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僕が先輩から頂いた苦言ランキング

ドロンパ。僕が目指す男前。ドロンパ。カッコいい。

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今回は「最近、若手への苦言を求められる役割も多くなった僕が、若いころに先輩から呈された苦言」ランキングです。今年で芸歴25年目、昨年のTHE MANZAIで優勝した大吉「先生」だからということなのでしょう、最近は若手芸人へのアドバイザーというか、ご意見番的な仕事が増えてきました。本音を言えば「やりたくない」仕事です。そんなものは道場でやれば済む話で、お客様の前で見せるものではないというプロレスの精神が僕にあるからなのですが、それを引き受けることによって若手芸人が露出できるというメリットもありますので、現状では渋々やらせてもらっています。しかし、僕もまだまだ発展途上の身。初心に帰るべく、諸先輩方からいただいたご指導、ご鞭撻をもう一度かみしめたいと思います。

第3位 舞台では衣装を着なさい

時は1990年代前半。若手ユニット「吉本印天然素材」の誕生により、大阪の心斎橋筋2丁目劇場を中心とした若手芸人ブームが起こりました。そんな様子を福岡から人ごとのように眺めていた僕たちに、大阪から仕事で福岡に来られた師匠方が全員、口を揃えていたのがこの苦言です。いわく「最近の大阪の若手は、あろうことか私服で舞台に出とる!」そうで「お客さんに失礼や!」とのこと。しかしこれは、芸人らしく派手なスーツでも着ろという話ではなく、劇場入りの時と寸分変わらぬ格好で舞台に出ている若手芸人に対して、師匠方は疑問を投げかけられているようでした。ちなみに初めてジーンズを履いて舞台に立った漫才コンビは中田カウス・ボタン師匠なのですが、カウス・ボタン師匠は私服のジーンズと舞台用のジーンズを履き分けていて、しかも!舞台用のジーンズは絶対にスーツと同等か、それ以上の値段という条件を自分たちで課していたとのこと。「でもな、それが最低限の礼儀ちゃうか?」と仰る師匠は、背筋が伸びるほどカッコ良かったです!

第2位 シャツのボタンは全部留めなさい

いつどこで誰に会うかわからないのが芸能の世界です。いかなる場合でも先方に失礼があってはいけないという理由で、デビュー当時はとにかく服装の乱れを注意されました。私服は基本、襟が付いていないとダメ。シャツはズボンの中に入れて、ボタンは一番上まできっちり留める。なるべく爽やかな、清潔感のある服装を心がけることは芸人の義務だと教えられました。中でも重要視されたのは「靴」です。芸人は何かと「足元を見られる」商売だから、そこは常に気を配るようにということで、少しでも靴が汚れているとすぐに「お前、芸人に向いてないで!」と引退勧告を受けたものです。ちなみに福岡の若手芸人が貧しすぎて靴が買えず、ボロボロのスニーカーを履いているところに出くわしたオール巨人師匠はそいつを呼び止め、事情を聴き、今後も芸人として頑張るならという約束を交わした後、すぐに靴代として1万円を渡していました。カッコイイ!!

第1位 耳は出しなさい

今も昔も、なぜか語り継がれている苦言です。髪の毛で耳を隠している芸人は売れないとのことで、少しでも髪の毛が耳にかかっていると散髪に行かされました。言われてみれば売れている吉本芸人は皆、耳を出した髪形です。そもそも耳を隠す髪形自体が少ないのでしょうが、これはこれで守らなければ落ち着かないジンクスです。なのでこれから散髪に行って、僕もカッコよくしてもらいます!

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今の吉本には、ここまでの上下関係はないような気がします。でもこれは決して憂うべきことではなくて、それだけ今の後輩がしっかりしているから。頼もしい限りですね。

読んでくれて、見つけてくれて、ありがとうございました。