『それらしい』漢字

『それらしい』漢字を書く癖がある。
一画多過ぎたりあるべき点がない漢字を書く。
デジタル化が進んでいる中、書けなくても読むことが出来れば生きていけるという甘さが滲み出ている。

小中学校の漢字テストはほぼ満点だったのに社会に出てからはこの有り様。
なぜ漢字が書けなくなってしまったんだろう。
最近、親譲りなのではないかと薄々思っている。

中学の頃、母と漢字の話をしていた。
母が『大人になって初めて気付くんだよね、変な覚え方をしている漢字って』
母曰く『幼』という漢字の下には四つの点があると思っていたらしい。『然』の下部分が『幼』にくっついている漢字を目の前で書いてくれた。
さすがに気持ち悪い漢字だな、と心の中で思った。

小学2年生の頃クラスで自分の名前を漢字で書くことがブームになった。私の本名は小学生では習わない漢字。朝5時に起きてノートに自分の名前を何度も練習していた。たまたま近くで見ていた父が『え、名前の漢字ってここに一本線が入るんだ。知らなかった』と言われた。
確か出生届を出したのは父のはず。
間違えた漢字で名前を登録されていたらどうしようと不安になった。
それから数年後、成人式の案内が届いて初めて役所に登録された自分の名前を見て安心した。
でも今は父が出生届の漢字を正確に書いていたのか確かめてみたい気もする。

年々、漢字が書けなくなっているのはきっと親譲りのせいと思いつつ漢字検定もう一度受けてみようかなと思う日々である。

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