③僕がウケを減らす決断をした理由


③【僕がウケを減らす決断をした理由】

タイトルを見て、どう思うだろうか?

ウケを減らす?

生意気に思う人もいると思う。

ウケを減らすなんて、まるで負ける前の言い訳みたいだからである。だけども、これには色んな意味が含まれている。


前回のアナログの大切さの話の時に、チラッと出たことではあるけれど、M-1やキングオブコントの決勝のネタが即日YouTubeに上げられ、無料で観れるご時世に、誰がハクション中西のネタを観たいねん、ということがまず思考のスタート地点である。


ウケを減らすの意味の一つ目は。

これからも僕は面白いネタをガンガン書くが、自分のネタを必ずしも、一番いい形でやろうというのではなく、変なとがりを捨てるつもりだ。

たとえばだが、ネタを10本書いたとして。

その10本をネタとして10本ともやるイベントは、お客さんからしたら、「これなら動画で後から見たらいい」に、なってしまう。


もっと言えば、「M-1やキングオブコントの決勝のネタを、無料で観れるのに、これなら次回から来ない」になってもおかしくないのだ。


あくまでもたとえばの構成だが。


10本のうち、5本をネタとしてやる。

残りの5本のうち、3本を間のVにしたり、残りの2本をお客さん参加型、巻き込み系のコーナーにしたり。そして最後にはそのライブにからんだ物販を販売したり、予約特典などを、配る。

これなら、“現地に来る意味合い”がアップする。


ウケを減らす、というのは、まずライブの構成として、犠牲になる部分があっても、それをはるかに上回る全体的な満足度をとるということだ。


魚一匹でかいのが、ズドンと手に入ったとして、全部を刺身で出すのは芸がないでしょ、というところなのだ。

お刺身にしたり、しゃぶしゃぶにしたり、お吸い物の具にしたりされると、メロメロである。


ひとつめとして、ウケを減らすという例として、ライブ構成の話をしたが、これは色んなことに当てはまるのである。

極論だが、最近気づいたことがある。


“世間は別に笑わせてほしいと思っていない”

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