[2024-04] 人事評価やピープルマネジメントがないUbieでエンジニアの仕事は実際どうなのか
このページの概要
Ubieに転職して2年4ヶ月が経った。たまにはpublicに何か書いた方がよいよねということで、タイトルの件について書くのがこのページ
知り合いやコミュニティ、あるいはカジュアル面談でよく聞かれるtopicになる
最近読んだ「エンジニアリングマネージャのしごと」(以下、EM本)と関連する部分が多いのでところどころで引用する
ちなみに自分はこの辺の制度設計にはほぼ関わってはいない(アンケートに答えたぐらい)
Ubieについて
会社紹介 → Ubie株式会社_会社紹介資料
症状検索エンジン「ユビー」を運営する医療系スタートアップです
お前誰よ
サーバサイド寄りのエンジニアです
最近は、症状検索エンジン「ユビー」の、個人の健康データを用いたパーソナライズの仕組みや、ユーザへの通知の開発や運用をしています
過去のUbie関連の記事
背景 / なぜUbieには人事評価やピープルマネジメントがないのか
前提として、人事評価やピープルマネジメントがないのはUbieのProduct Platformと呼ばれる組織になる。いわゆるプロダクト開発組織。エンジニアはここに所属している
人事評価やピープルマネジメントがない理由はこの記事 人事評価は不毛?〜評価なしで100名の壁を超えたUbieの事例〜 に書かれている。以下個人的まとめ
正当な評価はコストが高すぎるし、会社全体の目標に向かうために、Ubieでは評価(人事評価、個人評価)はしない
報酬の上昇は、全社の事業成長に連動した業績連動昇給制度(ストックオプションや昇給)によって実現する
高い採用基準やOKRでの目標設定、相互フィードバックの実施によりデメリットを回避する
人事評価がないので、人事評価を重要なタスクとして持つピープルマネージャもいない
一方、社員の投票に基づく表彰制度はある
実際どうであったか ・ どう感じたか
まず上記の話は事実であった。ピープルマネージャはいないし、入社以来人事評価は受けていない
なくてよかったと思っていること
人事評価
これまでの所属において、評価結果には概ね満足していたが、評価プロセスには精度やコストの面で意義を見出しにくく、不毛感があった。実際にそれがなくても回っている
スタートアップはやらないことを決めてfocusするのが大事という話があるが、それがまさにこれではと思う
評価のすり合わせに(一般的に)賃金の高いマネージャが時間を消費することが避けられる
近くの同僚からのpeer reviewはとても良いものだと思うが、それが人事評価にも利用される場合は利益相反を起こす。人事評価と切り離されることで、EM本に書かれる徹底的な本音によるフィードバックができる
構造的に情報が公開されやすい。必要な情報が非公開のピープルマネジメントchannelで止まるようなことが起きにくい。EM本では情報を必要なときに出すという話があるが、これは難易度が高いと思う
よい人を定着させることはピープルマネージャの重要な役割だが、人事評価システムによるアプローチより、人事評価を諦める方がそれに近づけるのでは感
準備不足の1on1
状況の報告、方針の追認、actionがない、など
EM本でもアンチパターンと書いてあり、その通りで過去についてちょっと反省する面はある…
ピープルマネージャを置かずに解決していること
EM本のEMの役割をどのような手段で達成しているか
情報収集: 全体会、tech mtg、全体的に情報がopenなslack
意思決定: 権限を移譲されたチームで決定(ホラクラシー*1)
ナッジング(決定に影響を与えること): チームのメンバー間で相互に実施
ロールモデル: 人によって違うと思うけど自分の場合は、全体会でよく話している人や、表彰対象者、重要な機能の開発者
コーチング・メンタリング: 上司会*2、ホラクラシーのタクティカルミーティング、スクラムの振り返り会
1on1: 上司会、ホラクラシーのタクティカルミーティング
補足
*1: Ubieではホラクラシーという組織運営のフレームワークを用いて、チームに権限を移譲している https://note.com/ubie_discovery/n/nd86e2a5655c0
*2: Ubieでは「変化進化会」という3人ぐらいでのmtgでpeer reviewを行っている(当然人事評価ではない / link先の「今日だけ上司会」は昔の名前) https://note.com/notty0123/n/n1d091f4fd0ba
上記の通り、人事評価以外のピープルマネージャの役割は、職種・人としてではなく、分割することで果たしている
結果としてマネージャとそれ以外(IC / Individual Contributor)を行ったり来たりしやすいので良いのではと思う
全体的な感想としては、過去のキャリアで感じた課題が解消されていて、こうあって欲しいなと思うことが実現されているため、短期的・中長期的どちらで見ても好印象
課題はないのか
現状には満足しつつも、より良くする余地はあるように思う。また失敗するときは東側ぽくなるだろうとも思う
結局良くないピープルマネジメントだったら無い方がマシという話をしている気もする。過去関わりのあったピープルマネージャのいくつかのやり方が良いと思うことは確かにあった。その再現性や頻度を高める方向もあるのかもしれない。人事評価制度の運用がなければEMの力もより引き出せるのかも?
キャリアの相談をしたいという欲はある。プロダクト・プロジェクト・テックどれとも距離があるピープルマネージャからのコーチングならば、社外の人でもいいのかもしれない(1兆ドルコーチのような)
事業の状況やメンバーの育成などの観点で、長期的にこの制度が維持可能なのかという重要な課題もある
今回この記事を書くにあたりこの制度の設計に関わった人たちに課題や今後についての話を聞いた。今後また情報や記事が出るはず
終わりに ・ 興味ないですか? |ω・)チラ
ここではUbieに人事評価やピープルマネジメントがないことについて書いたけど、そういう制度があることは大きな価値な一方で、真の価値ではないと思っていて、本当の価値はこういう制度を考えて実際に運用しちゃうメンバーが今もいる会社というところだと思っている
こういう環境で働きたい人、あるいはもっとよい環境を作り上げられる人、ぜひUbieに来てね⭐ 募集や資料はこちら→ https://recruit.ubie.life/
pittaというサービスを利用してわたしと話すこともできます→ https://pitta.me/matches/KCgRADIHChwC
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