アフターファイブ・オン・テューズデイ
ある火曜日の昼下がり。
おやつ休憩中にLINEを開くと、親愛なるマイフレンド・宵氏から、異動が決まったとの報告が。
上司がコンプラ大違反野郎だという話はよく聞いていたけど、つい最近まで異動や転職なんて考える暇もなさそうなくらい仕事に追われている様子だったのでなかなかびっくり(本人も勢いで応募したと言っていた)。
そういえば久しくサシでは会ってないな〜と思って、その場で「会いたい、直近いつが都合いい?」と聞くと、「直近だと今日」とのお返事。
わたしも明日在宅だし丁度いい、会っちゃおう!というわけで、定時後、わたしたちの大好きな近所の中華料理屋で集合することに。
宵くんちゃんは同じ部活の同期だけれど、在学中は何の接点もなかった。
だけどいろいろあって最近突然、卒業して3年が経った今急に、「今日会お!」ができる仲にまで爆速で進展したレアパターンの友達。
鬼ウマ中華を囲って、互いの近況や人生についてだとか、互いの目から見た同じ世界の話だとかをしている中で、しみじみと、あぁわたしってなんて恵まれているんだろうか、と思った。
わたしは、かなり直情怪行だ。
いわゆる裏表だとか建前だとかが好きではないので、良いことも悪いこともすべて公言するし、本音しか言わない。お世辞も言えない。
好きな人には好きって言うし、苦手な人にもその旨お伝えして合意の上で縁を切ったりもする。
嘘や陰口を言わないので信用できる、と言ってもらえることもあれば、攻撃性や加害性を嫌厭して避けられることもある。
ちなみに宵氏は前者らしいけど、わたしは後者で、自分がもし他人だったらなるべく近寄りたくないなと思う。親からも昔から「あんた友達いなくなるわよ」と言われ続けてきた。わたしもそうおもう。
でも、不思議なことに、わたしは意外と友達が多い。しかも全員漏れなくいい奴である(自分は極悪人のくせにいい奴としか付き合わないので当たり前といえば当たり前)。
みんなどうして仲良くしてくれるのかわからないし、本当は気付いていないだけでめっっっちゃ嫌われたりしているのかもしれない。けれど、だとしても、限られた人生のうちの何時間かをわたしのために使ってくれているのは事実であって、そこに本気で感謝しながら、開き直って遠慮なくお時間を頂くことにしている。
特に宵ちゃまに関しては、人間嫌いを自称しているというのに、人間という生き物の悪いところだけを凝縮したようなわたしを、そんなに信用して大丈夫??と心配になるくらいオープンマインドでいろんな話をしてくれる。
そんな人とこんなに仲良くなれてわたしはほんとうに嬉しい。
宵ちゃんくんと話してる中で、何かのきっかけで近くに住んでいる後輩のことを思い出した。訳あって今は無職なので、ダメ元で電話かけたら、「今から会える」と。
この後輩、かれこれ6年の付き合いになるけど、誘いを断られたことが一度もない。
こちらが先輩だから断りづらいのかも、と思って遠慮した時期もあったけど、本人楽しそうだし誰からの誘いも基本は断らないと自分で言っていたので最近は都合よく誘わせてもらっている。呼んだら絶対来るし。
宵氏とこの後輩は、同じ部活ではあったけれど顔もわからないくらいの仲だった。この3人で会っても楽しいのはわたしだけであって、2人からしたら迷惑な話でしかないのだけれど、わかっていても、この2人なら大丈夫!という確信があったので決行。
2時間くらいおしゃべりして、次は3人でスイパラ行く約束して解散した。
突然電話かけたり、呼び出したり、完全なるパワハラムーブだという自覚はある。感謝も申し訳ない気持ちももちろんあるけど、やめるつもりは一切ない。
宵様が、わたしのことを、「ハブ的な役割ができる、集団の中にいた方がいい人間」と言っていた。
わたしは自分のことを「極力近づきたくない迷惑野郎」だと思っているし、一人も好きだし向いていると思っているので、真逆のことを言われて面白かった。お世辞かもしれないけど。
急な呼び出しに応じてくれたふたりのおかげで、思いがけずいい1日にさせてもらった。
実は死ぬほど嫌われていても、突然音信不通になっても、申し訳なさはあれど悲しさはないと思う。そうされても納得だし、あの時楽しかったからまあいいか、と思えるから。
死ぬ瞬間、この気持ちでいたい。
わたしに明日はこないし、多方面に迷惑かけまくって傷つけちゃった人もいたけど、楽しかったからまあいっか〜!って。
感謝だけは忘れずに、でもとことん自己中心的に生き切って死にたい。
そんなことを思った火曜日の定時後。