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シブストシブスト

久しぶりに、新宿のマリアージュフレールに行った。

マリアージュフレールは、フランスの紅茶専門店で、常時500種類の紅茶、緑茶、ウーロン茶が飲める。ケーキや料理も充実している。

紅茶といえばイギリスなのだが、マリアージュフレールの妥協を許さないブレンドやフレーバー、コロニアル調で統一された店内の調度、綿・麻のスーツでサーブしてくれるギャルソンが、フランス流紅茶藝術を感じさせてくれる。

紅茶は大きめのポットでサーブされ、たっぷり4杯分はある。
あらかじめお茶っ葉はすでにひきあげてあるから、時間が経って渋くなることもない。また、ポットには金属製のカバーがされて、お茶が冷めてしまうこともない。

ケーキは大きなカットで、お茶が使われている。是非食べて欲しいのが、シブスト。


フランボワーズの下地を乗せたサクサクのタルト台に、しっかりとした濃厚なカスタードクリームが乗り、さらにてっぺんはカラメリゼされパリパリの焦げ目がついている。
甘い幸せがここに凝縮されている。

よく、甘さ控えめ、なんて表現を見るが、ケーキは甘くていいのだ。
甘さ控えめなものが食べたいなら、ケーキなんて食べなくていい。

シブストに銀のナイフを入れ、口に運ぶと、キャラメルのほろ苦く甘い味が最初に広がる。
そのあと、カスタードクリームの濃厚な香りと味が広がり、クリームのくしゅくしゅした舌触りがさらに幸せにする。タルト生地はサクサクで、フランボワーズの酸味が、これまでの甘さを引き締めて、次の一口を待ち遠しくさせる。
そこに紅茶を流し込んだら、これ以上ない時間の完成。

様式美とさえ言えるほどのシブストはここにある。


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