ジャニーズ事務所児童性加害問題に対する各立場それぞれの問題点、解決のために私ができること

ジャニーズファンではない私がこの問題を知ってまもなく4が月が経とうとしています。
私はジャニー喜多川氏の性加害の噂なんて全く聞いたこともなく、3月のBBCの報道で知ったときには大きな衝撃を受けました。

子どもを持つ親として、この問題を放置することは今後の性被害者が声を挙げられず、権力を持つものは裁かれない社会になると思いTwitterで声を挙げています。

ここ最近ようやく記事が増えてきている印象はあります。
しかし、ジャニーズ事務所の子どもへの性加害についてはジャニーズ事務所やマスメディア、警察、ファン、子供を含む一般人、所属タレント、それぞれの立場が現時点でも問題を抱えており、また、それらは複雑に絡み合い互いに作用しています。

新たな情報や動きがあると、目の前のことに感情が左右されてしまい根底にある問題点や自分のやるべきことが不明確になりがちです。
私が自分自身の中でこの問題の論点や目指すゴール、自分のやるべきことを見失わないためにnoteを使ってまとめようと思いました。

現時点(2023/7/10時点)での私の考える問題点とその解決策、そして今私のできることを考えて書いています。
できる限り自分の感情を排除し事実や報道を元に書いているつもりですが足らない部分も多いと思います。
また70年に渡る告発に基づく性加害は全てあったという前提で問題点を記載しています。(この点は全容解明の調査がなければ分からないと思いますが、私は全て事実だと考えています) 


●各立場の問題点とその解決策

○ジャニーズ事務所(以下、事務所)

問題点①60年以上に渡る子どもへの性加害の疑惑に対し全容解明のための調査をしない。
今回の件は世界的にも類を見ない子どもへの性加害である。網羅的な調査をしないことで原因が究明されず、同じ問題構造の中で新たな被害が起こり得る。また、全容解明をしないことで現在も事務所内に性加害やハラスメントがあっても見過ごされて、性加害の連鎖を招く恐れがある。
この問題の被害者のためにも多くの日本の子どもの未来を守るためにも、全容解明の調査は不可欠。

問題点②被害者に対して謝罪、賠償をしていない
告発した被害者の人生は性被害によって多大な悪影響を受けている。現在発症していなくてもPTSD以外にアルコール中毒や薬物、精神疾患、ストレス性の疾患などを発症する可能性がある。
性加害行為は前社長が行ってきたことであり、合宿所という事務所内で行われてきたことである。またデビューの対価として性加害行為を行ってきたとの指摘もある。それが事実だとするなら性加害行為を受けたタレントを活動させて利益を得ていた組織であり、その利益から被害者に対して賠償するのは当然。

問題点③所属タレントがNHK党の政見放送やSNSの一般のファン、一部のマスメディアで当事者以外の口から性被害に関する情報を勝手に公にされたり、告発者に対する誹謗中傷(告発内容が嘘という検証も含む)に対して何も反応せず放置している。
タレント本人以外で風評被害に法的に立ち向かえるのは事務所だけ。一日も早く誹謗中傷や告発者への指摘などを批判をする必要がある。
所属タレントに対して明らかな誹謗中傷には法的措置を取る必要がある。
また事務所の問題で誹謗中傷を受けている元所属タレントも同様に守る責任がある。誹謗中傷が増える発言をした所属タレントの口から、告発者の口を塞ぐ意図はなかった、被害者救済が第一だと明言するべき。

問題点⑤元・現所属タレント全てが心から安心できる心のケアの場を提供していない。
元・現所属タレント達はBBC報道以降、心無い中傷を受けたり好奇の目に晒されたりしているのではないのか。今現在も心を痛めているのではないのか。
事務所は一日も早く心のケアをする必要がある。それが現・元所属タレントに強制されるものではない(人権侵害になる可能性)とは思うので、どういった方法が適切かは私にはまだ分からない。ただ、事務所社長が所属タレントへのヒアリングした後に性加害は知らないと言い切った経緯があり、その状況で今後も芸能界に身を置く人が告発できるのか。
また調査を行うチームは加害者側が指揮してで作った組織である。本来第三者機関もそういった形で作られるものの、チームの記者会見では全容解明を行わない、人数は3人、事務所の責任を問う立場の人間が元検事総長1人、中間報告など調査のスケジュールや調査の達成すべき目標を明らかにしていないため、事務所を擁護するためのチームではないのか憶測が出てくる。
そもそも事実関係を知らないとする社長が作ったチームは本当に安心して相談できる窓口なのか。実際に、心のケア窓口を利用した方からは杜撰な対応を指摘されている。

(・記者会見が必須かどうかは私の中で検討中。記者会見がなくても問題に向き合い対応を公表し適切な対応がなされるならそれでも良い?記者会見で追求されたからと言って真実はわかるのか?原因は究明されるのか?記者会見を開くメリットは本当にある?)

○マスメディア(テレビ、新聞、ラジオ、週刊誌)

問題点①全てのマスメディアは、報道しなかったことで被害者を増やしてきた
未だに全ての報道局は、自局の当事者(当時から現在までのジャニ担、番組編集の最終決定者、局長など)の声を取り上げて追求や検証をしていない。なぜ長年性加害の噂は放置されたのか、という原因は有耶無耶のままである。報道局の上層部なかにジャニー喜多川氏のような加害者が潜んでいるのではと大衆は考えてしまうと思う。
事務所はもちろん報道局もまた、自局の責任を第三者機関によって調査し、原因や責任の所在を有耶無耶にしないことが必要であると考えられる。

問題点②事務所の問題に関する報道が少な過ぎる
特にNHKは国民から受信料を貰っているにも関わらず、クロ現以降の特集はなし。初めてこの問題を報道したニュースは視聴率の低い16時台に2分のみ。
TBSの報道特集の方が内容は詳しく、また自社の責任にも言及した発言があった。
現在もヤフーニュースやTwitterではこの問題に関するコメントで溢れている。先日の山下達郎氏の発言ではコメントランキング上位を独占した状態であった。世間の関心が高く、また報道され議論されることは日本の未来のためになるのにテレビではあまりにも報道が少ない。未だに事務所に対して忖度が働いているか、利益を優先している状態だと考えられる。

問題点③所属タレントには罪はないと言って様々な番組に起用している。
たとえ所属タレントには罪がなくても、所属タレントを起用することは、結果的に、ジャニーズに利益を与え続け現状の対応を肯定することに繋がる。
ジャニーズ事務所が問題を有耶無耶にして全容解明の調査をしていない間は所属タレント起用を止める必要があると考えられる。これはCM等の広告塔に所属タレントを起用するスポンサー企業も同様。

問題点④所属タレントの不祥事における過剰な忖度あり、容疑者を『メンバー』と報道。他の事務所の同ケースに比べ明らかに報じる量が少ない。
これの原因は自局内の報道とバラエティ、スポーツの区分けが曖昧だからでは。また資本関係にある新聞や週刊誌のカレンダー利権や表紙のグラビア利権による販売数確保の目的も考えられる。
自局内の報道の独立性をもつこと、また長期的にはクロスオーナーシップを見直し、総務省ではなく独立した組織のもと、テレビ局各社が報道すべきでは。
スクランブル化は情報不足のため考え中。

問題点⑤性犯罪報道の明確なルールがない
英国の性被害報道のガイドラインでは、曖昧なものは扱わない、できる限り匿名化する、性被害の詳細は話さないというものがある。
ジャニーズ事務所に対する報道の重大性を考え、プライバシーを守りつつ適切に行うため、日本でも早急に性犯罪の報道におけるルールを明確に作る必要がある。

○警察

問題点①20年以上前の国会で事務所内の子どもへの性加害の可能性を認識していたのに、被害を止められなかった。

問題点②現時点でも、国会でのヒヤリングや合同会議に警察庁が参加しているが能動的なな動きはみられない。
なぜ20年以上も動けなかったのか原因を発信しておらず、再発を防止をできるのか疑問(法律の不備による問題なら司法側に説明責任?)
20年以上なぜ動けなかったのか原因を記者会見等で公式に発信。第三者機関等(公安にあたる?)が問題点を明確にし再発防止策を考える必要があるのでは。

○元・現所属タレント


これまでジャニーズ事務所やメディアの問題や責任、法の不備を説明した記事は見つけたけれど、元・現タレントの抱える問題に対して記載している記事はかなり少ないと思う。

それはそうだと思う。

まず責められるべきはジャニーズ事務所とその幹部、そして報じなかったメディア、ジャニー喜多川氏を逮捕できなかった警察、そして13歳以上の男児の性被害を罰することが難しい法の不備など追求すべき問題点が多数あるからだろうと思う。
そして何より、元・現所属タレントは直接被害を受けた可能性がある立場。彼らの持つ問題点を指摘することは、ただでさえ傷ついている可能性のある人の傷口に塩を塗る行為に思われるからだ。(私は彼らが直接の性被害を受けていなくても全員被害者だと思っている。なぜなら、性被害を受ける場面を見たり聞いたりすることも精神に深刻な影響を及ぼす性被害だから。)
被害を沈黙した責任を彼らが取る必要は微塵もないと思う。だけど、現在も所属するタレント達が事務所の利益の構造の大きな役割を果たしているのは確か。そこで被害者として彼らが抱えている問題点を整理してみた。


問題点①現在もグルーミングされている可能性がある

現タレントはグルーミング下で自ら所属事務所の対応に疑問を持ち退所を選ぶのは難しい可能性がある。
今後は適切なカウンセリングを受け性に関する認知の歪みがないか自覚できるようになることが彼らの未来にとって必要ではないか。
またカウンセリングによってPTSDや精神的苦痛を原因とした自傷的行動(アルコールや薬物の依存症など)を予防する必要がある。

問題点②矢面に立たされているにも関わらず心のサポートがされているか不明、また安心してサポートしてくれる場がない
問題点①にも記載したが、元・現タレント全てにカウンセリングが必要だと考えられる。

問題点③退所した場合、芸能界で活躍できる場の選択肢が狭まっている可能性がある
退所した場合にも活躍できる、制限なく退所を選ぶことのできる状態になっている必要がある。

問題点④世界的な注目のある問題のため、元・現タレントは今後海外での活躍が難しい可能性がある
元タレントでも芸能界に属している場合、海外では問題を知っていたのか追求される可能性がある。本人が発言を望んでいないのなら事務所がタレントを守る必要があるし、そうする必要がないように事務所は世間が納得する対応(全容解明のための調査や被害者には何も非はないとする謝罪など)をする必要がある

問題点⑤所属タレント自身が、事務所は子どもが性被害に遭う異常な環境だったと認識していない可能性がある
子供の頃から異常な環境に身を置いたことで認知の歪みが生じている可能性。それによって今後PTSDの発症やトラウマの再演(被害を繰り返す、自らも加害行為を行ってしまうこと)の可能性もあるのではないか。同じことが事務所内のマネージャーを含むスタッフにも言える。

問題点⑥テレビ等で一般人へ認知の歪みを含む情報(性加害者の称賛、人権意識希薄さによる言動)を伝搬する可能性がある
問題点⑤に関連している。一般人はその認知の歪みを含む彼らの認識を無意識に受け取り、最悪の場合、それが日本社会の常識になる可能性がある(ジャニー喜多川が良い人と多くの一般人が思っていた・現在も思っている多くのファン、芸能界では子どもであってもデビューのための性行為は当たり前という認識、事務所退所で干されるのは当たり前という認識、『世界からのサプライズ』を人権問題として疑問に思わないなど)

問題点⑦不祥事を起こしたとしてもメディアの忖度によって報じられず適切に処分されないことで、自身の責任について深く反省する機会を奪われている可能性
これは、タレント本人は意図せずとも加害者側に組み込まれてしまうことにも繋がる。そしてグルーミングの影響以外でも、事務所への依存が強くなり退所の選択を取れなくなるのでは

問題点⑧低年齢から芸能界活動を行うことで義務教育期間中の受けるべき教育機会を失っている子どもがいる可能性
その場合、さらに事務所への依存度は高くなる可能性あり。昔に比べて夜間の活動の制限もあるが、子どもの項でも記載の通り、子どもが芸能活動する上で適切に守られているとは言えない現状がある。
これは事務所に限らず芸能界全体に言えるかもしれない。

問題点⑨未成年での桶ダンスを含む過剰な露出の記録はインターネット上に永遠に残る。
また事務所には性を軽く扱い、それを娯楽にする商品がある(ぬいぐるみ、ポスターでのBL表現、等)性的に搾取される立場になっている。

他で元・現タレントの抱える問題点を議論する記事がないためかなりの文字数になってしまいましたが、彼らが何も問題がないとは言い切れないと私は思う。
まずは適切な安心できるカウンセリング等の心のケアを受けてほしいと心から願うし、芸能界でもそれ以外でも今後の活躍を応援したいと思う。
感想多めの内容になってしまいました…

○子どもを含む一般人

問題点①告発者やSNS等で問題提起している人に対して誹謗中傷している人がいる。
誹謗中傷は適切に罰せられるためには、訴える被害者側が時間もお金も費やす。理想で言えば、訴えなくても誹謗中傷は削除される、また処罰される必要があるのでは。
またこうした誹謗中傷があるのは問題点②の情報や知識不足によるものもあると考えれる。

問題点②人権、子どもへの性加害・全ての性犯罪に対する情報・知識不足。(グルーミング、男性への性被害、性交同意年齢・犯罪になる行為がどういったものか、告発・立件の難しさ、トラウマの再演など、拒否することは相手自身の否定ではないという人権意識)
義務教育期間の人権、子どもへの性加害・全ての性犯罪に対するアップデートが必要。

○法律

問題点①強制性交等罪の時効15年という短さ。
欧米の調査では被害を発するまでに平均25年ほど。時効がない国もあり。強制性交等罪(今後、不同意性交等罪)の時効撤廃。少なくとも誰かに相談できるという意味で25年は必要。

問題点②報道の独立性を保つため世界では禁止している国が多いクロスオーナーシップが未だに継続している。
組織内の他の利益関係に左右されない報道の独立性のためにはクロスオーナーシップ廃止が必要。

問題点③子どもへの性加害に対しても通報義務がなく発見が遅れる、発見されない可能性がある。
子どもへの性犯罪に通報義務あれば被害の早期発見やまた社会の無関心から生じる被害の悪化を防げるでは。

問題点④子どもと接する仕事(子どもの芸能活動に関わる者だけでなく、教育・スポーツ関係等)の場合、犯罪を起こさない可能性が高い人を採用できる仕組みがない
ただ、その仕組みはどうしたらできるのか分からない。銃所持のように精神科医の診断?認知の歪みのための検査?人権侵害にならない?
ただ、一度でも性犯罪を犯したものは従事できないようにすることが必要不可欠だと思う。

問題点⑤性的搾取されやすい立場の芸能界活動する子ども(子供アイドル)のためのガイドライン作成やその遵守の義務付け、できない場合の罰則が必要では。
未成年の水着写真撮影や露出の多い格好での活動の制限、保護者帯同の義務、芸能界の子どもへの性教育や人権に関する勉強会の義務付けなどが必要だと思う。

●目標の達成のために私自身ができること

・この問題を風化させないために記事を読み、リツイートやいいね!、コメントで反応して今後も記者に多数の記事を書いてもらうこと、できれば多数のフォロワーのいるインフルエンサーに問題をより多く言及してもらう

・NHKを含むテレビ局に直接意見をする、NHKには性暴力を考えるシリーズでジャニーズ問題を取り上げるよう問い合わせメールや電話をする

・NHK含むテレビ局に、警察における対応に問題ついて報道してもらうようお問い合わせメールや電話をする

・スポンサー企業の不買運動によって、事務所の対応への批判を明確にする。全ての日本人が関わる問題として、世間に自分事として考えてもらえるよう働きかける。

・スポンサー聞きの株主総会で質問
株主として子どもの性加害の問題に対して適切な対応をしない事務所に対して、全容解明のための調査や被害者への謝罪などの対応を関係のある企業として促すよう要求する

・自分に対する悪質なツイートなどには掲載元(Twitter社等)へ報告、ブロック、記録を残す、身元開示請求を行う

以上。
もしここまで読んでくださった方がいたら、ありがとうございます。
今自分にできることをしようと思います。

誤字脱字もあると思いますし今後考えも変わるかもしれません。その際は加筆修整します。

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