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風とカメラとぷかぷかと。−第1回−

風とカメラとぷかぷかと。
─NPO法人ぷかぷかで生きる人たちとの交流記─

─第1回─

2019/08/21① 「出会い」

今日も暑い。
古い団地の中の古い商店街。
壁の白さが印象的な団地だ。
夏の日差しが眩しい。
小花が植えられたプランターはあるが、
枯れた紫陽花のほうが正直言って目立っている。

横浜市内。
最寄り駅から歩くには遠く、大抵の人は路面バスに乗る。
車道から一段高いところにある小さな商店街。
ひと昔前はもっと賑わっていたであろうメインストリートもなんだか寂しい。
もっとも、平日の真昼間とあってはそれも仕方ないのかもしれないけれど。

そんなロードノイズも届かない場所に「ぷかぷか」はあった。

僕が初めてぷかぷかを訪れたのはポートレート撮影のためだ。
最近僕は、アートイベントに展示するためにその地域の人たちの写真を撮っている。
モデルを探していた僕はぷかぷかのスタッフである知人にここを紹介され、
軽い気持ちで訪ねたというわけだ。

日陰のない歩道橋脇の階段をのぼる。
車道からは見えなかった景色が広がる。
目の前に大きな木。
あれか?
白い商店街の中で、他の場所よりもカラフルな空間がある。
あれがぷかぷかだろう。
緊張してきた。
こんにちは。
自然木で飾られたドアに手をかける。
「いらっしゃませー!」
扉を開けるや否や声がかかる。
あまりのレスポンスのよさに驚く。
・・・店員さん、多すぎない?
とりあえず近くにいる店員さんに知人を呼び出してもらおう。
おっと、いきなり障がいのある人?
僕の言ってる意味がわかるかな?
ああ、わかったみたい。
でも声がでかい。そんなに?ってくらい。

・・・でもなんだろう、この感じ。
なんというか、柔らかい。
そう、店内の空気がどことなく優しくて柔らかいのだ。あとで振り返ってみると僕が頼んだ「知人を呼び出す」ということをとても一生懸命やった結果、あんなに大きな声になったのかな?
どうだろ?考えすぎ?

これが僕と「ぷかぷか」、
そして障がい者の人たちとの出会いだった。 
 
続く。

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