恩師と大佐とあほ女ども

昨日の夜は中高時代の先生と、その教え子3人で飲みに行きました。
あの子が今どうなってるAVに出たパパ活をしている失踪している、あのときどうだったこうだった今ああだそうだ彼氏できないなんでだこんでだ、たくさん話しました。
とても楽しかったです。
素敵な時間でした。
「人の金だあ!」と言って飲みまくっているととんでもない額になってしまったので一人2000円ずつ先生に渡しました。

先生は先生なので、明日のために早く帰りました。
私たちは相席居酒屋に行きました。
Hも明日大学が一限からあるということで、3組目くらいで帰りました。
Fも同じく一限があるそうですが、「んあ、どうせ今帰っても行かん」ということで帰りませんでした。
4組目、べろべろのハーフと、ゼブラ柄のジャケットを着たおっさんが来ました。
ハーフはスカートの上からぬるっと私の太ももを触り、キショすぎたので「すみません、さすがに怖いです」と明言して速攻ローテーションボタンを押しました。
とはいえすぐに交代できるわけではないので、ハーフから距離を取りつつ「お仕事なにされてるんですか?」とFがゼブラおじに話しかけます。
「あー、俺たちは、AV男優で、」

「えええAV男優?」

「そうそう、忘年会やってて。こっちの人が港区のAV男優で、俺が神戸おAV男優。」
「この人が港区のAV男優で、あなたが神戸のAV男優!!?」

どうやらゼブラおじは港区から来たハーフの接待をしているらしい。
ハーフは忘年会で暴れたのか、ぐったりしている。
すると、ゼブラおじはおもむろに財布からお札を抜き取った。

英世ではない、フェニックスである。

「これあげるから、相手してやって。」

目の前に、突然フェニックスが現れた。
飲食のバイトをしているとき、お客さんから5000円をもらったことがある。
「え!?こんな大金もらえませんよ!」と一度お客さんに返し、「いいよいいよ、もらって!」と言うので「では…ありがとうございますッッ」と頭を下げて、やっと受け取りが成立する。
10000円とは、その5000円の、倍額である。

ふっとFの方を見ると、Fは少し驚いた表情を見せたが、早々に諭吉を自らの財布に収めた。そして何事もなかったかのようにケロっとしている。
私は手の内にあるフェニックスの行き場が分からずしばらくあせあせしていたが、覚悟を決めてポケットに入れた。

おばあちゃんが夏休みのお小遣いで、10000円をくれた。
「ええなあ!」「ちゃんとお礼いいや!」「私がほしいわ!」親が言う。
競馬場で1日まるまる働いて、10000円を稼いだ。
家を出るときも帰るときも、辺りは真っ暗だった。

私は10000円の価値を、まっとうに知っていた。

相席居酒屋でボディタッチはご法度なので、ゼブラおじ的には謝罪のつもりもあったのかもしれない。謝罪というか、「騒ぎ起こさんといてくれよ」みたいな。
そんなん、金じゃなくて口で言えよな。
お金の方が嬉しいけど。でもそれじゃあだめなんすよ。

Fは元から饒舌なので、ゼブラおじとAV談義を繰り広げていた。ハーフは港区でなんとか大佐という名前でやってるらしい。AV男優は精子がどれくらい出るかをチェックされるんだとか大きいやつに悪いやつはいないとか、Fは身を乗り出してしゃべっている。

私は財布の中のフェニックスがずっと気になって仕方が無かった。
なんせ稼ぐために最近毎日一日中働いているのだ。
こんな簡単に10000円が手に入ったら、ねえ。
1ふともも10000円だったら三回で30000円ですか?
Fよ、どこまで許せる?
こんな一瞬でもらえるんだったらそりゃあ、まともに働くの馬鹿らしくなるぜ。なあ。

ローテーションの時間になり、相席居酒屋を出た。

そのまま、一万円を握りしめて成人式の同窓会の帰りに行ったバーへ向かう。この金はろくな使い方をしない方がいい。酒で溶かそう。

時刻は1時をまわり、なんやかんや一軒目から10杯以上飲んでいた我らの体と脳はアルコールに蝕まれていた。バーで椅子に座ると足がもう動かねえ。
Fは自分から別れを告げた元カレに電話をかけた。
しかし元カレには新しく彼女ができており、「彼女が嫌がるからもう会えない」とFに告げた。
私はその元カレと小中の友達だったので少し談笑し、電話を切り、おそるおそるFの方を向く。
Fは、泣いていた。
「な、なに泣いとんねん!」
「ええーー?私もう(元彼)と会えへんの??は?だる、友達やん、なんで?は?そんなぽっと出の女に、なんで?なんで会ったらあかんの?」
そして同級生の男子に電話をかけまくり、みんなから「お前が悪い」と言われていた。私は限界になりテーブルに突っ伏して寝た。

5時になり、店が閉まるので私・F・バーテンの3人で帰路に着いた。

家に着くと父が仕事へ出るところであった。なんとなく気まずい。

ベッドに突っ伏し、起きるともう13時をまわっていた。

映画を一本みて、だらだらして、今。

なんか太ったなあ

バイト行きます


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