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Anki Vocabulary Word List(AVWL) 英単語14,484個

はじめまして、Hakuと申します。

このたび、英単語14,484個を含んだAnkiデッキ「Anki Vocabulary Word List(AVWL)」を販売させて頂きます。
それに際し、販売に至るまでの経緯やAVWLの概要等を説明させて頂き、納得頂いた方にご購入頂けたらなと思います。

1. 販売に至るまでの経緯

この記事を読んでいる方であればご存知だと思いますが、Ankiという分散学習システム(SRS)を用いて暗記学習を進めていくと、Ankiが復習タイミングを管理してくれるため、無駄なく学習を行うことができます。

ただし、そのAnkiを導入&使用するためには、HTML/CSSを用いたデッキ作成や教材作成などの多くの障壁があり、Anki導入時点で挫折するか、カードの自作が面倒くさくなり途中でやめてしまうケースが多いです。

Ankiは学習に長期間使用することで初めて高い効果を得られるソフトであり、分散学習の効果をより多くの方に知って頂きたいので、AVWLを販売することによりこれらの問題を解決できるのではと思いました。

2. ボキャビルについての英語学習の中での位置づけ

AVWLからは話が少し逸れるのですが、3. 以降の話の前提となると思いますので、先に説明させて頂きます。

私個人としては第二言語習得論(SLA)に基づいて英語学習を進めていくのが理にかなっていると思っており、単語帳でのボキャビルにあまり時間を割くべきではないと考えています。

SLAでは、第二言語の習得も「大部分は母語話者の言語習得と同じ」過程で起こり、インプットの不足や母語の干渉でうまくいかない点を「意識的学習」で補う必要があるとされています。
つまり、英語学習の「メイン」は母語話者と同じように多量の英語を読んだり聞いたりする多読多聴とし、「サブ」として単語帳でのボキャビル文法があるという位置づけです。

そのため、私自身としては、「work【自】働く、勉強する、機能する【他】〜を働かせる【名】業績、作品」と覚えることにはあまり意味を感じられず、多読多聴を通じてworkという単語を見聞きしたときに情景をイメージできる方が有益だと考えています。

それにもかかわらずAVWLという単語リストを作ったのは、やはり多読多聴のみでは語彙増強が厳しいと思うためです。
厳しい理由としては、多読多聴で初めて出会う単語には引っ掛かりがなく、記憶に残りにくいためです。

渋谷のスクランブル交差点ですれ違った人の顔は覚えてませんが、友人のグループにいる人の顔は少し覚えているように、記憶するためには何かの引っ掛かりを作るのがいいと思います。

単語帳でのボキャビルというのはその「引っ掛かりを作るために行うもの」であり、すべての品詞の意味や用法まで単語帳で覚える必要はないと考えています。引っ掛かりが作れたのであれば他の情報は多読多聴を通じて母語話者の言語習得と同じよう習得できるはずです。

「はじめまして!」から「以前どこかでお会いしましたよね?」という状態にしておくのが単語帳でのボキャビルのゴールで、「〇〇さんっていうんですね!」「海が好きなんですね!」というのはメインの学習である多読多聴を大量に実施することで習得できると思います。

以上をまとめると、単語帳でのボキャビルは「引っ掛かりを作るため」に行うのであって、単語帳でその単語を習得するわけではないので、自然な言語習得である多読多聴のサブとして行うと考えています。

3. AVWLの概要について

【AVWLとは】
簡単に言えば自作コーパスを用いて作成した単語リスト14,484個に、意味、発音記号、単語音声を付け、さらに既存の単語リストに該当する場合にはその旨(SVL・CEFR・NGSLなど)を、どの試験でよく出るのか(高校受験・大学受験・TOEIC・英検)を記載したものです。

【作成方法について】
AVWLの作成方法は、私自身がこれまで扱った英文をtxtファイルとして保存しており、その自作コーパスからコンコーダンサー(コーパス分析ソフト)を使用し、頻度表を作成しました。
そして、その頻度表を元に14,484個の単語を選出しました。
(不要と思われる単語を削っていき14,484個となったので、単語数については特に意味はありません)

【単語の意味について】
多くの意味が記載されていると一覧性があり便利ですが、どれを覚えていいか分からず混乱するため、各品詞ごとに意味を1つに絞りました。
上述した私自身の単語帳でのボキャビルの位置づけからも、引っ掛かりを作るためであれば意味は1つで十分かなと思っております。
多義語などについては他の品詞が存在する場合であっても記載していない場合もあります。

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【AVWLの対象とコーパスについて】
AVWLの作成目的として中学受験から英検1級あたりを対象としたので、受験関連やTOEIC、ニュース記事を中心にコーパスに選びました。

【既存の単語リストとの対応について】
既存の単語リストとしては、SVL、CEFR、NGSL、NAWL、TSL、BSLとの対応を記載しました。
 * 各リストの説明はこの記事では省かせて頂きます。
 * 全てを網羅する意図で作成しておりません。

【どの試験でよく出ているのかについて】
試験については、高校受験、大学受験、TOEIC、英検5〜1級を対象としています。分類については、例えばTOEICであれば、別途TOEICのみの頻度表を作成し、出現回数を元に分類しています。

4. AVWLのカバー範囲

【既存の単語リストとの対応】
自作コーパスから選出した段階で30,000語を超えており、そこからAVWLの対象とすべき単語以外を削っていったので、網羅性はかなり高くなっております。
 *「⇨」の先がAVWLに含まれている語数です。
 * 以下の一覧の〔○%〕は網羅率を概算で表しています。

・『SVL』(12,000語) ⇨ 12,000語〔100%〕
 *『SVL01』〜『SVL12』各1,000語
・『NGSL』(約2,800語) ⇨ 2,853語〔約100%〕
・『NAWL』(約960語) ⇨ 962語〔約100%〕
・『TSL』(約1,200語) ⇨ 1,020語〔約85%〕
・『BSL』(約1,700語) ⇨ 834語〔約50%〕
・『CEFR』(総数不明) ⇨ 7,969語(以下の6つの合計)〔ー%〕
 *『A1』⇨ 1,048語
 *『A2』⇨ 1,221語
 *『B1』⇨ 2,137語
 *『B2』⇨ 2,446語
 *『C1』⇨ 500語
 *『C2』⇨ 617語

【試験ごとの分類】
中学で習う単語(高校受験向き)については難易度に差はないと考え、一括りにしました。
高校で習う単語(大学受験向き)について各大学の難易度に差があるため、3分類にしました。
TOEIC英検については、難易度の低い部分の単語が多くなりすぎないように配慮して分類しました。そのため、ある試験分野(例えば『TOEIC450〜』)ではマストと言えるものを選び、学習初期の負荷を最低限に押さえるようにし、早期に終えることでモチベーションの維持に繋げ、さらに上のレベル(例えば『TOEIC600〜』)へと取り組みやすくしました。

・『中学』(高校受験向け) ⇨ 1,387語
・『高校』(大学受験向け) ⇨ 3,203語(以下の3つの合計)
 *『高校』(高校で習う最低限の単語) ⇨ 941語
 *『高校★』(高校受験向けのうち基礎) ⇨ 1,402語
 *『高校★★』(高校受験向けのうち応用) ⇨ 860語
・『TOEIC』 ⇨ 2,516語(以下の4つの合計)
 *『TOEIC450〜』 ⇨ 407語
 *『TOEIC600〜』 ⇨ 541語
 *『TOEIC750〜』 ⇨ 649語
 *『TOEIC900〜』 ⇨ 919語
・『英検』 ⇨ 5,712語(以下の7つの合計)
 *『英検5級』 ⇨ 240語
 *『英検4級』 ⇨ 197語
 *『英検3級』 ⇨ 483語
 *『英検準2級』 ⇨ 591語
 *『英検2級』 ⇨ 973語
 *『英検準1級』 ⇨ 1,128語
 *『英検1級』 ⇨ 2,100語

5. AVWLの利用にあたって

【導入】
AVWLは「Anki Vocabulary Word List.apkg」というAnki形式(apkg形式)で販売しますので、「ファイルを読み込む」から読み込んで頂ければすぐに利用できます。

【学習するにあたって】
「TOEIC600〜」を学習したいのであれば、それ以外の単語を削除するか保留にすれば分野を絞って学習できます。
自身に合わせて学習オプション(「追加順に表示する」「無作為に選んで表示する」)を切り変えて下さい。

【学習中】
学習中に仮に単語のみではどうしても覚えられないと思った場合には、Googleで画像検索(回答画面の左下のGoogleというボタンがショートカット)をかけて「画像」というフィールドにコピペして画像を表示させることができます。

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また、「出典-1」「引用-1」「メモ-1」というフィールド用しているので、そこにWisdomなどで調べた例文等を表示させることも可能です。
(「出典-2」「引用-2」「メモ-2」とフィールドは2つ用意してあります。)

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ただし、画像を表示させたり、例文を記入したりするのはカードが華やかになり楽しいですが、時間がかかることなので最低限に済ませた方がいいと思います。
あくまでも単語帳でのボキャビルは「引っ掛かりを作るため」に行うのであって、多読多聴がメインとなる点を忘れずに学習していってほしいと思います。

6. 終わりに

以上、AVWLの説明をしてきましたが、AVWLを使っていくうちにAnkiの使用に慣れていき、AVWL以外に自作デッキを作成して、Ankiを使っていってもらえれば嬉しく思います。
その際にはHTML/CSSに向き合わないといけませんが、AVWLのデッキを少しいじってもらえば、一から作成するよりも楽だと思います。

7. Anki Vocabulary Word List(AVWL)の販売

以下、DropboxとGoogle Drive のダウンロードリンクを貼っておきますので、そちらよりダウンロードしてください。

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124字

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