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参加リポート『JBUG SUMMER 2022』

「夏だ、祭りだ❗」ということで、2022年7月28日(木)にプロジェクトマネジメントのカンファレンス『JBUG SUMMER 2022』が開催されました。今回は、すべて、Backlogの利用によって、仕事の効率が上がる、カイゼンが図られる内容がテーマになっています。スピーカーたちの熱い思いを報告します。

What's JBUG?

司会の『Backlogポリス』こと恩田さんから、JBUGについての紹介がありました。

・Japan Backlog User Group の略で、Backlogを通して、「プロジェクトマネジメントを身近なものにする。」、「皆でよりよい仕事の仕方を探そう。」をコンセプトに活動していること。
・2017年から、80回以上、カンファレンスなどのイベントを開催していること。
・connpassの登録者は、2,000人以上であること
などです。
そして、12月には『Backlog Advent Calendar』を開催しています。皆さん、奮って参加してください❗

セッション1:年90回以上のアップデートを実現する、Backlogを使ったスクラム開発

スピーカー:TOWN株式会社 岩崎 善光さん

概要:

年90回のアップデートリリースをBacklogを活用して、確実に行っている。

前提:


・BtoBのSaaS 'Aipo'(スケジュール管理ツール)を開発・運用している。
・1,700社、30,000ユーザーにサービスを提供している。
・2011年のSaaS開始からの10年は失敗の10年だった。

3つの失敗:


・SaaSでもウォーターフォールで開発していたが、1年かけてもリリースするものがない。いつ完成するか分からない。今更、止めることができない。
    →スクラムに切り替える
・作った機能が使われない
    顧客が必要な機能が分からず、塩漬けになった機能がでる。
    →ニーズカウンターによって、ユーザーが求めている機能を把握する
・リリースのインパクトが大きすぎる。→例:幅50pxのサイドバーを追加しただけでも反響大
    →ユーザ毎リリースなどを行い、工夫する

ここで、backlogが活躍します。


4,000件近くの要望(メール、ヒアリング結果など)をBacklogのエピックプロジェクトに登録します。
・Backlogからデータをインポートし、ニーズカウンターで集計します。
・プロダクトマネージャーがニーズカウンターから開発順を決定し、Backlogの「プロダクトバックログ」プロジェクトに登録します。
・「プロダクトバックログ」プロジェクトから、「スプリントバックログ」プロジェクトに情報を登録し、開発を行います。
・ニーズの書き方、ストーリーポイントをbacklogに登録する際にもテンプレートを用意し、書式を統一します。
・ストーリーポイントは時間ベースにします。
このように、随所でBacklogを活用し、工夫を行っています。
・また、年間90回と小さくリリースしています。
・細かくリリースすることには、次のメリットがあります。
    1. 小さく素早く検証できる
    2. 撤退の判断が早くできる
    3. 影響を最小限にできる
・小さく細かくリリースするので、リリース時のお祭り感はないそうです。
・感想
ユーザーへの影響を最小限にするために、リリースに様々な工夫を凝らしていると感じました。随所でBacklogが活躍するシーンが見受けられました。

セッション2:Backlog×RPAでいろいろ捗った話

スピーカー:株式会社ミツエーリンクス 山下 徹治さん

概要:

Backlog APIとRPA(Robotic Process Automation)を連携させることで、様々な作業が効率化された事例を発表されました。

事例1:Webサイト運用編①

・Backlogに限らず、プロジェクト管理ツールでは、期限切れの課題に溢れてしまうことが、ままあります。
・でも、指摘するのは、いささか気が引けてしまいます。
・そこで、RPAの登場です。
・毎日18時になるとRPAがBacklog APIを叩いて、該当プロジェクトの完了以外のステータスを一括取得
・一つ一つの期限日をチェック
・未設定の場合や期限日を過ぎたものがあった場合は担当者にメールやチャットで通知
・こんなメリットがあります。
    ①ロボットだと指摘されても誰かに迷惑をかけている後ろめたさがないし、ネガティブな感情はわかない。
    ②我慢してリマインドしていたけれど、ロボットが肩代わりしてくれて助かる。案件に専念する時間が増えた。

事例2:Webサイト運用編②

・月締め時の各顧客のWebサイトの運用費用の計算は、ディレクターにとって、悩みの種でした。
・デザイナーへの確認などがあるため、大規模なWebサイトの運用を担当しているディレクターは、締め日になると明細作成に半日から1日を使っていました。
・そこで、RPAの登場です。
    ①課題が完了になるとメールがBacklogから送られ、ロボットは課題の実績時間を取得します。
    ②毎週末に完了した課題の情報をExcelに転記します。
    ③ディレクターが出社する前にロボットが明細のデータを作成し終わっていて、ディレクターは最終確認するだけです。
・かなり、省力化が図れています。

事例3:Webサイト運用編③

・Backlogへの課題登録問題
・顧客がBacklogを運用していない、顧客のセキュリティポリシーによりBacklogが使えないというケースがあります。
・これまでは、ディレクターが手作業でBacklogに転記をしていました。
・そこで、RPAを活用します。
    ①プロジェクト開始から9ヶ月後にRPAを導入した場合、2年間で課題数はプロジェクト開始時の67%増に。
    ②ディレクターが本来業務に専念できるようになる。
    ③アウトプットの質と量がアップし、顧客から高評価
    ④任せてもらえる領域が増え、売上アップ

事例4:Backlog管理編①

・守秘義務契約により、プロジェクトメンバー以外がプロジェクトの情報にアクセスできないよう顧客より要請がある。
・これまでは、人が月に40~50時間かけて、Backlogをポチポチと設定。
・そこで、SharePointの申請を受け、ロボットが自動処理する。
・例外処理のみ人間が対応。

事例5:Backlog管理編②

・Backlogのエンタープライズプランを利用していた企業がプラチナプランに移行することになる。
・1,400のプロジェクトがあり、60営業日費やしても、1日当たり23.3ずつ移行しなければならなくなる。
・そこで、RPAの登場です。
・ヌーラボ社製の移行ツールをRPAで動かす。
・移行ツールの対象外のファイル共有やバージョン管理については、RPAを活用
・見積工数:4.5ヶ月のところ、5.25ヶ月で移行完了

まとめ

・機械的な作業は、ロボットに委ね、人間は創造的な作業に専念する体制は大いに参考になりました。

LT1:BacklogやCacooでみんなが笑顔に!ADX Consultingの奮闘記

スピーカー:株式会社ADX Consulting 金本 孝泰さん
・リモートワークを前提とした働き方のためにクラウドサービスを活用❗❗
・プロジェクト管理の課題管理をフルリモートで行うためにBacklogを活用
フルリモートコンサルタントの使うホワイトボードとしてCacooを活用
・SalesForceで上げられたエスカレーションを連携したBacklogで管理する
・対応の迅速化を実現
・バックオフィスからの問い合わせをTeamsからBacklogに切り替え、全社展開
・種別と課題テンプレートに工夫を凝らし、課題登録者を徹底的にサポート❗❗
・Wikiでマニュアルを作成し、初めての人でも戸惑わない運用を実現
・このような施策により、生産性の向上、より創造的な仕事を可能とする環境を実現しました。

LT2:Backlogから始めるe-世界生活

スピーカー:株式会社DELTA 藤岡 博文さん
・これは、藤岡さんの前職でのお話です。
・当初、業務日報は紙で書いていました。
・Backlogユーザーであった藤岡さんは、日報をBacklog化したくて、ウズウズしたそうです。
・Backlogなら
    →検索ができる❗
    →後で見たときに役に立つ情報を残そうと思う❗
    →e-化すれば日報も利活用データに化ける❗
・そこで、藤岡さんは次のような工夫をしたそうです。
    ①自分が関わる事業・タスクはすべて起票する
    ②関連課題の番号、関連情報のUrlを貼る
    ③他サービス(チャットなど)で投稿されたコメントを引用する
    ④期限日は必ず設定する
    ⑤打合せ予定すら起票する
    ⑥自分の行動ログを残すイメージ(何でも残す)
    ⑦関連リンク、関連課題、引用コメント、キャプチャを貼る
・この手法により
    →明日の自分が見ても分かる日報
    →他人が見ても分かる日報
    を実現しました。
・さらに、上司が効果を実感し、同じことをやってくれました。
・それがきっかけで、全社に広まり、紙日報の提出が不要になりました。
・利活用データとなることで、更なる生産性の向上につながりました。
・最後に感想
       →自分のノウハウやスキルにより会社全体を動かしたことは素晴らしいと思います。

LT3:Backlogをサポート窓口にしたら、サポート対応の生産性が上がった話

スピーカー:株式会社カサレアル 伊藤 雅人さん
・お客様からの問い合わせを受ける窓口をメール(とExcel)からBacklogの課題登録に変更したところ、サポート対応の生産性が向上したとのことです。
・ここでいう生産性は、
    →問い合わせ管理の効率化
    →問い合わせ返信の速度向上
    →心理的負荷の低下です。
・サポート窓口を立ち上げた場合、Backlogの方がカスタマイズ不要なので、工数が少なかったです。
・受付からクローズまでのプロセスも管理が容易で、回答のみに注力できるのがメリットです。
・Backlogのアカウント登録が必要なため、キーパーソンが絞られる。そのため、話を進めやすくなる。
・感想
    →ユーザーサポートも1つのプロジェクトであると実感しました。担当者の心理的負荷の低下を実現したのは大きい思います。

最後に

・以上が、『JBUG Summer 2022』のアウトラインです。どのテーマもBacklogを活用し、『よりよい仕事の仕方』を見つけていると感じました。
・皆さんも『よりよい仕事の仕方』を見つけていきましょう。

厳しい暑さが、続いています。皆さま、ご自愛ください。












川越在住。映画と音楽、お酒とラーメン好きのソフトウェアエンジニアです。 ビールは、ハートランド(KIRIN)。 🍜は、いろいろ。 好きな音楽は、クラシックギターとピアノ。好きなバンドは、ミスチル。好きなマンガは、「3月のライオン」。