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松尾 汐恩が正捕手になるには~主な高卒捕手と比較~

DeNAがドラフト1位指名した松尾捕手は、将来の正捕手になることを期待されています。
そのため、松尾が将来の正捕手になるよう球団はプランを立てて育成していくでしょう。
では実際にどのような育成プランを想定しているか、またこれまでの高卒でレギュラーを獲った捕手は1年目にどういう成績を残して、1軍定着までどのぐらい期間がかかったかをまとめてみました。

主な高卒捕手の1年目2軍成績

1軍定着した高卒捕手の1年目2軍成績を見てみると、結構ばらつきがありました。森友哉がOPS.900超えというすごい打撃成績を残せていますし、坂倉・近藤・中村悠は、1年目から十分な結果を残せているのが分かります。
こういう選手たちは1軍定着するのも2~4年目で比較的早い方ですね。

逆に曾澤は1年目にOPS.700超えの結果を残せていますが、1軍に本格的に定着したのは9年目とかなり遅咲きです。これは当時の広島の捕手事情も関係していると思いますが、9年も広島が手放さなかったのはそれだけ素質があると評価していた現れでもあるでしょう。

曾澤とは逆に、1年目にOPS.600前後だった田村・若月らは3年目と早い時期に1軍定着しています。これも球団の捕手事情が関係していたと思いますが、成績だけでなく捕手としての総合的な能力の高さを見込まれたのかもしれないですね。

伊藤光や甲斐は結構遅咲きで、どちらも1年目は課題があったと思われます。なので1軍定着まで6年以上かかっていますが、逆にそこからしっかりと正捕手を掴んだことを考えると、こちらも捕手としての能力を見込まれていたと言えるでしょう。

全体的に見ると、レギュラーを獲った捕手でもそれまでの期間に差がありますが、やはり結果を残せているほど早く1軍に定着しやすいのが分かります。
森・坂倉・近藤は捕手だけでなく他のポジションで起用されていますが、それは打撃成績が良いことも理由としてありそうですし、松尾が早期に1軍定着するなら捕手+他のポジションもできると良いかもしれません。

逆に捕手としての能力の高さが見込めるなら、中村悠・田村・若月のように3年目ぐらいから1軍に定着させて、1軍経験をさせながら育成するという方法もありそうです。

松川捕手のように1軍で育成することは無いか?

昨年ロッテは松川捕手を1位指名しましたが、ロッテは今年、1年目の松川捕手を殆ど1軍に定着させていました。
2軍での打席数はわずか2で、松川捕手を1軍で育成することをはっきり示した起用になっていました。
松尾捕手も松川捕手のように、1年目から1軍で育成することはあり得るか、気になる人は多いと思います。

個人的にはすぐ1軍で起用することは無いと考えています。
理由はそうした育成で成功した例がかなり少なく、特に最近のDeNAの育成方針だと1年目はまず2軍で体づくりや実戦経験を積ませていくことを意識していて、そこで結果を残してから1軍に上げるという方針です。

ロッテの松川捕手の場合チーム事情も考慮する必要があって、他の捕手がなかなか1軍に定着できない状態で誰を上げても定着させにくくなっていました。
こうした状態だと、それなら期待の松川捕手を1軍で育てようと判断してもおかしくないですし、ちょうど投手で未来のエース候補の佐々木朗希もいることですから、今のうちから2人でバッテリーを組ませておきたいというのも納得できます。

ただDeNAの場合、1軍捕手は伊藤光・戸柱・嶺井の3人が定着していて今季は3人の併用がうまくいっていました。
嶺井がFA権を取得したことで動向が気になりますが、来季も基本的にはこの3人を1軍で起用していくことになると思いますし、仮に嶺井が抜けたり他の捕手が不調になったとしても、若手に山本・益子・東妻などの捕手がいます。
来季の1軍捕手争いはこの6人になると思われますし、捕手事情で松尾を上げざるを得ないということにはならないでしょう。

それよりは2軍でしっかりと体づくりや実戦経験を積ませることで、森・坂倉・近藤のように早く結果を残して3年目前後に1軍定着できるように育成する方が、結果的に1番の近道になるはずです。


DeNAが高校生捕手を1位指名したのは、球団が大洋ホエールズ時代である1987年の谷繫元信以来になります。
それだけに松尾への期待は物凄いあると思いますが、育成方針をしっかりと立てて良い環境で将来の正捕手に育て上げてほしいですね。

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