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【PJCS2024予選第1回最終39位】ウーラオス&マタドガス【レンタル有】


はじめに

 2024年2月2日(金)9:00~2月5日(月)8:59の期間に行われたポケモンジャパンチャンピオンシップス2024 予選 第1回にて最終順位39位を記録し、予選を通過した構築について紹介する。

プロフィール

PN:竹内白州(TN:ハクシュウ)
ファミ通最強のポケモンライター。ポケモンWCS2022、PJCS2023、ポケモンWCS2023のゲーム部門解説担当。
X:https://twitter.com/hakushu_t

構築経緯

 こだわりスカーフ持ちのウーラオス(れんげきのかた)が流行しているらしいと知って試していたところ、シンプルに使用感がとてもよかった。とくに、相性不利なオーガポン(いどのめん)に対してとんぼがえりで弱点を突きながら引ける点が使いやすいと感じた。

 一方で、せっかくこだわりスカーフを持たせているのに、こだいかっせいで素早さの上がったハバタクカミには結局先に行動されるほか、トルネロスを始めとする特性いたずらごころのポケモンにおいかぜを使われると、いっきに動かしづらくなってしまう点がネックだった。

 それらを同時に解決できるポケモンとして、特性かがくへんかガスのマタドガスが候補に挙がった。すでに発動したこだいかっせい(クォークチャージ)の効果も無効化できることやブーストエナジーで発動した場合も無効化できることなどを調べ、「これはいける」と実戦に投入。

 こちらのウーラオスと相手のハバタクカミが対面した際、マタドガスを出しながらすいりゅうれんだでハバタクカミを攻撃するルートが安定して決まることを、1月のランクバトル最終日上位帯で確認できた。

 また、トルネロスのおいかぜから始動する構築に対しても同様の動きが頻繁に決まっていたので、JCS予選もこれで行こうと決意。上記のコンボを積極的に狙うため、まずはウーラオス(れんげきのかた)とマタドガス(ガラルのすがた)を主軸に据えた。

 続いて、おもにウーラオスを交代させるためのクッション役として以下のポケモンたちを採用。

●ガオガエン
 いかく、ねこだまし、すてゼリフで構築の潤滑油に。テツノカシラやグレンアルマなどのワイドフォースを無効化するあくタイプ枠としても。

●タケルライコ
 ウーラオス(れんげきのかた)の弱点である、くさタイプやでんきタイプを半減以下にできる。耐久面のステータスが高く、先制技もあるため複数回行動できることが多い。テイルアーマーを無効化しながらじんらいを通せるので、かがくへんかガスとの相性もいい。

●モロバレル
 クッション役と言えばモロバレルと思って採用した。しかし、さいせいりょくを自分で無効化してしまう場面がそこそこあったので相性は微妙かも。

 最後に、ウーラオスと並べる先発役としてハバタクカミを選択。ねこだましが効かない点と、ハバタクカミ対策のテラスタイプ(ほのお、はがね)に対してウーラオスが強い点を評価した。

 最終的な構築は以下の通り(レンタルコード有)。

個別解説

ウーラオス(れんげきのかた)

きそポイント:攻撃252、素早さ252、防御4
持ち物:こだわりスカーフ

 ほぼ100%先発で出した。通りそうならすいりゅうれんだ、ダメそうならとんぼがえりをする。テラスタルさせるのも大体このポケモン。ウーラオスの理不尽なまでの強さを、改めて体感できた。

 ハバタクカミにすいりゅうれんだをするときは、必ずテラスタルするようにしていた。基本的に過剰なダメージになっていたが、突然の防御特化ハバタクカミに耐えられたくなかったので。

 ちなみに、かがくへんかガスでふかしのこぶしが無効化してしまう点を懸念していたが、結果的にほとんどデメリットにはならなかった。

 相手視点だとマタドガスが場にいない状態でまもるを選択するのはリスキーすぎるのだと思う。逆に、マタドガスが場にいる状態ではまもるを選択されることが多く、マタドガスを引きながら攻撃することでまもるを貫通する場面が何度かあった。

マタドガス(ガラルのすがた)

きそポイント:HP252、特防252、防御4
持ち物:オボンのみ

 ハバタクカミのこだいかっせい、トルネロスのいたずらごころの無効化がおもな目的。ほかにもヘイラッシャ&シャリタツの合体をさせなかったり、イエッサンにサイコフィールドを展開させなかったり、ガチグマ(アカツキ)のしんがんを消してハバタクカミでブラッドムーンを無効化したり、ブリムオンにちょうはつを通したり、リキキリンのテイルアーマーを無視してじんらいを通したりした。

 使用率は通常のマタドガスの方が高いようだが、相手のウーラオスやパオジアンなどに強いのと、単純に好きなのでガラルのすがたを採用。結局ワンダースチームは3割くらい外したが、おにびはほとんど外さなかったのでよしとする。

 防御は素で足りていると判断して、きそポイントは特防に振り切った。おかげでこだわりメガネハバタクカミのシャドーボールをオボンのみ込みで2回耐えたり、いのちのたまランドロス(けしんフォルム)のねっさのあらし(ダブルダメージ)を耐えたりする。

ガオガエン

きそポイント:HP244、特防252、素早さ12
持ち物:フィラのみ

 とりあえず入れておけば強いやつ。はたきおとすは便利だけど、あくタイプの技で攻撃したい相手が持ち物消費しがち(テツノカシラのブーストエナジーとか、イエッサン♀のサイコシードとか)なので別の技がよかったかもしれない。

 ガオガエンにテラスタルは使わないと思ってテラスタイプを変えなかったのだけど、くさにしておけばよかったと思った対戦が1回だけあったので反省。

タケルライコ

きそポイント:HP212、防御12、特攻252、特防28、素早さ4
持ち物: とつげきチョッキ

 かがくへんかガスでテイルアーマーを消せるので、先制技持ちを入れたかった。かといって先制技に頼りすぎない、耐久高めのポケモンとして採用された。使ってみると思っていた以上に強く、選出率がどんどん上がっていった。

 受け出し性能をより高めるためにとつげきチョッキを持たせた。技が1枠余るのでハバタクカミ意識のヘビーボンバーを覚えさせたが、倒しきれるわけではない。相手の育て方によってじんらいで倒せるラインに入ったり入らなかったりする。

 ハバタクカミの前ではテラスタルを強要されるのが難点だが、本構築は1ターン目の奇襲でハバタクカミを倒すパターンが多かったので、そういう意味ではチームの相性が良かったように感じた。

モロバレル


きそポイント:HP236、防御156、特攻4、特防100、素早さ12
持ち物: ウイのみ

 何となく構築に入れて、あまり選出しなかったけど、選出すると安定した活躍を見せてくれるいぶし銀な存在。構築単位でランドロス(けしんフォルム)がキツいことに大会途中で気付き、以降はランドロス(けしんフォルム)入りの構築には必ず選出していた。

 オーガポン対策に覚えさせたヘドロばくだんだが、モロバレルミラーやくさテラスタル相手など使う機会はほかにもそこそこあった。使ってみるとダメージが物足りなかったので、もう少し特攻を伸ばしたくなった。

 マタドガス(ガラルのすがた)と並んでしまう場面が多く、さいせいりょくを自分で無効化してしまうのがもどかしかった。かといってとくせいガードは持たせたくないし……。やはり相性が悪いので別のポケモンにすべきな気もするし、プレイングで解決できるような気もする。いまいち納得していない枠。

ハバタクカミ

きそポイント:HP84、防御100、特攻132、特防4、素早さ188
持ち物: こだわりメガネ

 ウーラオスがこだわりスカーフを持った影響でねこだましに弱いので、ねこだましに強いアタッカーとして構築入りした。

 ちなみに育成はEUIC2023のPaul Chua選手が使っていたハバタクカミを配信で見える情報からなんとか再現しようとしたやつ。何を耐えようとして何を抜こうとしたのかあまり覚えていないけど、そのまま流用した。

 何度もHPミリで攻撃を1発耐えてくれたし、相手のハバタクカミより先に動くことが多かったし、十分にダメージも出してくれていたので結果オーライということで。

 先発にウーラオスと並べて、マタドガスに引いたり引かなかったりする。トルネロスと対面したときはウーラオスをマタドガスに引きながら、テラスタルムーンフォースでトルネロスを倒しにいく。

 じつは最近「ハバタクカミがうまく使えない……」と悩んでいたので、嫌なイメージを払しょくできて嬉しい。でもこの謎調整に愛着を感じ始めているのはよくないかもしれない。

基本選出

先発:ウーラオス&ハバタクカミ
後発:マタドガス@1

 必要に応じて先発のどちらかをマタドガスに下げながら、相手の1匹を確実に倒しに行く。もしくは、ウーラオスをとんぼがえりで下げつつ、マジカルシャインなどで削りを入れる。

 以下が決まるとイージーウィンになることが多かったので積極的に狙った。

・ブーストエナジー持ちで素早さが上昇したハバタクカミと初手で対面
→マタドガスを出しながら、ハバタクカミにテラスタルすいりゅうれんだ

・トルネロスと初手で対面
→マタドガスを出しながら、トルネロスにテラスタルムーンフォース

・オーガポン(いどのめん)と初手で対面
→オーガポンにとんぼがえりしながら、ハバタクカミはテラスタルマジカルシャイン

・キラフロルと初手で対面
→キラフロルにとんぼがえりしながら、ハバタクカミはテラスタルマジカルシャイン(キラフロルはほぼ確実にくさテラスタルしてくるので)

 後発はだいたいタケルライコで、あくタイプが欲しいときはガオガエン、ランドロス(けしんフォルム)がいる場合はモロバレルを出していた。ウーラオスの役割対象を盤面に残した状態でウーラオスを再度くり出せるように意識して立ち回る。

マタドガスを初手に出す相手

 おもにイエッサン♀のサイコフィールドを軸にした構築相手には初手からマタドガスをくり出してサイコフィールドを展開させない。エスパー技を重ねられてマタドガスが倒されそうな場合は、マタドガスをテラスタルさせることもある。

 コータスやペリッパーが相手にいるときも初手にマタドガスを出すことが多かった。

 逆にバンギラス&ドリュウズと戦ったときは、マタドガスを後発に置き、あえてすなおこしをさせたうえで、基本の流れ同様マタドガスをくり出してドリュウズのすなかきを無効化しつつ、すいりゅうれんだで倒していた。

 ヘイラッシャ&シャリタツ相手にも、マタドガスを初手には出さない。1度か2度初手にヘイラッシャとシャリタツが出てきて合体されたが、ハバタクカミのエナジーボール&ウーラオスのインファイトでタケルライコのじんらい圏内に入り、ハバタクカミが倒されてもじんらい→インファイトでヘイラッシャとシャリタツを同時に倒せたので問題なかった。

対戦履歴

〇×〇〇〇〇〇〇〇〇××××〇〇〇〇×〇〇〇××〇〇〇×〇〇××〇〇〇×〇〇〇〇〇〇〇
計43戦 31勝12敗

 3日目昼から初めて、夕食休憩以外ほぼぶっ続けで対戦した。23時時点でレート1752で42位だったのでいったん様子見することにしたが、翌朝7時半に起きるとちょうど150位になっていた。そこからもう1勝してレート1766になると、いっきに34位まで上昇。最終的に39位となった。

おわりに

 2021年ぶりにオンライン予選を通過できて嬉しい。が、今回はたまたま予選向けのいい構築が組めただけでプレイングはまだまだ上位のプレイヤーたちに及ばない。せっかく早めに予選を通過できたので、つぎの本戦までの期間にスタンダードな構築を使ってプレイングを磨きたいと思う。


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