最後の読書好き

【最後の読書好き】

むかしむかし、人間たちは、本を読むこと以外の娯楽が増え、テレビ、ゲーム、映画、などなどの娯楽の多様化が進んでおりました。

その結果、本を読む人がどんどん少なくなっていったのです。

そして本を書く人は絶滅し、さらに本を読む人も、絶滅危惧種となりました。

さて。
昔から人間は、絶滅危惧種をなんとかして保護しようとするものです。

読書好きたちは、施設に集められました。

「ヒャッハー、お前たちを保護することに決めたのだあ!お母さんも保護したほうがいいと言ってたのだあああ!お父さんもだあああ!」
「お前たちには犬みたいに、栄養バランスを考えた食事をしてもらい、運動もしてもらうのだああ!ヒャッハー!」
「お前たちの保護プログラムは、俺たちの中でもっとも頭が良い、ハカセとあだ名がついている、ハカセが考えたやつなのだあああ!」

読書好きたちは、困惑しました。
こんな頭の悪い奴らに、捕まってしまった、と絶望的な気持ちになりました。

そして、ハカセと呼ばれた男がマイクの前に立ちました。
読書好きたちが注目している中、ハカセは叫びました。

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