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メディアの情報をツギハギして作り上げた幻想に振り回される私たち

ワーキングマザー向けのサイトの編集長をして、必ず言われる言葉があった。

「メディアに出てくるワーママたちは、みんなスーパーママでキラキラすぎる」

たしかに、私がインタビューに伺う人の条件として「自分を置かれた状況を踏まえ、一歩進んだ人」というコンセプトをあげていたので、一歩進める人であったということは事実である。でも、長年専業主婦として働いていた人を取り上げても、どんなバックグラウンドを持っている人でも

「キラキラしすぎている。自分とは全然違う」

と言われるのである。

そう思う大きな理由として、「メディアにでる=すごい」みたいな縮図が、ウェブメディアが台頭している今においても、まだあるのは確かだと思う。活字になり、写真が入ると、「なんかすごそう」に見えるのも確かなのだ。

そして、あの人のすごい部分と、この人のすごい部分をなぜか混ぜちゃったイメージが「メディアにでるワーキングマザーがみんなすごい説」になっている節もあると思うのだ。

「あの人のすごい部分とこの人のすごい部分をなぜか混ぜちゃった」というのはほんと危険で、勝手な「イクメン像」を作って、自分の夫と比べることもできちゃうし、勝手な「理想の子ども像」と作って、自分の子どもと比べることもできる。そして、自分自身も勝手なワーママ像に縛られてしまうのである。

そして、メディアの影響ではないにしろ、なんだか子ども時代から、「理想なのお母さん」「理想のお父さん」みたいな幻想に実の父母を当てはめたり、「理想の上司」をイメージして、「そうでない」と思ったりしていたことはある気がしている。

「理想」はいい風に働くこともあれば、理想によってガチガチに縛られてしまうこともあるのだ。

だからメディアも、自分の中の「理想」もとりあえずあってもいいけれど、比べすぎずに、リアルをきちんと見て欲しい。リアルな自分の中身と、リアル周りの人たちを。

自分で作り上げた幻想に振り回されないように。

私自身も、イクメン像や勝手な子ども像で、不機嫌な妻でありママだったなあという自戒を込めて。

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