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DeNAの進化する高卒投手育成

近年、ベイスターズは高卒投手が伸び悩んでいる。

しかし、2軍を見ている限り、育成をおろそかにしているわけでは無いと考える。

2軍では高卒投手には1年目、2年目にそれぞれ目標やノルマが課せられていて、将来のローテ投手になるよう育成方針が立てられているのが分かるからだ。

具体的に言うと、高卒1年目のうちは早期に実戦の場へ立たせて、1イニング→3イニング→5イニングといった感じで徐々に投球イニング数を増やしていくようにしている。順調に行けばシーズンの前半で5イニングを投げ切ることができるようになり、後半からは2軍のローテ投手として試合を任されるようになる。

1年目の内は成績についてノルマなど無さそうで、防御率や内容よりも先発として5イニングを投げ切るスタミナや、中6日で投げるための持久力を鍛える年としている。

DeNA体制下では京山・阪口・浅田らが1年目から50イニング以上を投げて2軍ローテに定着した。他にも勝又・宮城・櫻井・中川虎らは40イニング以上を投げており、これは他球団の高卒1年目の投手と比較しても結構多い方だ。球団として意図的に投球回を課しているのが分かる。

こうして1年目を終えた後、2年目は2軍開幕からローテ投手として更に実戦経験を積ませていく。平均して6イニング以上投げさせて規定投球回到達を目安にしつつ、内容面でも改善することが求められる。

こうした過程を順調にクリアしてきたのが、砂田や飯塚や京山や阪口にあたる。彼らは2軍卒業という段階まで育成はできているのだ。

だがここから1軍に定着というのが現時点ではなかなかできていない。砂田がリリーフとして1軍で活躍するまでにはなったが、後に続く高卒投手がいない。

個人的に2軍卒業レベルまでの育成はできていると思っているので、この点が悪いとは思わないが、1軍で活躍するまで育てるにはこの育成方針に更なる改善が必要になりそうだ。

この改善のヒントになりそうなのが、飯塚や京山や阪口にあたるかもしれないと思っている。特に京山は去年以前までと以降で、球速へのこだわりが変わってきて、球速を伸ばしてきた。今までの高卒育成ではスタミナや持久力、そして試合を作れる投球術というのを磨いてきたものの、球威・球速についての取り組みが足りていなかったのかもしれない。

2軍と1軍では抑える球速も違ってくるし、2軍で抑えられていた球速が1軍では抑えきれなくなることもあるだろう。なので球速を上げるということで2軍→1軍昇格への壁を乗り越える可能性はあるはずだ。

去年あたりから2軍の若手投手の間でも球速アップを意識しだしているように見える。球団側もデータや解析から球速アップが重要と考えたのかもしれない。育成は球団主導で行っているので、今後若手投手たちから1軍で活躍する投手が出てくれば、その育成方針が他の若手投手にも広まって高卒投手を育てやすい環境に変わってくることが期待できそうだ。

春季キャンプでは高卒ルーキー達をリハビリ組にして、身体作りを重点的に取り組ませていたと記事に記載されていた。

憧れてきた存在からの教えを生かした。体作りを優先させるため、新入団の高卒3投手は1月に「リハビリ組」へ合流。同じ組にいる今永昇太投手(27)からサプリの摂取法など、栄養に関する知識を学んだ。「多少ボールを触る機会が減っても、知識を得た方がこの先、役に立つ」とうなずいた。

これは球団主導で行っていることで、高卒ルーキーにはまず体作りさせるということだろう。体作りによって球速・球威のアップという効果も得られるし、これから怪我しないでシーズン通して投げれるようにする目的もあるだろう。

こうした取り組みで良い効果が出ることを期待したいし、これによって高卒投手から1軍ローテ投手が誕生すれば、この球団主導の育成がようやく実を結ぶ形になる。

そうなることを期待して、今季も2軍の高卒投手たちの成長ぶりを見ていきたい。


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