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【横浜DeNA】1カード(3試合)完封負けという屈辱【補強】

10年ぶりの屈辱的3連敗

9/2(金)~9/4(日)にマツダスタジアムで行われた広島vsDeNA戦ですが、このカードはDeNAが3試合連続完封負けという屈辱的敗戦になりました。
このような負け方は2012年以来10年ぶりで、優勝争いがかかった状況で痛すぎる敗戦になりました。

打線のつながりが悪い

4日の試合終了後、三浦監督は「投打ともにかみ合わなかった3連戦」とコメントしましたが、はっきり言って0点では打線の問題でしょう。
このカードの合計安打数を見ると、広島が27安打・DeNAが19安打なので安打自体はそこまで大きな差になっていません。
DeNAだけ見ても1試合平均6安打以上ですから、どの試合も1~2点は取れる可能性はありました。
ただその安打が得点に結びついておらず、打線の繋がりが悪かったと言えます。

効率的な得点ができているか?

今年のDeNAは1軍コーチ陣を刷新して、打線が良くなったという話もありました。特に今年からは1点を取りに行く野球ということで、前監督時代はかなり少なかったバントを増やすようにして、効率的に1点を取りに行けるようなチーム作りを昨年秋季キャンプから心がけてきました。
その成果は果たして出ているのか、検証してみました。

効率的な得点とは、安打や四球で出塁したランナーを効率的にホームへ帰すことができる得点と考えられます。
つまり1得点あたりの安打・四球・死球などの出塁数が少ないほど、効率的に得点できていると言えます。

【DeNAの得点効率の計算】
2021年 出塁数:1683(1233安打+407四球+43死球) 得点:559
    →1得点あたりの出塁数:3.01
2022年 出塁数:1308(984安打+275四球+49死球) 得点:411
    →1得点あたりの出塁数:3.18
※2022年は9/4時点の成績

これを見ると、1得点あたりの出塁数は増えていて、正直なところ昨年から得点の効率が改善されたとは言い辛いです。
セ・リーグ全体の特徴かもしれないと考えて、他球団の得点効率も調べてみました。

【各球団得点効率の変化(2021→2022)】
ヤクルト:2.83→2.72(-0.11)
DeNA:3.01→3.18(+0.17)
阪神:2.98→3.22(+0.23)
巨人:2.92→2.98(+0.06)
広島:3.07→2.97(-0.10)
中日:3.57→3.72(+0.15)
リーグ平均:3.06→3.13(+0.07)

これを見ると、ヤクルト・広島が少し効率良くなっていて、巨人が少し悪くなっています。
中日・DeNA・阪神はさらに悪くなっている状態で、DeNAはリーグ平均よりも悪くなっていました。
阪神や中日の場合、投手有利の球場が本拠地ということも加味しなければならないですが、DeNAの場合はむしろ打者有利の球場が本拠地なので、それなのに得点効率が悪くなっているのはあまり良い状態とは言えないでしょう。

得点効率悪化の原因は?

DeNAの得点効率が悪くなった原因を考えると、以下のことが目立っていると言えます。
・今季はオースティンがスタメンで出れていない
・得点源の1番打者桑原の成績低下

オースティン不在

今季、オースティンがスタメンで出せない状態がシーズン終盤の今もなお続いていて、これはチームの得点力に大きく影響したと言えます。
どれだけオースティンの影響を受けたかを、まとめてみました。
2021年のオースティンは主に右翼を守っていましたが、2022年は楠本と蝦名が多く守っていました。
なので2021年のオースティンの成績と、2022年のオースティン・楠本・蝦名の合計を比較すれば、オースティンが不在だった分の影響が見えてきます。

【2022年のオースティンと主に右翼を守った楠本・蝦名の成績】
オースティン:16打席 3安打 6塁打 1本塁打 3打点
楠本:248打席 52安打 71塁打 4本塁打 15打点
蝦名:181打席 39安打 52塁打 3本塁打 8打点
合計:445打席 94安打 129塁打 8本塁打 26打点

【2021年のオースティンの成績】
2021年オースティン:439打席 113安打 224塁打 28本塁打 74打点

2022年の現時点でオースティン・楠本・蝦名の合計の打席数は445になっていて、2021年のオースティンの打席数439とほぼ一緒になります。
ですが、安打数は29減り、塁打数は95減り、本塁打数は20減り、打点は48減っています。
この分がオースティンが不在だった分の成績低下で、結構大きな影響が出ていたと言えるでしょう。本塁打や打点にも大きく影響してますし、オースティンがいないだけで得点効率は悪化しています。

桑原の打撃成績低下

桑原の打撃成績低下も大きな影響が出ています。
2022年 421打席 96安打 135塁打 4本塁打 49得点 31打点 
2021年 571打席 161安打 246塁打 14本塁打 84得点 43打点

2022年の現時点では打席数が去年より少ないので比較しづらいですが、仮に同じ打席数分に掛けてみると以下の通りです。
2022年 571打席 130安打 183塁打 5本塁打 66得点 42打点(想定成績)

こう見ても、安打31減、塁打63減、本塁打9本減、得点18減、打点1減になっています。
打点の差が少ないので得点機の勝負強さはありますが、逆に言えば下位打線からのチャンスがたくさんあったわけで、桑原の打撃成績が良ければもっと得点を稼げる可能性があったと言えるでしょう。

他の打者の成績について

主力打者のOPSを2021年と比較すると、以下の通りです。

佐野:.842→.862
桑原:.843→.694
宮崎:.808→.830
牧秀:.890→.882
ソト:.738→.792
TA:1.006→.913
楠本:.691→.628
大和:.622→.589
柴田:.642→.555
伊藤:.582→.761
戸柱:.596→.680
嶺井:.493→.580

佐野・宮崎・牧・ソトといった主軸打者たちは2021年とほぼ同じか改善していますし、捕手陣の打撃成績が全員改善しているのは今季の良い点と言えます。
逆に悪化したのがオースティン・桑原・楠本と、遊撃手の大和・柴田の成績です。
オースティンがスタメンで出れなかった分の穴を埋めることができず、逆に全体的に成績が悪化したことで取り返しがつかなくなりました。
遊撃手も大和・柴田の成績が落ちていて、代わりに期待されていた森が今季開幕前に故障してしまい、治って1軍に上がってきてからもあまり成績が良くないので、遊撃手の成績は大幅ダウンしたと言えます。

来季に向けた対策

オースティン不在・桑原成績低下・遊撃手陣の成績低下
これらが今季の打線の低迷に繋がったのは明らかで、来季に向けてこれから改善する必要があります。

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