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日本に住んでいるおまえはいますぐ国立国会図書館デジタルコレクションの本登録をする

太陽系第三惑星地球……この緑のホシ、何の因果か日本という島国で生まれ育ったりして住んでいるひとはいますぐ国立国会図書館デジタルコレクションのウェブサイトに行って登録利用者(本登録)をする。名前とか住所とかを入れてから、身分証明書をスキャンとかでアップロードすることで本登録が可能だ。完全無料だ。登録するとまず仮登録され、身分証明書が受理されると数日で本登録が完了する……らしい……「らしい」というのはわたしが日本にいない……MEXICOの荒野のような生活をしているからだ……

国立国会図書館デジタルコレクションに収蔵・利用可能な書籍は三カテゴリーに分かれている。

  1. ログインなしで利用可能

  2. 送信サービスで利用可能

  3. 国立国会図書館内限定


登録をしなくてもお前は「ログインなしで利用可能」な書籍を閲覧可能で、この中には戦前や戦後の絶版の書籍で無料公開されているものがある。これだけでも大変なことだ。

しかし本登録をしたお前はその次に腰を抜かす。電子化された絶版書籍のうち「送信サービスで利用可能」なものまで利用可能になる。これは利用可能な書籍が一気に広がる。まるでMEXICO……スゴイということだ。

どういう本があるか? わたしは驚いた。BOOKOFFのようないわゆる新古書店ではない古書店を巡った経験のあるひとなら誰でも店頭のワゴンで、あるいは図書館で哲学・思想について掘ったひとなら漏れなくシリーズの棚で、臙脂色(濃い赤)の表紙の箱に入った、中央公論社「世界の名著」シリーズの存在に気が付かないはずがない。

中央公論社世界の名著シリーズはこの送信サービスで利用可能になっている。これはものすごいことだ。

というのは、プラトンやアリストテレスからベルクソンなどに至るまで、数十巻にわたって世界の哲学・思想の古典の翻訳と解説が無料で直ちに利用可能である。これは興味を持ったら即座に触れるということだ。そしてそのハードルがゼロだ。しかも、これが一番重要かもしれないが全文検索されるのだ。

上で書いた、古書店を巡ってワゴンを眺める青春を過ごした経験を持つのは他でもない私で、興味があったら買っていた。殆どは積読だった。それがいまではもはやあの重くて分厚い箱を持ち歩く必要がない。オンラインだ。

当然学問は日進月歩だから、50年前に刊行されたこの世界の名著シリーズの研究水準は今とは比べ物にならない。しかしそれでも古典は古典だ。まず古いバージョンの理解を試みたあとに、最新のバージョンにアップデートするということも可能かもしれない。

「世界の名著」シリーズの他にも、様々な本があるから掘りつくすことはできないだろう。国立国会図書館デジタルコレクションはおまえの本登録を待っている。おまえの挑戦を待っている。

この特権は日本居住者に限られる。日本に住所を持たない人間は登録できない……ドゥーム……だから日本居住者はその特権を享受することができる。

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