自信家で自分勝手な男

わたしは自信家で自分勝手な男が好きである。自分を中心に世界が回っていると信じて疑わなくて、そうするためにはいくらでも周りに配慮したりサービス精神旺盛に振舞ったりする。周りからはよく「優しい」と言われるが、単に利己的なだけで、悪に手を染める時も自分の手は汚さない、自分は他者より優れていると信じて疑わないetc…そういう男が好きである。

その際たる存在が、我が父だ。ファザコンといっても過言ではない、私は父のことが昔から大好きだ。「完全に同じ血を分けている」という感じがして、出る悪態のほとんどが一致する。一緒にいると、悪ノリが過ぎまくって、お互いめちゃめちゃにウケてしまう。

そして、初めて好きになった人、会社の推しである上司、皆、揃いも揃って自信家で自分勝手な男だということに、今日、気づいてしまった。好きになった人は、自分の顔に絶対的な自信があって、今まで出会った人間の中で1番モテるようなやつだったし、それを当然のことだと公言してくる、鼻に付く男だった。

上司は「俺が風邪を他人にうつすのは一向に構わないけどうつされて俺の体調をめちゃめちゃにするやつは絶対に許さない」とか、「俺の力を持ってしても9時から18時で仕事が終わらなかった…25分も過ぎた…」とか、今日も平然とわたしの前で言うのである。

なんでそんな人たちのことが好きなのか…?

それは、わたしにだけ容赦なく、うちづら…?なかづら…?を見せてくるところである。五分前までみんなといる時は、引くほど外面良く過ごしていたくせに、2人きりになった瞬間に暴言が止まらない。わたしはそれをどうしても「特別」と思ってしまう、下手すると恋愛感情を持ってしまうのだ。そしてそういう「内面」を見せても引かないわたしを見て、相手も安心するのだろう、どんどんわたしの前でだけ自由になって、他人には見せない「甘え」とか「弱音」とか「ワガママ」を言ってくる。

そのうち周囲にも「●●さん、はいるちゃんにだけ当たり強いよねー」とか「愛されてるよね?」とか言うのだ、王道少女漫画かよ?!そしてそれはわたしにとって特別感と優越感に変わる、このエンドレスループである。

でも、気付いたのだ、そういう男に恋は出来るが生活は出来ないこと。

長くなったので続きます

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