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東京のココに気をつけろランキング

まだスマホが一般的ではなかったのか、たとえスマホを持っていたとしても、Wi-FiやGPSが脆弱だったのか。たった8年前なのに、時代の流れを感じさせる原稿がありました。

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今回はこの夏、地方から東京へ遊びに来る方々に向けての「ガイドブックには載っていない、東京のココに気をつけろ!」ランキングです。僕も上京して8年目。この8年で随分と東京の闇を学びました。カール・ゴッチから盗んだ技術を無償で若手レスラーに教える藤原組長の気分で、お届けします。

第5位  マジ暑い

地球規模の異常気象が続いている昨今、何をいまさらとお思いでしょうが、東京の暑さはいわゆるヒートアイランド、地方の人間が味わったことのない暑さなので注意が必要です。田舎の暑さが炭火なら、東京のそれはガス(逆も可)。同じ気温でも全くの別物に感じることでしょう。熱中症対策は万全でお願いします。

第4位  全然、会えない

上京後の大きな楽しみ、それは芸能人との接近遭遇です。しかし街中で会うことはまずありません。それっぽい人とすれ違うこともあるでしょうが、それはただの「それっぽい人」です。

第3位  めっちゃ歩く

地元では自転車か車でしか行かないような距離を、東京では歩くことになるでしょう。その理由は、単純に東京には見所がたくさんあるから。たとえば新宿に来たとして、スタジオアルタと都庁の観光は欠かせませんよね?しかしこの2カ所は、歩くとかなりあるけれど、タクシーに乗るような距離ではないという位置関係にあるのです。東京都民も即決できない微妙な距離。それなのに多くの観光客は「なんとなく都庁らしき建物が見えてるから」という理由だけで歩き出してしまうのです。これが果てしない旅路のスタート。ビルの高さと人の多さに感覚が麻痺し、あっと言う間に迷ってしまい、ヘトヘトになることでしょう。ちなみに僕は小一時間さまよいました。なので東京へは是非、歩きやすい履き慣れた靴でお越しください。


第2位  狭すぎる

都内にある飲食店、特にチェーン店系居酒屋の客席は全てが手狭という覚悟を持ちましょう。東京は地価が高いので当然なのですが「それにしても狭すぎないか?」と逆ギレしてしまうこと請け合いです。中でも我々地方出身者をイラつかせるのが、隣テーブルとの距離の近さ。近いどころかほぼ相席状態ですから、慣れない内は一向に会話が進みません。そしてどう考えてもお互い様なのに隣席に対して「早く帰れよ」「飯ぐらい家で食え」「また注文?使えねえなあ」などという、人生に全く必要のない憎しみが芽生えてしまい、結果的に自分の心を荒ませてしまいます。無用なトラブルを避けるためにも、早めに割り切りましょう。


第1位  あれは見るな!

東京のガイドブックには電車の「路線図」なるものが掲載されていませんか?しかし山手線というものは、そこに描かれているような円形ではありません。遙か上空から見れば円なのでしょうが、我々が日常生活で目視できる範囲の山手線は、ほぼ直線です。なのでまず「山手線は丸い」という概念を捨てましょう。そうしないと曲線の線路は全部山手線だという錯覚に陥り、結果的に大きく迷ってしまいますよ。また、駅の自動券売機の上に掲げられている他社の相互乗り入れ路線図は見ないでください。電車といえばJRともうひとつぐらい、という認識の我々地方出身者には、あの路線図の解読は不可能です。潔く諦めましょう。

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今でこそ当たり前のように住んでいますが、そもそも僕にとって東京という街は「死にたいくらいに憧れた花の都」ではなく「錆びついたカミソリを畳に突き刺し、夢と書いてよじれるほど笑う」ことを覚悟する場所でした。失敗する可能性が高過ぎる街という意味なのですが、長渕剛さんファンの方ならわかってくれますかね?僕も上京して16年目、ずっと奇跡が続いています。

読んでくれて、見つけてくれて、ありがとうございました。