ボルチモアの貨物船衝突事故で崩壊した橋は不自然に見える点がある


不幸な事故で犠牲になられた方々にお悔やみを申し上げる。

さて、今回の事故で最も不可解な点は、衝突直前に「当該貨物船が何故転舵したか?」ということだ。

大型船がトラブルに巻き込まれたとて、目視で操船が出来なかったわけではないはずが、何故か橋脚に向かって一直線に進路を変更していた。恐らく通常では考えられない操船だろう。



直進すると最大スパンの橋の下を通過できるはずで、橋脚間のギリギリを通過する航路設定にする理由がないだろう(それとも、深さの関係でギリギリ通過なの?)。

また、電源が落ちたのが故障の一部であるとされているが、海上レーダーがダメとかモニター類の画面が消えた(普通は非常用予備電源が作動するのでは?)とか、突発的な理由があるとして、随分手前から直進の進路設定をしていたなら、右に舵を切る理由がないとしか思えないが?


映像で見ると、意図的に橋脚に直撃するコースに転舵しており、船の操作関連の機器類の電源が落ちて仮に画面が真っ暗だとして、目視で進路を確認できるはずだろう。

たとえ電源が落ちて船内が真っ暗闇になったとしても、窓の外は明かりが見えてるわけで、特に橋のライトが煌々とついてるのだから橋の中央部に目立つ上下2段のライトを目印に進めば「通過できるコース」かどうかは目視でも判断がつきそうなものだが?


しかし、船内ライト点滅後に、明らかに「橋脚に向かう進路に変更」しており、10万トンクラスの操船としては不自然すぎるのでは?

視界が急に悪くなった際、自動車を運転中に急ハンドルを切る馬鹿はいないでしょう?
たとえ船の電気系統にトラブルが発生したとて、そこで「急に進路を変更すべき理由」なぞ、普通は存在してないのでは?

10万トンクラスの船で橋脚間を通過する場合、手前数百メートルから進路(舵)は一定に保たれてたりするのでは?

それを変更したのだとすると、極めて特殊な理由が存在しないと、普通は起こり得ないでしょう?


また、崩壊した橋は、”Francis Scott Key Bridge”という橋だそうで、1980年にも貨物船の衝突事故が起こったことがあるが、その時には橋脚部の堅牢性が優り橋本体はほぼ無傷で済んだらしい。



総トン数の大きい船との衝突とは異なるかもしれず、当時とは比べられないが、今回の事故は被害が極端に大きくなったようにしか見えないのだ。


こうした連続トラス橋の崩壊事故は、日本でも似た事故が発生したでしょう?

岐阜県の水管橋が崩壊した事故だ。









最長スパンの部分が一気に崩落した事故だが、連結部の張力が抜けたような状態となってアーチが破断した可能性を考えたのが当方の見方だった。

それは上から吊ってる部材の腐食とかが主因ではなく、ワイヤーを連結する「ボルト部分の抜け」という意味である。


今回のスコット・キー・ブリッジでも最長スパンの部分が崩落したわけだが、橋脚が破壊されたせいもあるが、アーチの水平方向の張力が抜けると一気に全体が崩落するかもしれない、とは思った。


そのような知見や実現済の経験があると、今回のボルチモア港のフランシス・スコット・キー橋の崩落も「予測は可能」だったのではないかな、とは思う。


当該貨物船は、たとえ電源が完全に落ちて操船不可能となったとしても、舵さえ切らなければ重大な衝突事故が避けられた可能性が高いとしか見えず、何故面舵を切ったのか(=電力喪失後でも、舵は動いていたことを意味する)が不可解なのである。
せめて直進を維持しておれば、橋脚の破壊を免れたであろう。


これがもし、事故を意図していた場合ならば、辻褄は合ってしまうわけである。

誰が、何の為に?
その動機にこそ、今回の事故の理由が隠されているだろう、という話だ。





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