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8月4日 ドンペリ爆誕

1696年の本日、8月4日は修道士ドン・ペリニヨンによって、発泡ワイン、シャンパンの製法が確立されたと伝えられる日。

一般には、フランスのシャンパーニュ=アルデンヌ地域圏で生産されたブドウのみを使い、瓶内二次発酵を行った上で封緘後15か月以上の熟成を経た、いわゆるシャンパン製法のスパークリングワインを指す。元となるワインは様々なレシピによりブレンドされる点や、二次発酵のために発泡のもととなるシロップを添加(ティラージュ)、また仕上げにリキュールとシロップの添加(ドザージュ)する点も特徴である。ほぼ同様の工程を経たスパークリングワインに、スペインの「カヴァ」、イタリアの「スプマンテ」(一般名詞)、ドイツの「ゼクト」(一般名詞)、フランス国内でもアルザス地域圏の「クレマン・ダルザス」、ペイ・ド・ラ・ロワール地域圏の「クレマン・ド・ロワール」、ブルゴーニュ地域圏の「クレマン・ド・ブルゴーニュ」等があるが、シャンパンはその選定基準の厳しさと熟成期間の長さにおいて突出している。またフランス国内の酒屋(それぞれのクレマンの産地地元は除いて)やスーパーマーケットでも、シャンパンは他地域のスパークリングワインと比較してずっと高額である。

現在シャンパンと言う場合、1919年にAOC(アペラシオン・ドリジーヌ・コントロレ。原産地呼称統制法)によって定められた定義「シャンパーニュに使用できるブドウ品種は、ピノ系品種とアルバンヌ、プティ・メリエのみである」[2]、また2010年11月22日の政令による定義[3]に基づき、シャンパーニュ地方でつくられた7つのピノ系ブドウ品種、ピノ・ノワール(Pinot Noir)、ピノ・ムニエ(Pinot Meunier)、ピノ・グリ(Pinot gris)、アンフュメ、アルバンヌ(Arbanne)、プティ・メリエ(Petit Meslier)、ピノ・ブラン[4]とシャルドネ(Chardonnay)を材料として醸造されたスパークリングワインのことである。1919年の定義にシャルドネが指定品種の中に含まれていなかったのは、ブドウ品種の分類に関する研究があまり進んでおらず、シャルドネはピノ系のブドウに含まれていたためである。

AOCが制定された当時、シャンパーニュ地方以外の地域でもシャンパンという名称でスパークリングワインが生産されており、スパークリングワインの一般名称であった。現在でもカリフォルニア・シャンパンという呼称でカリフォルニア産のスパークリングワインがつくられているのは、200年以上生産されてきた歴史に基づいている。しかし近年では、フランスのAOC法が尊重され、AOCの規格に則って製造されたシャンパーニュ地方製のスパークリングワインだけが、シャンパンと名乗ることを認められ、その他のフランス製スパークリングワインはヴァンムスー(Vin Mousseux)と呼ぶ。なお日本ではこれに似せて作られた清涼飲料水を「ソフトシャンパン」と名付けて販売していたことがあるが、フランス政府からの抗議があり、シャンメリーという名称に変更された。またスイスのシャンパーニュでは、フランスのシャンパーニュより早くから伝統的にワインをつくっていたが、1974年に世界貿易機構により、この土地で生産されたワインやビスケットなどについて「シャンパーニュ」というラベルを使用することをやめるよう命令された。

フランスのシャンパーニュ委員会では正式名称「シャンパーニュ」を使って欲しい、と呼びかけている。ただし、「シャンパン」が既に日本語として定着していることや、フランス語の音韻に近いことから、従来通り「シャンパン」と呼称する方が多い。

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