派遣社員の休業手当について

久しぶりの投稿です。

さて、つい先日コロナウィルス感染拡大防止の為「緊急事態宣言」が発令されました、発令される以前から派遣社員の方はさまざまな影響を受けており、賃金等の待遇について不安に感じられている方もいらっしゃるかと思います。

そこで、今回は派遣先休業に伴う、派遣社員さんの待遇等(主に休業手当)に的を絞って説明していこうと思います。

1.派遣先休業時の対応例

今現在弊社にて、派遣先が休業になった際の対応として次のような方法をとっております。おそらく他社さんもこのような対応をとっているのではないでしょうか。

①派遣社員さんには有給を消化してもらう

②休業手当を支払う(※賃金の6割)

他にも対応の仕方はあるかもしれませんが、主な対応として、上記2つがあげられます。※その他にこんなのもあったよ!という方はコメントで教えてください。

次にこの2つの対応について述べていきます

2.前提条件について

第一に、理解しておくべき前提条件として、

コロナウィルスによる派遣先の休業は実質「派遣先都合」であり、派遣社員には派遣元から休業手当を受け取る権利があるということです

つまり、「有給を消化する」or「手当を受け取る」のどちらかを選択する権利は派遣スタッフさんにあります

では、なぜ有給取得を進める派遣元があるのかを説明します。

3.派遣先と派遣元の調整について

有給消化にするのか、手当を支払うのかを決める要素は

派遣先と派遣元との力関係が大きいのではないかと思います。

もちろんしっかりと協議するのですが、

●派遣先の思考:休業中(派遣社員が働いていない日数分)の単価を派遣元に払いたくない。→有給消化にしてもらいたい。(有給消化であれば、派遣先から単価を払わず済む)

●派遣元の思考:派遣社員さんに支払う手当分はなんとか頂きたい。→有給消化ではなく、単価の6割はもらいたい。

この二つの思考がぶつかり合い、派遣先の力が強いと「有休消化推奨」

派遣元の力が強いと「休業手当の支給」という形で派遣社員さんに話をすることになります。

なので、「有給消化した方が得だよー」等、有給消化を推奨されるケースが見られるというわけです。もちろんフラットに選ばさせてくれるコーディネーターの方もいるかとは思います。

では実際、どちらの選択が得か・・・

それはもちろんですが、②の方だと思います。そもそも未だ有給が付いていないという方もいるかと思いますし・・・

ちなみに、その月の収入だけ見ると有給消化した方がプラスです。しかし、わざわざ手当を受け取れる機会に使うのは勿体ないということです。

4.休業手当の仕組み

ここで、休業手当の金額がどのように決まるかの計算式を紹介・解説します。

派遣社員さんの休業手当の算出方法は下記の2パターンあります。

平均賃金の6割(日額)

=(直近3ヶ月の給与総額÷3ヶ月の暦日数)×60%

最低保証額

=(直近3ヶ月の給与総額÷3ヶ月間の実働労働日数×60%)×60%

※金額の多い方が採用されます。

単純に時給×60%ではないのでご注意ください。

では、例に乗っ取ってそれぞれを時給換算してみます。

例)月20日、1日8時間勤務、時給1000円の人の場合

(1)直近三ヶ月の給与総額≒1,000×8×20×3=480,000円

(2)3ヶ月の暦日数≒90日

(3)3ヶ月の実働日数≒60日

平均賃金の6割

=(480,000÷90)×60%=3,200円(日給)÷8=400円(時給)

最低保証額

=(480,000÷60×60%)×60%=2,880円(日給)÷8=360円(時給)

つまりこの方に支給される休業手当は①が採用されるため、

時給400円・日給3,200円という計算になるわけです。

見てわかるように、時給の4割程度になるのです。また、社会保険はいつもと同様の金額がかかるため、かなり賃金が抑えられてしまうイメージになるわけです。※当然、勤務日数の少ない人は最低保証額が支給される場合が多くなります。

☆従業員数の多い派遣会社さんとかだと、助成金などがでており、割合が大きくなることもあるかもしてません☆

5.まとめ

以上のことを踏まえて私自身思うことをまとめます。

●長い目で見たときには、今は休業手当で我慢する方が◎

●短期的(今月の生活)に考えると、年休消化にしておくほうが◎

どちらにしても、派遣社員さんに選択権があることは変わりませんので、今の対応に不満を抱えている方は、コーディネーターさんに相談してみてください。

かなりざっくりとした説明ですので、ご指摘、ご質問がある方はコメント欄にお願い致します。

ありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?