特別な支援について考える

特別な支援を行うときに絶対に避けては通れないのが「自立活動」という教科。この教科の考え方を抜きにして特別支援はどうしたって成り立たない。そうなんだけど、普通学校の特別支援学級は教育課程の中に自立活動という科目が入っていても、うまく機能していないことのほうが多い。
その大きな理由として考えられるのが、自立活動を行うのは、「自立活動の時間」であるという思い込みだと思う。

そもそも自立活動はなんなのか

自立活動の内容を把握できていなければ、ものすごく特別な科目だと思うよ絶対。だって、学習指導要領の内容には普通学校の特別支援学級に通うお子さんにはとても当てはまらないような事例がほとんどだし。
だけど、重い事例とかそういった部分を度外視して自立活動6区分27項目をよく見ていくと、社会の中で人として生活していくのに必要なスキルが書かれている。それで、生活のためのスキルは幼い頃から少しずつ生活の中で成功したり、失敗したりしながら積み上げていくものだと思う。子育てしていてほんとそう思う。

もちろん、家庭や地域によって生活は大きく違う。生活の環境や出来事のタイミングが違えば、その資質・能力を習得する順番や内容は変わってくる。そこに加え、障害や特性によって困りを抱える子どもたちは、その習得に時間や回数がかかったり、なかなか自然には身に付かないことがある。
だから、個人に必要なことを必要な支援を以って習得していくのだ。

自立活動と自立活動の時間

子どもたちの生活は連続している。国語・社会・算数・理科…といった教科によって学習することは区切られているが、生活の中で身につけていく集団の中での生き方や人との関わり方は教科で区切ることはできない。全て繋がっている。
生活の中で発揮されるスキルは生活の中で培われる。つまり、学校で過ごす全ての時間が自立活動。「自立活動の時間」でだけ自立活動を行おうとすると何をしていいかわからないし、どんなに良い取り組みも連続していかない。

そうすると、どんどん教師にとって自立活動は負担になり、意味のある時間ではなくなってしまう。子どもと一緒に生活をしていく。その中で、子どもにとって楽しくて、お得な取り組みを見つけて、気づいたらめっちゃ成長してたっていうのが1番の自立活動なんじゃないかな。自立活動を考えるのは子どもではなく教員側。しっかりと観察に重きを置いて、見立ててあげるとお互い楽に学習ができる。

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