疑義照会

こんばんは、ほるみんです。

今回は薬剤師の重要なお仕事、「疑義照会」のお話です。

薬剤師の仕事の1つに「疑義照会」というものがあります。去年放送のドラマ「アンサング・シンデレラ」にも出ていた(と思います)ので、耳にしたことのある人も多いのではないでしょうか。

疑義照会とは薬剤師法第24条に定められている、簡単に言えば「受け取った処方箋に薬学的に疑問点や不明点があったら薬剤師は処方元の医師に確認を取りましょう。それまで薬出しちゃダメ」というものです。これを怠ると薬剤師法で罰せられます。

たまに「なんで薬が出るのが遅いんだ・・・」と思うことがあれば、だいたい病院に何かを確認していると思ってください。

例えば以下のようなケースがあります。

Rp1) 〇〇テープ 4袋

これだけだと疑義照会しないと湿布が出せません。しかもその理由が「テープの使用部位、1日の使用枚数が書いてないから」というもの。

患者さんからしたら、湿布の貼るところが書いてないだけで病院に確認しないといけないの!?って思う方も多いでしょう。私もそう思います。病院に確認せずに患者さんにどこに何枚貼るのか聞いてレセコン入力した方がはるかに効率的です。というかみんなそれでやってるのかな?

なにせ疑義照会は患者さんを待たせることが多いです。病院によっては「FAXで疑義内容を送信し、10分後に薬剤部に電話をかけること」という独自ルールを設けている所も。湿布4袋もらうのにそんな時間かかってたら患者さんも怒ります……。

病院側も、薬剤部でFAXを確認する → 医局に持っていって担当医師の手があいた時に確認してもらう → 薬剤部に解答が返ってくる → 薬局に解答をする、という流れなので、ある程度時間がかかるのは仕方ない部分もありますけどね(^_^;)

以下は私が経験したケースです

Rp1) ナパ 0.3g 発熱時 5回分

疑義内容(事後FAX):近隣の薬局に在庫を確認しましたが、ナパをご用意することが出来なかったため、当薬局在庫の同成分のピリナジン末にて調剤しましたことをご報告致します。

病院からの解答:何勝手に変更しているんですか。当病院の採用はナパです。ピリナジン末を回収して必ずナパを渡してください。

土曜日の16時に近くの大学病院から子供の高熱で処方箋を持ってきたお父さん。お父さんは早く薬を飲ませたくて焦っている様子でしたが、この病院はFAXで疑義照会をしたのち、30分くらいしないと薬剤部から電話での返答が来ない病院。さすがに子供がかわいそうだと思い、事後報告にした結果、喧嘩口調で上のような解答が返ってきました…。

Rp1) メチコバール錠 3錠 1日3回 毎食後 56日分

疑義内容:メチコバールには250μgと500μgがありますが、どちらでしょうか?

病院からの解答:メチコバールは500μgに決まってるでしょ!?うちの病院の採用は500μgだからそれで出してください(ガチャ)

病院によっては院内で薬の取り間違えがないように、同じ成分の薬は1種類しか置かない所が多いです。この時の口調からして、多分この薬剤師さんはメチコバール250μgの存在を知らなかったのだと思います。

Rp1)バルトレックス錠 500mg 2錠 1日2回 5日分
Rp2)アラセナーA軟膏 5g 1日2回 ヘルペスに塗布

疑義内容:多分これ返戻来ると思いますが大丈夫ですか?

病院からの解答:んー、まあその時はその時で。

最近同じ効果である飲み薬と塗り薬を併用処方すると、返戻事由B「医学的に保険適応上過剰、重複」で返ってくることがあります。同様のケースだとラミシール錠とクレナフィン外用液の併用とかが該当します。医療費削減のためでしょうが、そこまで厳密にしなくても…とは思いますね。

Rp1) アレロック顆粒 1g 1日2回 朝食後、就寝前 30日分

疑義内容:どうやらこの患者さん最近熱性けいれんを起こした事があるようなのですが…。

病院からの解答:そうなんだ!そうしたらザイザルシロップに変更で。

これはお薬手帳に救われたケースですね。
他院で直近にダイアップ坐剤が処方されていたので母親に確認したところ、こないだ引き付けを起こしたと。一部の抗ヒスタミン薬は熱性けいれんを起こす可能性を高めてしまうため、慢性蕁麻疹等で長期に抗ヒスタミン薬を服用する患児の親御さんはその旨我々にお伝えください。

Rp1) 5㎎セルシン錠 3錠 1日3回 毎食後 84日分
Rp2) ソラナックス錠0.4mg 1錠 1日1回 就寝前 28日分
Rp3) ソラナックス錠0.4mg 1錠 不安時 56回分

これは精神科あるある処方箋です。先生のやりたいことはよーく分かりますが、なるべくならやめてください……。

よろしければサポートいただけると嬉しいです。