一つの作品を作る前の儀式について

作品制作に取り掛かる時の流れは毎回決まっている。
もうそれは「儀式」のようなものだと思っている。
なんだろこの儀式はと思いつつこなしているのでメモ書きの様に残しておこう。

住居の簡単な掃除。
一つの作品が終わる、終わりに近づき次の作品を視野に入れ始めると掃除をしたくなる。
制作中、掃除が疎かになっているからその始末なのかもしれないけど。

メンタルとしてはどろりとしたものを欲するようになる。
「どろり」というのは人のエゴだとかのネガティブなものたち。
私はそれを舞台や本から摂取する。

お気に入りはシェイクスピアの「リチャード三世」
古田新太版、アレンジが効いてる佐々木蔵之介版がお気に入り。
「マクベス」も良い。
シェイクスピアの台詞回しと物語は陶酔するのに持ってこいだ。
井上ひさしの「天保十二年のシェイクスピア」はシェイクスピア作品オマージュで、基本は「リチャード三世」ベース。
劇団★新感線の「朧の森」(ベースは「マクベス」「リチャード三世」)「蛮幽鬼」(ベースは「モンテ・クリスト伯」)。
大体ここら編の舞台Discを再生(実際には作業BGMとして聴いてる状態)
要するに最後に破滅していくピカレスクが好きなのだと思われる。
「最後に破滅していく」については思うことがあるのでまた別の機会に詳しく書く。

本は坂口安吾の「夜長姫と耳男」
こんなにまで絶望を伴う美しい物語はないと思っている。
短編なので繰り返し読むのに向いてるのも有難い。

音楽はベートーヴェンがお気に入り。
「どろり」では無いけれど、私のリズムを整えてくれる音叉の様な存在。
ピアノ曲も交響曲もどれでも好きだけれど、何かを見失いそうになった時は「交響曲第7番第2楽章」で立て直している。

作品細部を考える時は坂本龍一の「Hibari」「Hwit」のどちらかを延々とリピート再生。

これらを摂取して、それから作品に取り掛かる。

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