さが活きていました。

松本も守備範囲の広さが評価されていたセンターで、盗塁成功率も高く、まさに足を武器としていました。
本塁打を打てるパワーはありませんでしたが、センター返しの打撃で出塁して、盗塁を決めていくというスタイルで、一度はレギュラー格の起用がされていました。

2人共育成選手から支配下登録を勝ち取っていて、レギュラーとして定着はできなかったものの、自分の武器をしっかり示して支配下登録を掴めたことで、小柄な選手でもそこまで上がることは可能というのを示した例と言えるでしょう。

滝澤にも期待

この他の選手たちだと現時点ではそこまで結果を残した例は無いですが、今季は西武の滝澤が1年目で支配下登録を勝ち取って、現在1軍で活躍しています。
滝澤も守備範囲の広いショートで、攻撃面でも俊足を活かした活躍が見えますし、今後が楽しみな選手です。
小柄でも活躍できる選手として、滝澤や他の小柄な選手たちも活躍していけば、プロ側の見る目も変わってドラフトにも影響が出てくるかもしれません。

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