page7
パソコン画面から顔を上げると、壁にかかったデジタル時計の【PM5:43】という表示が、わたしをすこししあわせな気持ちにさせた。時計の並んだ数字がもし降順だったら、あなたの人生に薔薇色な影響をあたえるでしょう、といった朝の占いがあったわけでもないのだが、それでも部屋にちいさな花を添えられたような、そんな気分になる(ちなみにきょうの獅子座は2位、ラッキーカラーはシルバー)。
結局この前はノートの中身を確認することはなくお店を後にした。そのとき誕生したタッグ王者は、すぐあとの防衛戦でボコボコに敗れたらしいことを、後日になってロシア料理屋のオヤジが嘲笑いながら教えてくれた。アンチだったのか?
それからきょうまで、仕事が忙しかったこともあり、あの店には行っていない。特別な理由がないときは「仕事が忙しい」を言い訳にするのはわたしの悪いクセだ。自覚している。
ただ今回はその悪いクセが発動したとは一概に言えない。
元号が変わったのだ。それにともなう膨大な量の(本来であれば不必要な)業務をこなさなければならなかったため、その正当性はすこしは主張できるはずだ。たぶん。
改元して数ヶ月、仕事も落ち着いてきた。きょうはいつもよりちょっぴり早く退社ができる。
以前登録した、メッセージアプリの店舗アカウントを確認してみる。「おでんをはじめてみたよ😘」と大将のお茶目な宣伝メッセージが、ちょうど今朝送られてきていた(通知はいつもOFFにしている)。時期が早いなとおもった一方、口はもうおでんになっていた。
下町のとある商店街に「はまはまイート」はある。毎日の通勤はこの商店街を横切っている。出社するにも帰宅するにも、ここを通り抜けなければ目的地には着かない。
商店街の至るところに、今朝は見かけなかったのぼり旗が、いくつも掲げられていた。対象店舗でいくらか以上の買い物をすると「くじ」が引けるイベントをやっているらしい。先ほどから鐘の音が何度も聞こえていたが、大当たりがでる度に鳴らしているのだろう。何が当たるのかと、詳細が書かれたポスターを見る。
一等は、今話題のあの家庭用ゲーム機だ(欲しい)。二等、食事券5000円分。三等は商店街にある雀荘「K」の回数券6枚綴り(これだけやけに癒着のニオイがする…)、四等はペロペロキャンディー、実質のハズレだ。どうやら一等以外あまり目ぼしいものはない。
そのとき向こうの方でまた大きな鐘の音が鳴った。そちらへ振り向くとちょうど金色の玉を拾い上げる人物が見えた。一等だ。
よく見ると、その人物はこの商店街の、
---------この続きをみるには---------
(この続き:543文字)
_人人人人人人人人人人_
>このノートを購入する<
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄
わたしをサポートするなんてアンタおかしいよッッ!ありがとう!