魔法の行動力

ヌアンス刑務所を宣伝するにあたって、僕はフライヤーを作ろうと思った。QRコードがついていて、読み取ればヌアンス刑務所が出てくるようになってあるやつ。
イラストは、後輩芸人のらむね岡に描いてもらった。ギャラは1万円を出した。


ちょっと描いてもらうだけなので、僕と彼の関係性においては、高いギャラの金額だがこれまで岡には、逆に少ない金額で結構なカロリーのイラストを何点も描いてもらったこともあるので、これまでの恩返し価格である。
もちろん恩返しはまだまだ続くが。

岡は、ツイッターもやっているし、色んな活動をしてるので、是非こちらのアカウントから見てあげてほしい。↓
@okasyohei
本当にマルチな奴である。
そして性格もいいのである。


さて、出来上がったフライヤーは、僕に魔法の行動力を与えてくれた。
今日はそんな話をしよう。
“フライヤー”って何?と思う人も少ないとは思うが、いるかもしれないので、一応説明します。
フライヤーとはチラシのことです。

「じゃあ、最初からチラシと言え!」と思われそうだけれど、言い訳させてほしい。
チラシとフライヤーの関係性は、スパゲティとパスタの関係に似ている。なんとなく感じるオシャレ度合いが違うのである。

チラシと言ってしまうと、スーパーの特売品で卵が安い、みたいなのと同じようなイメージになる。
フライヤーと言うと、イメージはかなり変わってくる。実際にこんなことがあった。

僕がヌアンス刑務所のフライヤーを「フライヤーもらってね」と言いながら、女性に渡した時のこと。
するとその女性は「フライヤーって、もしかして、全国ツアーしてるメジャーバンドとかが配ってるやつですか?」と聞いてきた。


僕は「そうだよ。おじさんは全国ツアーとかしているメジャーなバンドのおじさんだよ。チョコレートあげるからおじさんのおウチにおいで」と答え、女性を連れ込み、めくるめく快楽に溺れたのだ。
それぐらい、チラシという言葉とフライヤーという言葉には、距離があるのだ。

ま、とにかくフライヤーをたくさん作った。
我々芸人が普段客席などに配っているいるフライヤーは、大体、“この日にライブがあるから来てね”というものばかりである。
ところがYouTubeを観てね、というフライヤーは、これに比べてかなり効果が高い。

想像してもらえば分かると思うが、ライブ来てね、はハードルが高い。交通費プラス入場料がかかるわけである。
100枚配っても1人来るか来ないか、というのが体感のデータである。


仮に舞台でその日、死ぬほどウケたとしても、である。「この芸人さん、面白いな。でも金ないから無理」とか「この芸人さん、面白いな。でも私は地方からたまたま観光で来てるから大阪のライブは無理」とか、さまざまな理由で効用が下がるのだ。

ところが、“YouTube観てねのフライヤー”の気軽さったらないのだ。
同じ条件設定として、その日舞台で死ぬほどウケたとしよう。そこでフライヤーがある。
【YouTubeでヌアンス刑務所観てね】である。


「この芸人さん面白いな。無料で観れるんなら、ちょっとアニメも観てみよっかな」となる確率が非常に高い。
なので、僕は色んなところに行ってフライヤーを配ることが、とても楽しくなった。


僕は自分の体中に、QRコードのタトゥーを入れた。
顔にまでQRコードのタトゥーを入れたし、自分の彼女の背中にもQRコードのタトゥーを入れてもらい、事務所の後輩にもQRコードのタトゥーを全身に入れてもらった。
とても楽しい行為である。

刺青のせいで試合をさせてもらえないボクサーに、その刺青を消してもらい、そこにQRコードのタトゥーを入れてもらったりもした。
それぐらい、QRコード戦略はやっていて楽しいのである。

行きつけのスナック【えまり】や、僕がバーテンをしている白鯨というお店にもQRコード付きのフライヤーは貼ってもらったし、色んな人と会うたびに、フライヤーを渡した。
楽しいスナック【えまり】のツイッターアカウント
↓@emari_official

行動力が軽くなるという経験は、あまりなかったので、新鮮である。想像してみるに、きっと筋肉を鍛えてムキムキになった人が、そんな感じではないだろうか。
夏場タンクトップを着て、色んなところに出かけたいのだろう。

ムキムキですねん、と身体が勝手に宣伝してくれるので、どこ行っても楽しいのだろう。
僕のフライヤーは、そんな感じである。観てくれてるかどうかは、わからないし、強制力もないから気軽に配れるし、チャンネル登録さえしてくれるなら捨ててもらっても構わない。

魔法の行動力を手にいれるための一般的なものは、オシャレとかかもしれないが、僕はオシャレになんの興味もなく、気温さえ一定なら年中同じ服を着ていたいと思っている人間なので、ヌアンス刑務所のフライヤーは、非常にありがたいのである。

次の章では、僕の人生観について真面目に語ってみたいと思う。決してふざけないことはキンタマに誓おう。

注)そして、現在リツイートとイイネが止まってきたので、次回からの文章は有料にさせてもらう。

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