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ぜんぶナイショの話だけど

2023.8.27

急遽浴衣の予定が爆誕した。
すきなひとと同じタイミングで浴衣を着たかった、それだけなんだけど。

8月半ばから大急ぎで準備をはじめた。
どうせならいちばんかわいいわたしがよかったから。
自分が着たいと思った色、柄、小物。
シーインとメルカリと楽天、隅から隅まで全部見た。(ちなみに田舎にはお気楽に行けるような呉服屋さん、その手のリサイクル屋さんなどはない)
白は200色あんねんって言うけどさ、その通りだよね、実物見て合わせないとぴったりなんていかないよ。
でもそれなりに納得いくものが集まって、派手すぎるかな、気合い入りすぎて浮いちゃうかな、なんて。思ったりして。

当時、朝から仕事して、昼過ぎに駅弁買ってグリーン車に乗って出かけた。
浴衣の着付けは爆速、ヘアメも爆速。
1時間くらい余裕をみてくださいって書いてあったのに20分で終わった。
あまりに早すぎてほんとに?まだ来たばっかりだけど?って思いながら店を出た。
ほんとに一瞬で可愛くしてくれた。
タオルの補正もなし。
わたしもああやって上手に手早く着られるようになりたいものだ。

その足でキタムラのセルフフォトスタジオ
picmiiへ。
着付け爆速で終わったおかげで時間前倒しで撮らせていただいた。ありがたい。
15分間、小道具持ったりイス動かしたりジャンプしてみたり、大汗かきながら撮影。
隣のブースはグループで撮っているのか賑やかだった。友達と行くのもいいな。
部屋を出ると同時にQRコードの印刷された紙を頂いて、データの確認。受付のお姉さんにお褒めの言葉をいただいてうれしい。Wi-Fi接続してアプリダウンロード、データも一括ダウンロード。
また来よう、って思いながら店を後にした。

実は裏テーマが<かわいい遺影>だった。
まあいつしぬかわかんないし。
卒業アルバムの写真出されるより5億倍いいでしょ。
それにしても我ながら最高にかわいい遺影だと思う、今後のために高画質データでプリントしておくことにする。

その後ホテルにチェックイン、荷物を置いてイベントへ。

世の中の女の子たちが普段どんな場所でどんなひととどんな暮らしをしてるのか、ひとそれぞれだと思うけど、わたし自身は普段の暮らしのなか、つまり週に6日は通う会社では、ひとから容姿を褒められることはまずない。わたしはただ毎日会社に出勤していればよくて、髪型がどうでも何色でも伸びてても短くても寝癖でも、爪が何色でも欠けててもハゲてても、耳に何がついていても何でもよくて、誰も気にしなくて、それこそ容姿に関しては、極端に言えば寝起きで向かったとしても制服さえ着ていれば何も言われないだろうと思う。
そんなのお気楽に決まっている。でもそれってとてもつまらない、とても退屈。
たとえば同じ世代の女の子がいたらどうだったかなって時々考える。些細なことでかわいいを共有できてたら、もしかしたらもうちょっと、ここに毎日通うことが楽しくなっていたかもしれない。

気の利くお兄さんのすごいところは、ほんとになんでも気づくところだと思う。それこそ頭の上から足先までちゃんとみてるところ。そしてちゃんと褒められるところ。すてきだね、かわいいねをすぐ口に出せるところ。何にせよ褒められると気分がいい。
わたしも友達にそうやって気づいたこといちばんにかわいいねって言ってあげたいっていつも思う。
わたしはおしゃれなおねえさんになりたかった、わたしのことをそういうふうに見せたいな、と思っていた。けど自分の好きを集めたところでそれがほんとに周りから見てうまくいってるのかいつも不安だった。だいたい自分に自信が持てない。ひとからのホメホメがほしい。
日常では満足できるだけのホメが集まらない。いつも壁打ち。月に数日の私服の日、大半が壁打ち。ホメがほしい。かわいいがほしい。
と 思って 生きているので、シンプルにホメがうれしい。間違ってなかったと思えるのがうれしい。
こんなのあんまりよくないよ、自分がよければ最高でいいんだよ。
わたしはたぶん、油断するとひとに依存しすぎて、なにかのタイミングでうっかりしぬタイプだ。しんでいることを周りに気づかせずにこの世の終わりみたいな心境でギリギリを生きてしまうタイプだ。気をつけなければいけない。もっとひとりの趣味を探したほうがいい。楽しいことはたくさんあっていい。
そして推しはひとつじゃなく複数にすることがオタクの鉄則だ。なぜならひとつがなくなったとしても他があるからだ。自分のこころは自分が守らなくちゃいけない。分かってはいる。

でもいまは、もうちょっと、さいごまで、楽しい思いをしていたいから、ゆるしてほしい。ああわたしは、いつまで経っても将来のことが不安だ。来年の夏はどんな顔して生きてるんだろうか。
大丈夫なのだろうか。

ただ今年の夏の、夜と朝が繋がってるみたいな時間はとてもたのしくて、たまにしかしない鼻歌まじりの夜のお散歩と、メロンの味がするお酒の匂いと、水族館みたいな水色のタイルのことをずっと忘れないんだろうなと思う。脳みそデータのいいことは、モノみたいになくすことがないこと。ただポンコツだから忘れちゃうんだけど。
できることなら脳みその思い出データを全て忘れないように、バックアップをクラウドに保管したいものだ。

家に帰って2日経った、セールの時に注文していたエタニティのサムリングが届いた。
ちょうどよかった、誰にも内緒の祝いの品ということで。

うるうるが一列に閉じ込められているけど
写真にはおさめられないのだ

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