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西野好きで映画好きの僕が『えんとつ町のプペル』を分析する

観てきました。

西野好きの視点で語ると『面白かった!!』となります。
映画好きの視点で語ると『良いところも悪いところもある』という感想になります。

1. 西野好きの視点の解説

一言で言うとこれは西野亮廣の自伝なわけです。

夢を追いかけて、笑われる西野をルビッチ、詐欺だ宗教だと叩かれる西野をプペル、と2人のキャラクターに分けて物語を作っています。
テーマは『笑われても、叩かれても、信じ抜け』ということで、それをこれでもかという程、ストレートに言葉に出して伝えています。

自己啓発映画として、前向きになれて、良いと思います。

その他には、西野が今までやってきたことが映画に散りばめられていて、それが面白かったですね。

スナックキャンディとか、レターポットとか、あと『E.T.チャレンジ』とか。

(E.T.チャレンは昔、西野が大阪から助走をつけて、東京都にあるのぞき坂を駆け上れば空飛べるんじゃね?つって、始めた企画で、結果失敗に終わったのでした。それを映画内のトロッコシーンを観て上手く昇華させたなぁと僕は感じていました。西野自身にその意図があるかは不明です)

まぁ、西野が好きで西野の行動を知っていれば、この映画はもっと面白く観れると思うので、プペル観に行く前に西野の本読んだり、ウィキペディアで調べたらいいかと思います。

2. 映画好きとして素晴らしかった点

以下にダダダッと挙げ連ねていきます。

①声優が素晴らしい
正直、ハズレがいなかった。芦田愛菜も窪田正孝も小池栄子も素晴らしかった。ただ一番は、『藤森慎吾のスコップ』ですね。
『声優の』藤森慎吾ってイメージなかったんですけど、素晴らしいですね。こりゃ仕事も増えるだろうし、何より、スコップのスピンオフ出来るんじゃないかっていうくらいキャラが立っていました。

②メッセージが普遍的で刺さる
誰に笑われても、叩かれても、親に泣かれても、信じたことを信じ抜けと。
これは、なかなか出来る事ではないですが、ここまで、ストレートにぶっつけられると、頑張ってみたくなります。

③世界観(街並み)格好いい
これは、スタジオ4℃のお蔭でしょうね。これは、好みの話なので、観て!としか言えません。

3. 映画好きとしていまいちだなと思う点

以下にダダダッと挙げ連ねていきます。
ここからはネタバレを含みますお気を付けください。

①冒頭のハロウィンダンスは要るのか?
プペルの紹介兼、ダンスで観客の心を冒頭に掴もうという意図があるんでしょうが、定点カメラのせいかあまり迫力がないんですよね。これよりだったら街並みや人物にスポットを当てた方が良かった気がします。

②異端審問官の怖さが伝わらない
もっとここに時間を割いてほしかった。ハラハラ感がないんですよ。捕まったらどうなるのか、その辺は描いてほしかったですね。

③お金の話は要るのか?
子ども向け映画として観ると、ここだけ、子ども置いてけぼりですからね。こういうのは、裏設定としてあってもいいんですが、それに時間を割くくらいなら、異端審問官にプペルが捕まってほしかった。それともレターのスピンオフを作るための布石なのか……

④カジサック(のやり取り)は要るのか?
これは、内容の評価とはちょっと違うのですが。映画公開前にカジサックの出演シーンを、カジサックのYouTube内でコントっぽく放送しちゃってたんです。だからそのシーンになったら、そのコントがチラつくんですよ。これを良しとするか否かは観客次第ですが、僕は雑味と捉えました。ただ、YouTubeを観てたお蔭で、カジサックのエンドロールでちょっと笑えたので良かった点も確かにあります。

⑤やっぱ宮崎駿には適わないなぁ
これは、日本人の性と言いましょうか、アニメ映画で冒険ものと言えば、宮崎駿と比べちゃうんですよ。しかも、夢追い人が主人公ってラピュタなんですね。だから、観てるときラピュタと比べている自分がいまして。単純に冒険活劇として観れば、ハラハラ、ドキドキ、ワクワク感では、やっぱりラピュタには適わんのです。

4. 総評

難しいですね。映画通みたいな人には勧めないでしょうね。
『子ども』か、子どもを持つ主婦とか、仕事に忙殺されてる人とか、夢を諦めた人、夢を追いかけている人と言った『元子ども』に勧めたい映画です。

とにかく、DVDが出たら買って、横に置いておいて、辛い時、くじけそうになった時、自分を信じられなくなった時に観て、元気をもらいたいですね。――うん。辛い時に横にいて、元気をもらえる。そんな『友達』みたいな映画『えんとつ町のプペル』一度ご賞味あれ。

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