好きなプロレスラーの異名ランキング
このテーマを思いつき、東スポの担当者さんが興味を持ってくれたからこそ、僕の連載はランキング形式にリニューアルされました。たぶん、このタイミングでテーマを変えてなかったら、とっくに東スポの連載は終わっていたと思います。まさに起死回生の原稿だったと、たまには自画自賛しておきます。
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今回は僕が好きなプロレスラーの異名ベスト5です。耳にしただけでそのレスラーに俄然興味が沸いてしまう究極の宣伝文句、それが各レスラーにつけられた異名=キャッチフレーズ。面白いのは、その大半が作者不詳の作品だということ。いや、調べれば東スポの○○さんとかゴングの○○さんとか、実はあの頃の古館さんとか色々とあるのでしょうが、ここはファンタジーを守りましょう。なお、今回は候補が多すぎるので外国人レスラーのみのランキングにします。
第5位
暗闇の虎 / ブラックタイガー
初代タイガーマスクの刺客として突如現れたブラックタイガー。ブラックを黒と直訳せずに「暗闇」としたことで、当時のちびっ子には得体の知れない恐怖を、大人にはダークヒーローの悲哀を大いに感じさせたことでしょう。また、得意技のツームストン・パイルドライバーを「暗闇脳天」という四字熟語に変換したことも、この異名を浸透させる大きな要因となりました。クラヤミノウテン。ふとした時に口ずさみたくなる言葉です。
第4位
不沈鑑 / スタン・ハンセン
ブレーキの壊れたダンプカーとも呼ばれていましたが、カッコいいのは間違いなくこっちです。不沈鑑となってからは基本的に負けないレスラーというイメージが定着。だからこそ、ハンセンに勝てば真のトップレスラーという証をファンは喜んで受け取れました。現在のプロレス界にも第2の不沈鑑が出航することを願ってやみません。
第3位
喧嘩番長 / ディック・スレーター
シュートという概念が乏しい時代に、いやがおうにも想像力を膨らませてくれた異名です。控え室で相手をボコボコにしているのでは・・・私服はドカン、ヨーランでリーゼントなのでは・・・試合後はくるくるパーマに長めのスカートをひきずった女の子と夜の街へ消えていくのでは・・・当時大ブームだった横浜銀蠅との相乗効果は絶大でした。
第2位
南部の帝王 / ジェリー・ローラー
特定の地名ではなく大ざっぱな「南部」としたことにより、広大なアメリカ大陸と、世界規模で展開しているのであろう組織、そして「まだ見ぬ強豪」感を強く醸し出すことに成功した、秀逸な異名です。プロレス界全体のスケールを大きくさせたという意味で功労賞モノだと思います。
第1位
美獣 / ハーリー・レイス
超獣、野獣、筋肉獣・・・様々な「獣」が生息するプロレス界において、その頂点に立つのが「美獣」です。神話に登場するような神々しい想像上の生き物を彷彿とさせる「美しき獣」、しかしこの異名を持つハーリー・レイスの風貌はどう見てもオジサンでした。そんな見た目とのギャップに最初は「なんでこの人が美獣なんだろう?」と納得がいかなかったのですが、プロレスを見続けるうちにその美しさとは「ハーリーレイスのプロレス」を指していることに気がづいたのです。攻撃、受け身、表情、凄み、その他、全てが「美」としか言いようがないプロレス。だからこそ、ハーリーレイスは「ミスタープロレス」とも呼ばれていたのでしょう。
番外編
和製・マットの魔術師 / マイティ井上
僕の中学時代のあだ名「焼却炉の魔術師」の元ネタはこれです。どこのどなたかは存じ上げませんが、ありがとうございました。
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あらためて、この連載にプロレスの話が多いのは、掲載される媒体が東京スポーツだから。このイズムは現在に続くのですが、東スポの紙面からプロレスの記事が減っているからこそ、僕は補填するつもり書いていますし、だからこそ、連載が続いているとも信じています。
読んでくれて、気づいてくれて、ありがとうございました。